先日、15年15万kmを共に走った三菱デリカ D:5を売却した。
これだけ長く乗っていると別れが寂しい。
売却と、新しいクルマを注文するまでのことを少し書いてみようと思う。
ちなみに新しいクルマは、ホンダ車だ。まだ届かないけど。
尚、今回の記事には、買い替えノウハウなどの情報はありませんので悪しからず(笑)
そろそろ乗り換え時だな
2020年初頭、そろそろクルマの乗り換えを考えていた。
その頃のデリカD:5は、距離は12万Kmを超え、あちこちの部品も傷んできているようだった。
ディーラーの半年点検でも、あれこれ部品交換の必要性を言われたりする。
そして、やっぱり、「そろそろ新しいのどうですぅ?」とのお勧めだ。
(デリカ D:5のパンフレット)
乗り換えの必要性を感じた決定的な出来事のひとつにブレーキの引きずりがあった。
これは、凍結防止剤をちゃんと落とさなかったのと湿気の高い駐車場に停めていたことが原因だった。
前後のブレーキ部分を交換したため、結構な出費になってしまった。
ここが錆びてくるということは、他の部分も推して知るべしなんだろう。
そして、子供も独立し、もう夫婦ふたりだ。大きなクルマはもういらないかなと思うようになった。
しかし、エンジンの調子はすこぶる良い。
昔のガソリン車だけあって、アクセルペダルを踏めば、ぐっとレスポンス良く反応してくれる。
そして、キャンプへ行く時は、荷物はわんさか載せられるのでとても使い勝手が良いのだ。
まだ一年以上先ではあるが、6回目の車検をどうしよう?、つまり13年目で乗り換えをするかどうかを考えていた。
税金問題
新車から13年目を過ぎると、ご存じのごとく税金が上がる。
以下はその概略。
毎年納めるべき自動車税種別割※(自動車税)と車検時に課せられる自動車重量税は、新車登録から13年が経過すると、一部の車を除いて税額が上がるように定められている。
これは、地球温暖化や大気汚染を防ぐために、環境負荷の大きい自動車には重い税金を課すという国の方針に基づくもの。
そのため、環境にかかる負荷が小さいエコカーなどは、税負担が少なくなる。
※2019年10月より名称が「自動車税」から「自動車税種別割」に変更された。
なんと、およそ15%も税がアップするのである。なんだかねぇ・・・
出典:国土交通省
建前は『地球温暖化や大気汚染を防ぐ・・・』ということらしいが、どっかでメーカーとつながってんじゃね?と勘ぐってしまいたくなる。
モノを大切にする日本人からすると、とても残念な法律だと思う。
そもそも、走り方で燃料消費なんぞは結構変わる。
高速道路で車間距離詰めすぎでブレーキばかり踏む「下手くそ運転」より、ちゃんと車間空けて定速運転する方がよっぽど燃費がよかろう。
どうも、おばちゃんが多いような気がする(たまに若いねえちゃんもいるけど・・・)が、またこんなことを書くと女房殿に怒られそうなので心の声ということにしておく。
クルマ探しをするものの・・・
そして乗り換えのクルマの検討に入った。
しかし、これといったのが無い。世の中、SUVばやりだが、帯に短したすきに長しのものばっかり。
とりあえず、良さげな車種を選定した。国内一番のメーカーの四輪駆動のSUVだ。
様子を探るべく、2店舗ほどディーラーを回ってみる。
しかし、なぜか、営業の「売るぞ!!」という熱意を感じられない。
あまりイケイケの買え買え感を出すと客が嫌がるからそうしないのかもしれない。
まあ、業界一番のメーカーのディーラーだ、わしみたいな貧乏面で、注文のややこしそうな客を相手にしなくても、客は他にいくらでも居る。
その車種は、コストカットのためなのか、いろいろなところが省かれていて、海外仕様にはあっても、国内仕様では装備が無い部分がある。
ほしい機能が無いのは辛い。特にステアリングサイドのパドルシフトが無いのが残念だった。
どういった理由で省いてしまうのだろうか?車両価格を下げるため?やはりコストカットのため?
デリカD:5にはパドルシフトが付いていて、これがまことに使い勝手が良い。
峠や山道で、緩いカーブであればノンブレーキで下っていけるし、高速道路でもちょっと車間を開けたいとき、わざわざブレーキを踏まなくても、チョチョイと減速できる。
なんと便利なことか。
(下はデリカ D:5のパドルシフト)
たまにYahooでパドルシフトの必要性を問う記事を見かけるが、わしは100%必要賛成派である。
そのSUVは、自分でパーツを買ってきて加工してやれば後付けができそうだったが、せめてオプションにでもしてくれればいいのにと思う。
やっぱり国内市場って軽視されてるのかなぁ。
ドアの開け閉めで手をかける部分も位置がおかしく、凄く扱いづらい。設計不良のような気さえする。
女房殿は、ごっつ過ぎて、う~ん、ちょっとねぇ、と言う。
まあ、アウトドア指向の高いSUVモデルだし、そのあたりは仕方がない。
どうもしっくりこないし、煮え切らないままだったが、半分妥協する形で、ほぼその車種を購入することにした。
その後、その車種で、ルーフから雨漏りするという不具合がネットでニュースになった。
この時代に?大丈夫かね?、コストカットし過ぎで、詰めの甘いクルマになっている気がした。
海外のムーステストでも「乗らない方が良いクルマ」という評価を出していた。
(現在は制御プログラムで改善されているようだ。)
※ムーステスト:突然現れる障害物を回避した際の車の挙動を見るテスト。
そうこうしているうちに、とあるメーカーから新車発売の予告が。2021年1月のことだ。
一部分だけ見せるティザー画像、ちょい見せ画像を見た瞬間にピンと来た。これ、いいんじゃね?、と。
俗にいう一目惚れというやつである。
出典:本田技研工業株式会社
※ティザー画像(ティザー広告)とは、あえて商品写真など小出しして、消費者の興味や関心を引くことを意図したプロモーション手法。
覆面広告とも言い、 Tease(じらす)を語源とするように、情報を小出しにすることで消費者を焦らし、好奇心や興味を集め、期待を膨らませることを目的とする。
発売が同年の4月。デリカ6回目の車検は、6月に迫っていた。
その後、ワールドプレミアで全体像、内装の画像を公開。
デザインが良いし、内装もさっぱりしていて扱いやすそう。
そして、なんとパドルシフト(ホンダでは”減速セレクター”と呼ぶ)が付いているではないか。
エアコンダイヤルも回転式スイッチになっていて直感的に操作できる。これはうれしい。
しばらくすると試乗動画などもアップされて、走りも良さそうだ。良い予感は的中した。
間違いない、次に買うのはこれだ!!
ちなみに、女房殿は、デザインは気に入ったようだ。只、荷物載らないわね~。とのご意見。
まあ、そのあたりはどうにかなるでしょ。セダンのクルマでキャンプに来る人もいるわけだから。
しかし、デリカの次回車検にはとうてい間に合わないので、やむなく6回目の車検を受けることにした。これが2021年6月のことだ。
翌年の2022年5月、商談のためディーラーに何度か足を運んだ。
なぜ、1年も待ったか?それはホンダから少し大きめのSUVが出るとの話があり、どのようなものか興味があったからだ。
女房殿は、やはり大きめのクルマを希望していた。もうその時は生産を終了していたオデッセイあたりが良かったようだ。
だから、それを見てからでも遅くあるまいと思ったのだ。
しかし、新型車はちょっと期待はずれだった。やはり当初の予定通りに。
それに、実はデリカにもう少し乗っていたいという気持ちもあった。
そして、ついに2022年5月中旬に商談成立。
かなり値引もしてもらった。ありがとう、営業さん(笑)
その時の様子が、以前の記事、
クルマ購入時のオプション 取付けしないでパーツとして売ってもらうことができるか?
である。
自称「注文のややこしい客」というのはこういったところから来ている。
納車は翌年、つまり2023年の4月納車予定。
予定通りなら、デリカの車検切れ2カ月前には納車されるハズだった・・・
しかし、あのウイルス、そして戦争、半導体不足が重なって、予想を超える長い長い納車待ち修行が始まることになったのだ。
車検には間に合わない
当初の予定では、納車は4月初旬の納車。
しかし、半年ぐらい遅れるという不穏な噂が流れていた。
ディーラーに確認してみると、やはりそうらしい。半年とは言わないけれど数か月は遅れそうと。
たぶん、デリカの車検満了には間に合わない。
そんなこともあろうかと、注文時には、もし間に合わなかった場合は代車を手配してほしい旨の話しはしておいた。
今にしてみれば事前に話しておいたのは良かったと思う。
ネットを見ると、レンタカーを借りてくれとか、中にはレンタカー代は自腹で、とかひどい扱いを受けてるケースもあるみたいだ。
(代車の旧型ヴェゼル 足回りは硬めだが、なかなかいい走りをする)
査定
そして、2023年6月、デリカは車検切れの月になった。ついにお別れの時だ。
15年、15万kmという過走行車。ほとんど価格は付かないだろうと予測した。
当然、複数ケ所での査定はしてもらった方が良い。
ネットで業者をいろいろ探してみる。
中には”どんなクルマも0円以上で買取!”とかの広告をうっているところもある。
おいおい、0円だったら買取とは言わんだろ!、とツッコみたくなるが。
そんな中には、今、話題沸騰の、大きなモーターさんもあったが、悪い噂があったので(まだマスコミが騒ぐ前だった。)やめておいた。
某大手カー用品店も中古車買取をしているらしいことを知った。店が近いし、帰りは歩いて帰ってこれる。
ネットで予約し、いざ査定でお店へ。
平日にもかかわらず、客は多い。店員もバタバタしている。ここでも人手不足なんだろう。
査定してもらうと、耳を疑う価格を提示された。
聞くと、デリカD:5は人気車種で、過走行車でも高額で取引きできるらしい。
あちこち改造しまくり、穴だらけ(目立つところは適当に塞いだが。)なのに。
どうも外装がきれいだというのも理由だったようだ。
実は、1年ほど前に、ポリッシュして、コーティングをし直したので、かなりピカピカなのは確かだった。
それでもボンネットのクリア層はあちこち剥がれていたのにね。
とりあえず、一旦店を出て、今度はディーラーで、査定してもらう。
案の定というか矢吹丈というか、先の店の半値だった。やっぱりね。
いよいよその時は来た
そして、いよいよ某大手カー用品店へ引渡の日。
前日は、内装、外装ともきれいに掃除。機械なのに人格を持っているような気さえする。
15年も乗ってればそうなるよな。
店につくと売却手続きを開始。印鑑証明を提出し、いくつかの書類にサイン、印鑑を押した。
そしてキーを渡す。
店員が、クルマを奥に移動していった。
さよならデリカD:5。これまでありがとう。後ろ髪引かれる思いで店を後にした。
おわりに
今後、このクルマがどう扱われるか聞いたところ、まずオークションにかけられるとのこと。
先にも書いたが、デリカは人気車種なのだという。
そのあとは、恐らく海外で乗られることになるだろうと。
少なくとも、スクラップや、パーツにばらされることはないらしい。それにはちょっと安堵した。
しかし、海外といってもいろいろある。
ロシアは、例の戦争で4駆車をほしがっているそうだから、ロシアへ行く可能性も無くはない。
一応、8月に中古一般車両のロシアへの輸出には制限がかけられるようだが。
第二の人生、いや車生か。大切に乗ってくれる人に渡ってほしいものだ。
そして、先日、新しいクルマが8月下旬納車されることが決まった。