30年使ってきたガスコンロを修理する(立ち消え安全装置の誤作動)

我が家のガスコンロはバーナーが3つあるごく普通のもの。

しかし、ずいぶん前からバーナーのひとつの点火不良が起きていた。
点火してもすぐに火が消えてしまうのだ。

今回はこれの修理成功した話である。

バーナーのひとつが不具合

よくもまあ、こんな古いガスコンロを使用しているなぁ、と思われるかもしれないが、我が家のガスコンロはもうじき30年。

見るも無惨に古い。この汚さはモザイクレベルだが、あえて公開しておく。(嫁さんに怒られそう。)

一般的にガスコンロの寿命は8~10年といわれるから3倍は使っていることになる。

このガスコンロ、バーナーが3つあるが、ひとつが不具合を起こして使えなくなっているのだ。
それもいちばんよく使っていた手前のバーナーが。

使えるのは奥2つのバーナーだけだが、煮炊きに大きな支障はないため放置してきた。

症状は、点火してもすぐに火が消えてしまう状態。
点火/火力調整ノブを押している間は、燃焼しているのだが、離すと火が消えてしまう。

以前は時々起きていたのが、もうすっかりダメになってしまった。

騙しだまし使っていたが、やはりもう替え時なんだろうなとは常々思う。

そもそも、そんなに古いコンロを使用していることが異常。

可燃ガスという目に見えぬ危険なものを扱う器具。だから、安全を考えれば交換して当たり前だろう。

でも高いんだよねぇ・・・

思うに、なんでこんなものが十万円とかするのかね?

まあ、最近はマイコン制御とか、おサレな外観とかそれなりにコストはかかっているだろうが。

しかしそれにしても・・・わしは絶対、ボッてると思う。だいたい値引きが凄いしね。

原因は「立ち消え安全装置」?

そんなわけで、当ブログの存在意義である「無理と思っても挑戦」、「DIY(どうなっても-いいから-やってみよう」に則り修理に挑戦することにした。

最悪壊れたら、カセットコンロで過ごせば良いだけの話である。

ちなみにひとり暮らしなら、カセットガスボンベ1本で1~2週間は煮炊きが可能である。(体験者談)
激安のカセットガスなら1本70円ぐらいで手に入るからコスパは高いゾ(笑)

また、先にも書いたが、可燃性ガス機器の分解は、ガス漏れや発火、爆発等のリスクはある。

一応、ガス可とう管接続工事監督者の資格は持っているが、ガスコンロを修理する資格ではない。(※ガスコンロを修理するのに資格は必要ありません。)

これは「ガス可とう管」という接続部品を使って、ガス栓とガス機器との接続工事ができる資格だ。
素人がやると危ないので資格化されているわけ。但し、作業できるのは都市ガスのみ。

1日の講義と実技講習を受ければもらえる。
一酸化炭素中毒とかの話も出てくるので講義の内容もなかなか面白い。

もし、ビルトインタイプ(埋め込み型)のガスコンロ(都市ガス)を自分で交換したいなら、取得しておくとよいだろう。

さて、話が逸れてしまったが、点火不良の原因は何かを探ってみる。

ガスコンロは日立化成製で、型式が「GCT-3103GSR」というビルトインタイプのものだ。
ネットで探しても、機器に関する情報はほとんど無い。もちろんディスコン。

一応点火はするわけだから、目詰まりしてガスが来てないわけではない。

症状から調べると、どうも「立ち消え安全装置」の不具合の可能性が高いことがうかがえる。

「立ち消え安全装置」というのは、ふきこぼれなどで、予期せず火が消えた場合、ガスを自動で止めてくれる安全機能。

今回は火は消えていないのだから、「立ち消え安全装置」の誤動作だろうということになる。

バーナー部分をよく見ると、ふたつの突起がある。
ひとつは点火時に火花を発生させる点火プラグ、もうひとつはちゃんと炎が出ているかどうかを見ている「立ち消え安全装置」の炎センサーだ。

炎センサーは、熱電対という、2つの金属を結合し温度差によって熱起電流が発生する仕組み(ゼーベック効果)を利用している。

センサーに炎が当たっていれば熱起電流が発生する。

この熱起電流によって、電磁石を働かせ、電磁弁を動かしガスの供給を制御してやる。

外部電源に頼らずに動作するわけだから動作確実、しかもフェイルセーフでもある。
これを考えた人は賢いなと思う。

下図は「立ち消え安全装置」の動作を簡略化して書いたものだ。

①炎が正常な時は、炎センサーからの熱起電流で電磁弁が働き、ガスの供給が継続して行われる。
②ふきこぼれなどで、炎が消える。
③炎センサーからの熱起電流がなくなり、電磁弁はスプリングの力で復帰し、ガスの経路を閉じる。

下の画像は燃焼時の炎センサーの様子だ。
見づらいが、矢印部分の炎センサーにガスの火が当たっているのが分かる。

最近のガスコンロは加熱防止機能や消し忘れ消化機能とか安全性も高くなっているようだ。

但し、「加熱防止機能」が余計なお世話になって、逆に使いづらくなり、機能をディセーブル化するブログ記事や動画もある。
あの、どっかのOSと一緒だな。

では、故障場所はどこか?炎センサーか、もしくは電磁弁、それとも途中の配線?

感では電磁弁が怪しいと思った。

電磁弁(電磁ソレノイド)は、内部の動作する鉄芯が経年変化で動きが渋くなることがある。
恐らく、熱起電流が来ても鉄芯が引っ張り切れないのではないだろうか。

これは、鉄芯部分にオイルを供給することで解決する。

分解、清掃

ということで、ガスコンロの分解を始める。

と、その前に、まずはガス栓を閉じる。

開けたままだと、分解途中でガスが漏れ出して大変なことになる。
それと、点火用の電池も抜いておこう。ミスって感電するのも怖い。

分解は意外と簡単だ。

最近のものとは構造が違うが、コンロの受け皿を押さえているのは、下のL字型のフックのみ。
これが各バーナーに付いているので、ネジをゆるめてずらす。(外してしまってもよい。)

受け皿を上に持ち上げれば、内部が丸見えになる。
これもモザイクレベルの汚さだ。

今回は、電磁弁を疑ってはいるが、「立ち消え安全装置」ごと取り外したいので不具合のあるバーナー部分を外すことにする。

L字型の押さえピンを上方向に立てて、ピンを抜く。

これでバーナー部分を上に持ち上げれば、外すことができる。

内部の保護カバーを取れば、電磁弁が見える。

電磁弁は2本のビスとアース側の配線用ビス1本を取れば外れる。
(取り出したあとは汚れが付着しないよう保護しておくとよいだろう。)

炎センサー側は、画像を撮り忘れてしまったが、それなりに分解してゆけば外すことができる。
(組み立て時、わからなくなったら別のバーナー部分を参考にすれば良い。)

下が取り出した「立ち消え安全装置」。

炎センサー。
すすがこびりついているので、ワイヤーブラシで軽く清掃した。

電磁弁。

手で動かしても、特に動きが渋いとは思わなかった。
しかし、熱起電流というとても小さな電圧、電流で動作するので感覚的には分からないかもしれない。

シリコンオイルを差しておいた。これで大丈夫・・・かな?

ついでに他の部品も整備しておこう。

バーナーのガス受け口は空気取り入れもいっしょになっていた。
埃で一部の穴がふさがっていたので清掃。

バーナーキャップも、長年蓄積した汚れでふさがった穴があったので、清掃。
拭いたり、突っついても取れない程汚れが付着していたので、ドリルを使って穴をほじる。

仮で組み立てる。

点火する前に、取付忘れや、ビスの締め忘れが無いか確認しておく。
ミスでガス漏れとかしたら大変だしね。

ガスの元栓を開けて、ガス臭がしないことを確認。
OKなら点火用電池をセット。

では点火/火力調整ノブを押す。緊張の夏だ。

おお!!無事点火。
点火/火力調整ノブを離しても火は消えない。

何度か繰り返しても問題ないようだ。

すべてのバーナーが正常か確認。

修理完了

不具合は解消したようだ。

恐らく電磁弁に注油したのが効いたのだと思う。

直らなかったら放置するつもりだったが、気をよくして他の部分も清掃。

バーナーカバーは長年の汚れが蓄積して石のように固くなっていたためスクレーパーで削ぎ落した。

全体を元に戻す。
五徳もひどい汚れだが、本日は気力が無くなったのでまたいつの日か。

あとは、直ったバーナーでコーヒーでも沸かし、ほっこりしましょう。

おわりに

30年ビンテージもののガスコンロだが、これでまだまだ使えそうだ。

業者や関係者から「交換しないと危ないよ!」と言われそうだが、気をつけておこうと思う。

交換するとしたらそう遠くはないリフォームのときになりそうだ。

まあ、前から書いてることだが、ちょっとしたことで再生できるものはいっぱいある。

リスクがあるものもあるが、なんでも買い替えれば良いというものでもない。

先日、各国で消費された衣類が、ほとんどリサイクルされず、砂漠に捨てられているテレビ番組を見て愕然とした。
リサイクルされることを願って古着を出していたのに・・・我々はなんて生活をしているんだろうと。

記事もあったのでリンクを載せておく。

 「AFPBB News 砂漠を汚染する「ファストファッション」 廃棄した古着から有害物質 チリ」
  https://www.afpbb.com/articles/-/3375578?page=1

最近、数か所穴の開いたユニクロのウルトラダウンもパッチを貼って使っている。

しかし貧乏根性、いや「モッタイナイ精神」は脳活性化の源、すばらしいではないか。