やればできる!自分で取りつけるディーラーオプション(ホンダ ヴェゼル 外装編)

今回はディーラーオプション品を全部自分で取りつけてしまおうというお話し。

なんとも無謀な挑戦と思われるかもしれないが、ちゃんとツボを押さえれば失敗も無くディーラー取りつけ同等の仕上がりになる。

DIYで取りつけたオプション

昨年、「 クルマ購入時のオプション 取付けしないでパーツとして売ってもらうことができるか?」 の記事を書いた。

今回はその購入したパーツを取りつけてみた話である。今回と次回の2回に分けて書こうと思う。

今回は外装品、つまりエアロとか外装のガーニッシュ(飾り)の取りつけや交換について、次回に内装(カーナビや社外品のドライブレコーダーなどについて書くつもりだ。

取りつけたクルマはホンダのヴェゼル。塗色は赤(R565M)。カーナビも付いていない全くのノーマル車である。

尚、今回、それぞれのオプション品の細かい取りつけ方についての説明はしていない。
もしDIYをされるなら、後述する手順書を手に入れて頂きたい。

今回、取り付け/交換した外装品は以下のとおり。

・無限フロントアンダースポイラー(71110-XNP-K0S0-RM)

・ホンダアクセス サイドロアーガーニッシュ(08F57-3M0-030A)

・ホンダアクセス リアロアースカート(08F03-3M0-030)

・ホンダアクセス テールゲートスポイラー(08F02-3M0-030)

・フロントグリル(オークションで入手した黒色のもの)

・リアロアーガーニッシュ(オークションで入手したものをDIY塗装)

・前後のホンダロゴエンブレム(オークションで入手したものをDIY塗装)
  関連記事:クルマのメッキエンブレムをダーククローム風にしてみる

・エキパイフィニッシャー(Amazonで購入した社外品)
  関連記事:エキパイフィニッシャーを耐熱塗装する

※ ()内に品番が書いてあるものは、ディーラーより購入したもの。また塗色が赤(カラーコード:R565M)のものを示している。

無限エアロとホンダアクセスのエアロがまぜこぜになっているが、これは無限で統一するとゴリゴリになりすぎるので、少し抑え気味にするためだ。

なぜDIYで取り付けようと思ったのか?

そもそもなぜこんな手間のかかることをやろうと思ったのか?

ちなみにわしは自動車整備士の資格も無いし、クルマに対する知識もそう多いわけではない。
まあ、ボディコーティングについてはあれこれやっているので、素人に毛が生えた程度の知識はあると思うけれど😅

これらのオプション品はディーラー(販売店)に任せておけば、きれいで確実に取りつけてくれて、労力や時間もかからず、ケガや失敗するリスクも無い。

しかし、これは以前にブログ記事で書いように、取付け工賃のコストカットが主な目的だ。

ディーラーで購入したオプション品や社外品の取りつけを全てディーラーでおこなってもらうと、工賃はかなりの高額になる。

今回のケースの場合、内外装含めると30万円近くになる。
ボディーコーティングまで含めれば、40万円近くになるだろう。

これを全て自分で行えば、たとえ工具を新調したり、養生用部材などの購入分を差し引いたとしてもかなりの節約になるのは確実だ。

しかし、それだけではない。自分で取り付けることによって、配線の経路だとか、取り付けの構造がわかり、今後のクルマいじりにに役立つ知識が得られる。

更に、取りつけ時に自分なりの細工や加工、機能も追加することもできる。実際今回も拡張用の配線などをカメラ用ハーネス(配線の束)と共に通しておいた。

そして何よりも「自分でやった。」という達成感と充実感ではないだろうか。
自ら構築し、完成したモノを眺めてニヤニヤするのは、至福の時間である。

ディーラーに聞いてみると、これだけのオプション(ディーラでは用品という言い方をする。)を自分で取りつけた人は居ないということだった。

しかし、実際やってみると、意外と簡単に取りつけられることに驚いた。
時短と効率を追及せざるを得ないディーラー(納整センター)としても手のかからない取りつけ方法になっているのだろう。

DIYするために必要なもの

お断りしておくが、オプション品を、感を頼りに闇雲に取りつけたわけではない。
取りつけに当たって正規の手順というものが存在する。

その手順書に相当するのが「HONDAアクセサリ検索システム」だ。これはDVDメディアの形態でも手に入れることができる。

HONDAアクセサリ検索システムのDVD。いろいろな車種の情報が2枚にまとめられている。

この「HONDAアクセサリ検索システム」、ヤフオクでも時々出品されているようだ。

但し、車体の生産ロットによって、構造とか形状とか少しずつ変わっている場合もあるので、なるべく最新版のメディアを手に入れた方が良いだろう。
(取りつけについては古いものでもそれ程大きな違いはないと思うが。)

協力的なお店なら、取りつけ手順のページのコピーをくれるだろう。
ディーラーと普段から仲良くしておくのはこういったところにもメリットがある。

また、「無限」製品であれば、パーツに取りつけ手順書が添付されてくるので、それを使用すればよい。

DVDから印刷した取付説明書(無限品はパーツに付属していたもの)

そして工具や手袋など一連のものを準備した。

是非用意してもらいたいのが空のダンボール箱パーツケース

空のダンボール箱は、フロントバンパーなど大物を外す時に、一旦仮置きの台として使用する。

大物部品は、二人で支えれば安定して外すことができるが、ひとりでやるとなると、地面への落下や変形、ハーネス(配線)への無理な力が加わったりする危険がある。

そこで、大物部品を外す時、、一旦そのダンボール箱の上に乗せてやる。

ダンボール箱の上で安定させれば、つながっているカプラなども両手が使えて外しやすくなる。
ダンボール箱は高さを考慮しつつなるべく丈夫なものを選ぶのと良い。

そして、パーツケース。
百均などで売っているもので良い。外したビスやクリップを部位ごとに入れておけば、取付けるときどこで外したものかわかりやすい。

今回のエアロ、外装パーツについては、両面テープだけで貼りつけるだけのもの、穴あけしてクリップやねじで固定するもの多種多様である。
一貫性がない。なぜこんな取りつけ方をするのか不思議に思うものもある。

重要なのはお天気だ。雨模様の天気では両面テープの貼りつけもままならない。
屋内ガレージなどの環境で作業できるのであればベターだが、そんな人は少ないと思うので、せめてお天気の続く日を選んでおきたい。

今回は、炎天下の中で作業をおこなった。かなり苦しい作業だったが、逆に樹脂が柔らかくなって外しやすいというメリットにはなった。ものは考えようである。

作業に必要なものをまとめておく。

・手順書(HONDAアクセサリ検索システム)
  必要な部分を印刷しておく。事前に注意点を記入しておくのも吉

・工具
  ドライバー+-、内張り剥がし、スパナ、レンチ、ハサミ、クリップ抜き、電動ドリルなど

・ふき取り用クロス
  汚れ取りや脱脂用。マイクロファイバークロスやガーゼなど

・養生用テープ
  ガムテープ、養生用テープ、マスキングテープ、自己粘着テープなど

・ダンボール箱
  取りつけパーツ仮置き用。なるべく丈夫なもの

・脱脂剤
  市販の脱脂用スプレー缶やIPA(イソプロピルアルコール)など
  IPAは養生テープの残ったノリの除去にも使える

・手袋
  薄くてグリップ力のあるパームフィット手袋がお勧め。
  ニトリル手袋。危険なPACプライマーを使用する部品があるので、素手で触らないように。

・緩衝材
  取りつけ時のボディやパーツの保護用。汚れても良いような毛布、プチプチなど

・寝っ転がり用の敷くもの
  大きなダンボール板や汚れても良いバスマットなど

・パーツケース
  はずしたビス、クリップなどの収納用

・手鏡
  これがあれば車体下側のクリップやビスの位置を寝転がらずに見ることができる。

・ボディーコーティング部材
  今回はピカピカレインプレミアムを使用した

作業開始!

さて、気合を居れたら作業開始だ。

いちばん面倒くさいところから始めるも良し、簡単なところから始めるも良し、そのあたりは個人の判断。

只、言えることは、外す部分が共通しているパーツについては、当然のことながら同時に作業してしまった方が良い。

例えば、フロントバンパーを外すのなら、フロントグロル、ロゴエンブレムの交換、フロントカメラやハーネスの取り付け、アンダースポイラ用の穴あけなど、同時おこなったほうが効率が良い。

あらかじめ作業要領を紙にまとめておくのも良いだろう。

これだけの部品を取りつけるには数日要することと思う。
クリップが思うように外れなかったり、意外なところで苦戦し時間が掛かってしまうこともある。
一日でどこまでやるかをおおまかに決めておくと良いと思う。

わしは以下の手順でおこなった。

■バッテリー電源のオフ

まずは12Vバッテリーのマイナス端子を取外す。

外装部分についてはあまり電源を断つ必要は無いかもしれないが、フロント部にはエアバッグ用衝撃センサーが取りつけられていたりするので、誤動作防止のために電源系は殺しておいた方が良い。

フロント部に装着されているエアーバック動作用衝撃センサー

尚、手順書にはハイブリッドシステム停止後、3分間はバッテリー端子を外さないようになどの注意点もあるため、それに従う。

またバッテリーを外すと、走行学習値が初期化されてしまい、数々のエラー表示が発生することになる。
これは、しばらく走ってやれば再び学習されエラーは消えるので大丈夫。

これについては、次回の「内装編」でくわしく説明しようと思う。

■フロントバンパー部

キズ防止のためマスキングテープ、養生テープなどで保護。
空ダンボール箱を置きフロントバンパーを取外す。

無限アンダースポイラーの型紙による取り付け位置の穴あけ。
無限アンダースポイラーの仮合わせ(取りつけ穴位置が合っていることの確認)
フロントグリルを交換(赤から黒へ交換)。
これは部屋の中に持ち込んで行った。

黒のフロントグリルにはあらかじめ塗装しなおしたエンブレムを取りつけてある。

またフロントグリルには青く光る部分を仕込んでいる。
これについては後日配線を行うつもり。

合わせてフロントカメラシステムの取り付け(一部ハーネスは車内まで引き込む必要あり)

車内への引き込み部。少し見にくいが、将来のヒカリモノ拡張用に10芯ケーブルを合わせて通した。

フロントバンパーを復元し、その後無限アンダースポイラーを取りつけ。

ここでも仮置台、位置合わせ用としてダンボール箱を活用

無限アンダースポイラーはクリップとビス、両面テープで固定する方式になっている。

■リアバンパー部

マスキングテープ、養生テープなどで保護。
空ダンボールを置き、リアバンパーを取外す。

リアロアースカート取り付けについては10mmの穴あけが必要だが、紛らわしい印がいくつもあるので、間違えないよう白ペイントマーカーでマーキングした。

リアロアースカートをクリップと両面テープで取りつけ。

ロアガーニッシュ(DIY塗装品)を交換。
交換時の写真を取り忘れたので塗装時の画像(ガンメタと赤の塗り分け)。

リアリフレクター(DIYでLEDを内蔵させたもの)を交換。

リフレクターは板ばねで固定されているだけなので簡単に外すことができる。

今回は配線を通すために穴を開けた。

改造リフレクターを取りつけ。

配線は後ほど行う。

サイドロアーガーニッシュの取り付け。

これは型紙に合わせて両面テープで貼りつけるだけだ。

■テールゲート部

テールゲートスポイラー交換(標準品からホンダアクセス品へ)。
今回の外装パーツの中でこれがいちばん重くてやりづらく気を遣う部品だった。

まず、オリジナルのテールゲートスポイラーを外し、そこから必要な部品を新テールゲートスポイラーへ移し替える。
クリップを添付のものにすべて交換する。

新テールゲートスポイラーを仮置きしたら、ずり落ちないように養生テープで固定。

カプラーとウオッシャー液のチューブを接続して、クリップにはめ込みビス止めすれば終わり。

リアのエンブレムを自作塗装品と交換。

これはとてもやりづらかった。というか、やり方が美しくない。
無理やりカバー(テールゲートロアガーニッシュ)を浮かす様なやり方なのだ。

また手順書ではオリジナルエンブレムの爪を折って外す指示になっている。
これはプッシュナットで取りつけられていて、簡単には外せないからだ。

なぜこんな構造にしているのか不思議。エンブレムは力のかかるところではないのだから両面テープで貼り付ければいいのにと思う。まさか盗難防止?

新しいエンブレムは両面テープで貼り付けた。その方が今後交換するときでもやりやすい。

■その他

エキパイフィニッシャー(社外品)の取りつけ。

以前、耐熱塗装したものを取りつけ。

少々ボディー後方への飛び出し量が大きかったので、排気管を少し切ってやった。

落下防止もしておいた。

■ボディーコーティング

外装の仕上げとしてボディへのガラスコーティングを施工。

新車でもボディポリッシュしてやると美しい仕上がりになる。
新車なので深く磨く必要はない。

コーティング剤を塗布。今回はピカピカレインプレミアムを施工。

もう、つやつやだ。

コーティング後は数時間に濡らさないようにという指示のものがある。
この日は夜に雨が降る予報だったので塗れ防止対策を行った。

それがこのビニールシート。

元々は、家の外壁塗装や工事によってクルマを汚れないように養生する目的のものであるが、今回は雨から守るために使用した。

素材が薄いビニールのため、ボディーへの擦り傷も心配ない。2日程度かけていたが問題なかった。

価格も安いため、購入しておくと黄砂対策やいざというときに役に立つだろう。

作業の注意点やワンポイントなど

・ケガに注意
  何はともあれケガには注意。場合によっては以降の作業が中断してしまう。
  場所によってはエッジが鋭いところもあり、手を切る可能性もある。
  作業時は手袋(パームフィット手袋がお勧め)をした方が良い。

・手順書に分かりづらい点もあるため、よく確認すること。特にビス、クリップ位置など
  全く違うところを外してしまい時間をロスしてしまうことがあった。

・外したクリップやビスなどは、部位ごとにパーツケースに入れる
  どこに使っていたか分かるように区分けしておくのがよいだろう。
  また、本体側に白ペイントマーカーやマジックなどで印などを書いておくのもよいと思う。

百均で売っている「白ペイントマーカー」

おわりに

今回のオプションパーツ取りつけにあたって不安がなかったわけではない。
例えば、穴あけや両面テープ貼り付けの失敗、ボディへキズを付けてしまう等々・・・

某大手メーカーのパーツ販売会社に務める知人曰く、ひとりで取りつけるのは無理でしょう、との意見だった。

彼の言う通りそれなりのスキル、環境、工具、図面、そして時間が必要であることは間違いない。

しかし、今回の試みに出たのは、取付説明書を見て、「何とかなりそう感」を持ったからだ。
そして、動画サイトやノウハウの書いてあるWebサイトで情報を探れば、分解方法など、かなり有益な情報を得ることができた。

何度か取付説明書を読み返し、不明点を解消してゆく過程で不安は雲散霧消していった。

実際作業していって、意外と簡単だったというのが感想だ。

取付説明書を読み返し、不明点を探るのも、納車まで時間がかかることがプラスに作用したとも思う。

というわけで、次回は内装編を書こうと思っている。しばしお待ちを。

外装が完成したヴェゼル