動画編集ソフトウエア「MiniTool MovieMaker」 を使ってみる

MiniTool MovieMakerはとても使いやすい動画編集ソフトウエアだ。

無料版でも2分までの動画を書き出すことができる(使用開始後3本までは時間制限なし)。
しかも広告表示が無く画像への透かし(メーカーロゴ)も入らない。

今回はこの「MiniTool MovieMaker」を紹介したいと思う。

操作が簡単な動画編集ソフトウエアの必要性

最近はYouTubeなど動画サイトのコンテンツも多種多様になり、ついついあれこれ見てしまう。
まあ、多種多様過ぎて、コンテンツが飽和状態にあると言われているらしいが。

また愛車を紹介する投稿サイトでは、動画も簡単にアップロードできるようになっていたりする。

【CARTUNE】

他にもスマホやデジカメで撮った子どもの写真や動画を、家族間だけで共有できるサイトも盛り上がっているようだ。

【みてね】子供の成長記録を写真や動画で残すことができる。容量は無制限で無料!

このように、投稿サイトの花盛りという感じで、ひと昔に比べると凄い時代になったものだと思う。

このようなサイトに動画を投稿する場合、ちょっとだけ動画編集したいと思うことも多いはず。

下はプロクリエイター向けと言われる動画編集ソフトウエアの「VEGAS Pro」

設定項目やパラメーターがいっぱいで、最初のうちは何をどうしたらよいのかよくわからない。

しかし非常に多機能で、高性能だ。

例えば、青反転している部分が「アップスケーラー」だが、これはAIを用いて動画を高解像度化する機能。AIを使って、足りない部分を推測し補完するのだ。

最近の画像編集ソフトウエアは生成AIやGPUを積極的に使用するようになってきている。

しかし、ちょっとだけ編集するためにこのような高機能なものはいらない。

一般的には動画をつなぎ合わせたり、不要な部分をカットしたり、文字や多少のエフェクトを入れたりできれば事足りる。

”ママでも扱える”、”爺さんでもわかる”、そんな簡単操作の動画編集ソフトウエアも求められるのだ。

そんな要望を満たすひとつが、このMiniTool MovieMakerだろう。

わしは、先ほどの「みてね」に、子供の動画をこれで編集し、たまに投稿していたりする。

「みてね」の無料版では3分までの動画がアップロードできるが、普通、そこまでの長さは必要ない。
無料版の「MiniTool MovieMaker」なら2分までの動画を出力できるので、これで十分事足りるのだ。

インストールと起動

「MiniTool MovieMaker」のインストールについてはあちこちのブログや動画で紹介されているので簡単に触れておく。

まず「MiniTool MovieMaker」ホームページにアクセスし、画面の「無料ダウンロード」をクリックする。

MiniTool MovieMaker ホームページ

ダウンロードしたファイルを実行すると、インストール画面が表示される。

画面の「Install Now」をクリックすると、必要ファイルがダウンロードされインストールが開始される。

もし、インストール先を変更したいなら、右下の「Custom Installation」をクリックして、この中のInstallation Pathを変更してやれば良い。(ひとつ上のフォルダは予め作成しておく。)
言語の設定も表示されるが、残念ながら現在は「English」しか選択できない。

インストールに必要なファイルがダウンロードされ、インストールが始まる。

インストールが完了すると「MiniTool MovieMaker」のロゴ画面が表示される。
「Start Now」をクリックすることでソフトウエアが立ち上がる。

操作感

最初に触ってみた感想として、とても直感的に操作できるなぁと思った。

これまでいくつかの動画編集ソフトウエアを使用してきたが、なかには使いづらいものもある。
これはそれぞれのソフトウエアのクセというか、設計思想の違いなのだから使い慣れてゆくしかない。

その点、「MiniTool MovieMakerar」は、最初から悩まず操作できてしまう。
素直なユーザーインターフェイスというか、直感的に操作ができるということだ。

編集機能としては

  • テキストやタイトル文字の挿入
  • フィルター効果
  • モーションエフェクト
  • 映像の結合、分割、トリミング、切り抜き
  • 映像の速度調整、リバース
  • オーディオの追加・編集

などである。

惜しい点としては

  • メニューが英語のみで日本語にできない
  • テキストやタイトルの文字修飾(影やエンボスなど)ができない
  • タイムライン上に ビデオトラックや音声トラックを複数設置することができない(トラックは追加することができるが、これはテキスト用のみ)
  • 細かい部分の作りこみが甘い

などである。

メニューが英語表記である点では、機能アイコンが分かりやすく、簡単な英語表記でもあるため操作に迷うことは少ないと思う。
また今後のバージョンアップで機能の向上や日本語対応もされてゆくと思う。

動画を編集してみる

試しに無料動画素材サイトから短い動画を4つダウンロードし、短いテスト動画を作ってみた。(BGMも再生される)

※動画素材は下記の無料の動画素材サイトから入手した。

動画AC videoAC

【MiniTool MovieMaker】テスト動画

作成は以下の操作のようにおこなった。

起動後ポップアップが開くので「New Project」をクリック

「Import Media Files」で、動画素材を読み込む

読み込んだ素材をドラッグ&ドロップでタイムラインへ配置する

複数の動画がある場合、同様にタイムラインへ配置する

BGMを入れるため、上部メニューの「Audio」をクリック。標準で入っているBGM素材が表示される

それぞれのBGM素材に、オンマウスすると音楽が再生される。これはとてもわかりやすい

BGM素材をドラッグ&ドロップでタイムラインへ配置する。配置する先は ♫ が表示されているトラック

次に、動画上に表示するテキスト(キャプション)を入れる
上部メニューの「Text」をクリック。好みの表示方法を選んで「Track1」へドラッグ&ドロップする
ドロップすると、「Player」部にテキストが表示されるので、これをお好みに書き換える

「Player」部の右側には「Text Editor」があり、フォントや文字の大きさなどを変更することができる

もし、テキストを削除やコピーしたいなら、マウス右クリックで操作がおこなえる

一応、動画の流れができたが、余長部分があるので削除する
方法はいくつかあるが、削除部分に青色のカーソルを合わせ、ハサミアイコンをクリックでカット(スプリット)される。時間は24秒ぴったりにした

カット(スプリット)された状態

切り離された部分でマウス右クリックし「Delete」をクリックすれば削除できる

次にトランジション。トランジションとはカットが変わるとき、つまり場面転換時の効果のこと
今回は「Fade Gray Scale」を使用

これを、2つの動画素材の間に入れる。するとそれぞれの場面がオーバーラップする感じで再生される

動画の始まりと終わりにも効果を入れた
始まりの部分はしだいに明るくなるように(Black in)、終わりは徐々に暗くなってゆくように(Black out)

どちらも、効果を施したい動画素材に対してドラッグ&ドロップをおこなう

完成したら、動画の出力をおこなう。右上のメニューにある「Export」をクリック

出力するファイル名称や出力先、フォーマットなどが指定できる
フォーマットはmp4、mov、wmv、aviなどが指定できる

少し細かい設定をしたいなら、「Setting」ボタンをクリックする。画質、Bit RateやFrame Rateなどが指定できる
Encoderのh264_nvencはnVIDIAのGPUを使用する設定なのだろうか

「Export」をクリックすると、作成した動画の出力が開始される

最後にこのプロジェクトを保存したい場合は、右上「三」アイコンをクリック、File → Save Project as で名前を付けて保存すればよい

以上がテスト動画を作成してみた手順だが、10分もあればできてしまった。

操作がわかりづらくて時間を要するのではなく、各エフェクトがいっぱいあるため、どれを使うか試行錯誤している時間がほとんどになる。

まだ使用したことのないエフェクト、テンプレート、機能がいっぱいあるため、今後の動画編集も楽しみだ。

おわりに

これだけの機能が使えて無料というのは凄い。
出力時間の制限があるものの、広告表示も無く画像への透かし(メーカーロゴ)も入らない。しかも、有料版を買え買えとしつこく言ってくるわけでもない。

手軽に動画編集ができるし、今後のバージョンアップが楽しみなソフトウエアだ。

あと、投稿サイトは実写がメインだろうが、ここ数年で生成AIによる動画作成も本格化、一般化してくるだろう。
Stable Diffusionの動画生成エクステンションや、LumaAI「Dream Machine」、Runway「Gen-3 Alpha」、Sora、Haiper、PixVerse等々。

しかし、これらの動画生成は一般ユーザーにはまだ数秒間の生成がやっとだ。

生成した動画をつないで少し長い作品にしたり、また文字やエフェクトを入れるのに、動画編集ソフトの重要度は益々高まってくるだろう。

アマチュアクリエイターとして、一般撮影の動画を編集するのはもちろん、AI生成動画の編集も簡単かつ低コストで実現できることはとてもありがたいことだ。