さて、前回、塗色が白(パール塗装)のクルマにガラス系コーティング「ガードコスメSP」を施工してみた。
(前回記事はこちら。DIYでガラス系コーティング(ガードコスメSP)をやってみる(白色車編))
今回は、「素人には施工が難しいのでは」と言われている濃色車に施工した様子をお伝えしようと思う。
濃色車には施工が難しい?
前回の白色車への施工は無事行うことができた。
しかし、巷のうわさでは、黒や濃紺、濃赤などの塗色の濃いクルマへの施工は、ムラになりやすく素人には難しいと聞く。
これは外光の写り込みが濃色車ではより強くなるため、ムラが目立ちやすいためだろう。
そこで実際のところはどうなのか?
今回、「濃紺」の塗色車が入手できたので、どのような結果になるか、ガラス系コーティング「ガードコスメSP」を施工してみた。
クルマの状態
施工したのは「ホンダ N-ONE」。塗色は紺色でルーフがシルバーのツートーン。
このクルマ、青空駐車でたまにボディを水拭きするぐらい。
ほぼ放置状態であるため全体がくすんだような感じで色に深みが無い。
塗装状態を観察すると、無数の細かいキズ(スクラッチキズ)がついている。
キズの状態は太陽光など、点光源を当ててみると、光源の反射の回りに同心円状のすじが浮かび上がることでわかる。
虫の死骸もかなりついている。
新車の頃は良いが、その輝きを維持するには、日ごろのメンテナンスが大切であることを思い知らされる。
しかし、これは逆に磨き甲斐があるということだ。
コーティング剤
使用するコーティング剤は前回も使用した「ガードコスメSP」。
これは現在、トヨタ系ディーラーが勧めてくるボディーコートらしい。
「ガードコスメSP」は中央自動車工業株式会社の製品。
ガラス系コーティングのボディコート剤である。
くわしい説明がメーカーのページに書いてある。
中央自動車工業株式会社 http://www.guardcosme.com/guard_sp/
前回の記事でも書いたように、このコーティング剤はヤフオクで数千円程度で手に入れることができる。
まあ、ニセ物は出品されていないと思うが、ランクが下の「ガードコスメ」も出品されているので注意しよう。
施工開始
2回目となると、作業の要領もわかっているので、気持ちとしては楽だ。
まず施工にあたり、やはりお天気は重要。
真夏のカンカン照りの真昼間はもちろんダメだろうが、雨の日も難しい。
できれば、無風の曇り空が良いが、神様もそうそう願い事を聞いてくれるわけではない。
今回、施工したのは、前回と同じような雨模様の空。
まあ、どうにか持つでしょう、ということで作業開始。
施工の流れは以下のようになる。
①洗剤で洗浄
②鉄粉取り
③水分ふき取り
④ポリッシュ(電動及び補助的に手動)
⑤水で洗浄
⑥脱脂剤による脱脂
⑦水で洗浄
⑧水分ふき取り、乾燥
⑨コート剤塗布
⑩コート剤乾燥
⑪余剰コート剤ふき取り(水ぶき)
⑫乾拭き
前回と違うのが、スクラッチキズが多いため、ポリッシュを2回行ったこと。
各内容の詳細については、前記事
DIYでガラス系コーティング(ガードコスメSP)をやってみる(白色車編))
に書いているのでご参考に。
①洗車
まずは全体の汚れを洗剤を使用して落とす。
②鉄粉取り
鉄粉取り粘土を使って鉄粉や、洗車で落としきれなかった異物を取り除く。
ルーフにあるこんな汚れも鉄粉取り粘土で取ることができた。
③水分ふき取り
ざっと水分をふき取る。
④ボリッシュ
今回使用したコンパウンドは、モノタロウの仕上用超微粒子コンパウンドと濃色車仕上げ用コンパウンドの二種類。
濃色車仕上げ用コンパウンド(右側)の色は黒色だ。手に取ってみるとサラッとした感触。
シリコンやワックス成分が入っていない。
黒いので、服などに着くと落ちないのではないかと心配したが洗濯すれば簡単に落ちてしまった。
指についたものも水洗いだけでは落ちにくいが、洗剤を使えば簡単に洗い流すことができる。
今回は時間の関係で目の細かいコンパウンドから研磨したためスクラッチキズが少し残ってしまった。
できれば最初に肌調整用(目が粗い。下記画像のボトル)を使用してスクラッチキズを完全に落とした方が良いだろう。
ゆっくりとポリッシュしてゆく。
⑤コンパウンドを洗い流す
水で隙間に入り込んだコンパウンドもきれいに洗い流す。
⑥脱脂
脱脂も前回と同じ、アルカリ系脱脂剤「魔りょくりーんJ」を1/10に希釈して使用した。
⑦脱脂剤を洗い流す
脱脂剤はアルカリ性なので水で良く洗い流す。
⑧水分をふき取る
次にコーティングを行うので丁寧に水分をふき取る。
特に隙間に溜まった水滴がコーティング時に流れ出すと作業しにくくなるため、念入りにふき取る。
⑨コート剤塗布
まずコート剤を配合する。A液、B液の配合割合は3:1。これを40ccつくる。
これで軽自動車一台分なら十分、余るくらいだ。
これをワンタッチキャップ付きのミニボトルに入れてやればとても使いやすくなる。
コート剤を付属のフェルト付きスポンジに染みこませ、塗り残しが無いよう、均一に縦と横方向に塗り広げてゆく。
⑩コート剤乾燥
コート剤を塗布後、既定の乾燥時間で乾燥させる。
⑪余剰コート剤ふき取り(水ぶき)
乾燥すると表面が白くなる。
濡らして固く絞ったマイクロファイバークロスで余剰コート剤をふき取る。
⑫乾拭き
水拭きが終わったら、更に目の細かいマイクロファイバークロス(コート剤に添付されていればそれを使う。)で拭き上げれば完成だ。
結果
施工で以下のようになった。
画像では分かりにくいが、光沢が出て紺色に深みが出ている。
今回の濃色車へのボディコート施工は、素人でも丁寧に塗り込めばきれいに仕上げられることがわかった。
といってもあまり気を遣わず、ごく普通に塗り残しが無いよう黙々と塗っていけばよいだけのこと。
但し、これは今回のコート剤に言えることで、別のコート剤ではまた違った難しさも出てくるのだろう。
おわりに
プロから見れば、まだまだ及第点には届かないだろうが、自分としては満足。
しいて言えば、ポリッシュの際、もうひとつ粗めのコンパウンドから磨いてやればよかったかなと思った。
後日見てみると、まだキズが取り切れていない部分がある。
しかし磨きやコーティングの世界は奥が深いと思う。それで生計を立てている人もいるわけなのだから。
まだまだ経験が少ないため、とても人に教えられるレベルではないが、DIYする人へ多少なり参考になれば幸いだ。
さて、次回は、12年経過しCPCペイントシーラントの効果が無くなってしまったクルマに、CPCペイントシーラントを再施工してみようと思う。
果たして、新車のような輝きが取り戻せるだろうか・・・