鹿児島県 霧島温泉 旅の湯キャンプ場

7月初旬、「霧島温泉 旅の湯キャンプ場」へ行ってきた。

下界は猛暑のなか、高原の風も心地よく、とても満足のキャンプだった。

霧島温泉 旅の湯キャンプ場

キャンプ場 概要

「旅の湯キャンプ場」は鹿児島県北部の霧島錦江湾国立公園西側に位置し、標高約700m、約13万坪の広大な敷地内にある。

予約不要のキャンプ場なので、思い立った時に行けるのが良い。

しかも利用料金が格安。そして温泉入り放題、入浴料金が無料なのである。
今時、こんな神的キャンプ場はなかなか無い。

交通アクセスは曲がりくねった山道を登る。やや道路幅が狭いので対向車には注意が必要。
ただ明るく開けており路面状態も良いので運転の不安は無い。

キャンプ場へ入る道は、狭くて急なな登り坂になっている。

場内のカーブを曲がると、広々とした敷地が目に入ってくる。

奥にいくつかの建物があり、その中の瓦屋根の建物が受付になっている。

この「旅の湯」、以前は「野々湯温泉」だったが、2018年11月から名称変更されたとのこと。

名前の通り、場内に温泉があり、夏でももうもうと蒸気が上がっている。
奥に見える池のようなところが噴火口跡。

場内は硫黄の匂いが漂い、ここは火山なんだなぁと、テンションが上がる。

晴れた日はキャンプ場から桜島を望むことができる。

受付

チェックインが12時からなので、我々は12時ちょい前に到着。

しかし、あまり早く到着しても(30分前とか)、入れさせてもらえないようだ。
これは、例外を認めると収拾がつかなくなるためだろう。なので入場時間は厳守。

受付で住所と氏名などを記入。

ここで思わぬ事態に。

しばらく大雨が降り、温泉水が薄まって冷えてしまったのだという。
男性用の湯船はまだ入っていられるが、女性用は33℃。まるでプール並みの温度だ。

なぜ男湯女湯で温度差があるかというと、女湯は男湯からお湯を引っ張って来ているとのこと。
男湯がぬるいと女湯は更にぬるくなってしまうのだ。

それでもよろしいですか?と聞かれたが、まあ、仕方ない。夏だし何とかなるでしょ、と宿泊を希望した。

温泉だけ入りに来た客には事情を説明し、帰ってもらっているとのことだった。

あとは、キャンプ場の注意と、飲み水についての説明を受ける。

各サイトにある洗い場は山の水を引いているので飲用不可。

飲み水は、受付を出てすぐ横にある、温泉スタンドを利用してくれとのこと。
1L 30円と書かれているが、キャンプ利用中は無料だ。

温泉水といっても、全く癖がなく、そのまま飲んでもおいしい。

脇に温泉の歴史と効能などが書かれていた。

確かに、ここの水を飲んだら「お通じ」がよくなった。

料金

このキャンプ場でまず良いところが、利用料金。

最近のキャンプ場は、テント一張りいくら、タープ一張りいくら、入場料、駐車場代、美化協力金等々・・・なにかと積算されていって、ホテル並みの金額になることもある。

まあ、キャンプ場経営上、致し方ないとは思うものの、「えっ?」と思ってしまうこともしばしば。

そこへいくと、このキャンプ場は、平日は大人ひとり1,600円のみ(2024年7月現在)だ。
あとは駐車場代も温泉入浴料金もいらない。

場内設備について

各サイト・コテージ

場内の配置は以下のようになっている。

見取り図は上が北。

キャンプサイトは3ケ所あり、①、②、③共フリーサイト。キャンプ場③の一部はAC電源が使える。

【 キャンプ場① 】

やや狭いが明るく、そこそこ木立があり、日陰が確保できる。
但し、当然、午前と午後では日陰の位置が逆になるので、どちらで日陰を求めるかは考慮要。

中央に照明塔があるが、これは点灯せず夜は真っ暗になる。

蒸し窯がいちばん近いのが、このサイトになる。

洗い場は、蒸し窯のすぐ横にある。

硫黄の影響で蛇口は真っ黒に変色している

【 キャンプ場② 】

やや狭いが木立がやや多い。夏場の日中はセミの声が滅茶苦茶うるさい(笑)

洗い場には蛇口が2つある。

【 キャンプ場③ 】

いちばん広く、ファミリー向け。
但し木立がほとんど無いので、夏はタープなどで日陰を作る必要あり。

道脇の5区画はAC電源が使える。

 AC電源コンセント

コテージは、大きなものから小さなものまでいくつかある。

トイレ

案内図上、トイレは3か所(実際には4か所)あり、どれも水洗式。

キャンプ場①とキャンプ場②の間にあるトイレは男性用は和式。(女性用は洋式らしいが不明。)

板張りなのだが、板がガタガタしていて、足を踏み抜きそうで恐怖を感じる。

あと受付前にもトイレがある。

いちばんきれいなのは、キャンプ場入口脇にあるトイレ。
こちらは洋式だ。

温泉

先にも書いたように、温泉の利用料が無料。だから入り放題。
(但し清掃の関係で入浴時間帯があるので注意。)

標高700mとはいえ、夏の日なたはやはり暑い。

テント設置もひと汗かく。設置後のひとっ風呂、晩飯前のひとっ風呂なんてこともできるわけだ。
う~ん、温泉入浴後のビールは格別。

 岩の隙間からは蒸気が出ている。これも熱いのでやけどしないように。

 水風呂

 シャンプー、ボディーソープあり

 更衣ロッカー

このロッカーが曲者。硫黄で内部が錆びているのか施錠しづらい。キーが回らないのだ。
掛けれたとしても、解錠しづらい。

慣れた人曰く、キーを少し浮かしながら回すとうまくいくらしい。

中に着替えとかスマホが入っているので、ちょっと焦る。

 男湯にもドライヤーが置いてあった。

蒸し窯

キャンプ客は無料で利用できる。
卵や野菜、トウモロコシなどを蒸せば、おいしい蒸し料理が味わえる。

ざるは持参した方がよい。

蒸し窯はキャンプ場①から少し南へ下りたところにあり「蒸工房」と書かれている。

以前は2つの蒸し窯があったそうだが、現在は1つしかない。

とりあえず、卵を蒸してみる。

蒸気が強いときは殻が黒くなるそうだが、今回は長い時間放置したものの、ほぼ白いままだった。
それでもおいしかった。

威力が弱いといっても蒸気はとても熱い。素手では危険だ。蒸し窯の板をずらす時はそばにあるゴム手袋を使うのがよい。

その他

ゴミは基本、持ち帰りだ。だから、ゴミ袋や、残炭、灰入れを持ってゆく必要がある。

もしどうしても置いてゆきたいのなら、300円を払えば処分してくれるようだ。

スマホ電波の届き具合だが、近くにdocomoの基地局(電波塔)があるのでdocomo系は大丈夫だろう。

auや楽天モバイルも弱いが使用可能だった。
(ソフトバンクについては不明。)

評価

キャンプ場評価

以下は、「めたば」が独断と偏見でおこなった評価。

項目 評価 コメント
料金 ★★★★★ 一泊一人1,600円~2,000円ととてもリーズナブル
設備 ★★★☆☆ 老朽化(ガスによる腐食も)はあるが清掃が行き届いている。蒸し窯は最高
野趣 ★★★★☆ サイトの木立は多くないが山が迫り自然は豊か。人工物は多い
静かさ ★★★☆☆ 夏のセミの喧騒をどう捉えるかだ
サイト設営 ★★★★☆ 地面は草地、土、やや小石あり。ペグ打ちはまあ楽。傾斜は少ない
入浴 ★★★★★ 場内に温泉あり。これだけでも訪れる価値あり
食料調達 ☆☆☆☆☆ 近くになし。わしらはスーパー「トライアル加治木店」で調達
周辺観光 ★★★★★ 霧島では数えきれないほど見どころいっぱい

おまけ話

今回は7月初旬に行ったのだが、昼間はセミの声が凄かった。
そのセミの声が今迄に聞いたことのない音色。

サーというかザーというか、連続するノイズのような音色が山全体から聞こえる。
その中でヒグラシも鳴いていた。

テントにとまったセミ。近づいても逃げようとしない。
ヒグラシ?なんか違うような。こいつが鳴き声の主なのか?

おわりに

今回のキャンプは一泊だったが、とても気持ちのいいキャンプができた。

夏でも高原の風は涼しく、日陰ではうたたねをしてしまうほどだ。
温泉は多少ぬるかったものの、秘湯を感じさせる雰囲気が良かった。

休日や長期休日の場合は混みあうと思うので、できれば平日に訪れたい。

少し遠いが、絶対また来ようと思ったキャンプ場だ。

 ホームページはこちら 霧島温泉 旅の湯(旧野の湯温泉)

夏でも夜はやっぱり焚き火が欠かせないね。