TPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)


タイヤのパンクは意外と気づかない。ましてや空気圧が少しぐらい低下しているだけではなおさら。
そこでTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)というデバイスを取り付けてみた。
大陸製だが性能が良く、コスパも高いのでその使用感をお伝えする。

パンクって意外と気づかない

先日こんなことがあった。

出かける途中、何か飲み物を買おうとコンビニに立ち寄った。

コンビニ店から出て、クルマを見ると何か変。

「ん?クルマがちょっと傾いている・・・?」

よく見るとひとつのタイヤの高さが半分ぐらいになっていた。
どうもパンクしているようだ。運転していて違和感は全くなかった。

クルマに乗り始めてからウン十年経つが、パンクは初めてのことだった。
(自転車の時はしょっちゅうパンクしてたのにね。)

完全に空気が抜けていたわけではなかったので近くのガソリンスタンドまでゆっくり走り、修理してもらい事なきを得た。

遠方へ行く予定だったので、早く気づいてよかった。
もしコンビニに寄らず、気づかずこのまま高速に乗っていたらどうなっていたことやら・・・
この時、クルマのタイヤのパンクって意外と気づかないもんなんだねぇ~と思った。

それからこんなこともあった。

細い路地を歩いていると、後ろから来たミニバンがなにかを引きずるような音を発しながらゆっくり通り過ぎていった。
見るとその後部タイヤが明らかにパンクしていてぺしゃんこになっている。

すぐ先の信号で止まったので、追いかけていって、運転手に声をかけた。
若い女性が乗っていた。

うしろのタイヤがパンクしてるみたいですよ。
すると女性は、「やっぱりそうですか」と答えた。
変だなと思いつつもそのまま走っていたようだ。

このまま走り続けると、タイヤやホイールを痛めるので、スペアに交換するかすぐ修理した方が良いですよと老婆心ながら伝えた。

やはりパンクというのは気づかないのね。なんか変だなとは思うんだろうけど。

特に前輪駆動の車だと、後輪のタイヤがパンクしても結構気づかないケースが多いようだ。

TPMSというもの

こんな経験から、TPMSの存在が気になっていた。

「TPMS」とはTire Pressure Monitoring System。つまりタイヤの空気圧を監視してくれるアイテムだ。
高級車には装備されているらしいが、我が貧乏車にはそんものがあるはずがない。

日本製だと結構なお値段がするようだが、外国製のものが出回っている。
たぶん多くは大陸製。しかも数千円出せば買える。

今回は「技術基準適合」を謳う商品を購入してみた。型番はTWS402という商品。
丈夫な化粧箱に入っているのはいいが、ふたがちょっと開けづらい。

セット内容は以下だ。
表示する本体(受信機)と各タイヤに取り付けるセンサー4個、ゆるみ止めナットと工具、センサーの電池交換ツールなど。あと英語の説明書が入っている。

センサーの裏側はこんな感じ。ボタン電池が内蔵されている。数年は持つようだ。

本体には2つの押しボタンがあり、電源のオフオン、ブザーの停止、設定の変更ができる。
太陽電池がついていて電源ケーブル不要で動作する。

背面には技術基準適合のマークがついている。

電源を入れるとこんな感じ。表示はなかなかクッキリと見やすい。
押しボタンでPsiとBarの圧力単位の変更ができる。

取り付け方法

センサーの取り付け方法はネットで調べれば、いっぱい出てくるが、簡単に説明しておこう。

まず元々付いているバルブキャップを外し、センサーのゆるみ止めナットをあらかじめ取り付ける。

次にセンサーを指で回らなく程度に取り付ける。センサーにはFRとかRLとかの表示があるのでその表示の位置のタイヤに取り付ける。
ちなみに、
RRがRear Rightで右うしろ、RLがRear Leftで左うしろ。
FRがFront Rightで右まえ、FLがFront Leftで左まえ。
ちなみに俺は半人まえ。

本体の電源を入れておくと、センサーが圧力を検出した時点で信号が送信され、本体に圧力と温度が即表示される。
本体は振動が無い状態で放置すると表示が消え、振動を与えると再び表示する。
信号待ちなどで停車すると表示が消える。自身の消費電力を抑えるいいアイデアだ。

検出が正常そうなら、先に付けたナットをセンサー部まで回し戻し、付属のレンチでナットを増し締めすればゆるみ止めが完了だ。
これはセンサーの盗難防止にもなる。
(私のクルマのホイール形状は前からの締め付けがしづらいので、後ろ側から閉めている。)

あとは付属の滑り止めのシリコンゴムシートを敷いて

本体を運転の邪魔にならず見やすい場所に置けばOKだ。
ちなみに本体背面の太陽電池で充電されるようになっているが、光の当たらない場所に置く場合は、付属のUSB充電ケーブルをつないでUSB電源を供給するとよい。
USB電源は100均などで売っているシガレットプラグUSB電源アダプタを使えば良い。
最近のクルマはUSB電源の口があらかじめついてるようだね。

注意点など

さて注意点としては以下になる

  • タイヤ内蔵型ではないため、タイヤへエアーを充填する場合は、いちいちセンサーを外さなければならない。これは結構面倒だ。
    だからゆるみ止めナット用スパナは常時クルマ内に保管しておくのがよいと思う。
  • ゆるみ止めナット用スパナを無くすとセンサーが外せないという悲惨なことになる。
    (強引に外すことができなくもないが)スパナは紛失しないよう注意が必要だ。
  • タイヤローテーションした場合は付け替え(表示器とタイヤの位置を一致させるため)が必要。
    説明書を見ると受信機とセンサーのペアリングの変更はできるようだが・・・
  • 積雪、凍結の時期はゆるみ止めナットの腐食に注意。
    融雪剤、凍結防止剤は言ってみれば「塩」なので、雪道を走ったあとはセンサー周りを真水などで洗浄しておくのがよいと思う。

「技術基準適合」だが・・・

あと、総務省の「技術基準適合」とはなっているが適法かどうかグレーなところもあるみたいだ。
というのも使用する周波数が433.92MHzで、アマチュア無線バンドの430MHz帯とかぶっているためだ。ただ微弱電波で無視できるのかもしれない。

ちなみに受信機で電波発信の様子を見てみると、パルス的に電波を送信しているようで、センサーを取り付けたときに瞬間的に2回、センサーを外したとき(つまり圧力ゼロ)の時
瞬間的な電波を連続8回ほど送信することが観測できた。

実際の走行中は事象の変化(圧力、温度の変化)が発生すると送信を行っているようだ。
デジタル変調(ASK/00Kとか)で送信しているようだ。(未確認)

おわりに

高速道路などではパンクに起因する事故はだれにでも起こり得る。
何かを踏んでタイヤが破裂するケースもあれば、メンテナンス不良による空気圧不足や徐々に空気が抜けるスローパンクチャーで発生するケースもある。

空気圧が異常に低下していてもドライバーはそれに気づくことが難しいのは先に書いた通り。

ならばトラブルの早期発見に役立つのが、タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)である。
今回の装置は設定しておいた圧力異常(低圧/高圧)を検出すると、大きなブザー音を発すようにできている。

TPMSは、タイヤのトラブルを知るにはとても有効であるし、空気圧低下による燃費の悪化やタイヤの偏摩耗を防ぐためにも有効な装備である。
取り付けは自己責任となるが、命を守るために是非とも装備したいアイテムのひとつだと思う。