JR指宿枕崎線の旅


久しぶりの更新。ここしばらくは鹿児島で暮らしてます。
今回は「旅」と言うほどのものではないけど、JR九州の指宿枕崎線に乗ってみたお話しです。

日本最南端にあるJR指宿枕崎線

鹿児島で一度乗ってみたかったのが、JR指宿枕崎線
以前から乗ろうと思っていたが、気候もやや良くなってきたので、急に思い立ち、決行することにした。

ルートは下記のグーグルマップのように鹿児島市を出て、薩摩半島を半周する形で枕崎市までの経路だ。


 出典:グーグルマップ

まずはJR鹿児島中央駅から指宿駅まで

旅行計画としては(そんな大したもんではないけど)、JR鹿児島中央駅から乗り、指宿(いぶすき)駅で下車、昼ごはんを食べて、再び指宿駅から乗車、枕崎駅で下車する予定。

ちなみに鹿児島中央駅から指宿駅までは「指宿のたまて箱」という特急列車が運行されている。


 出典:ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディア 指宿のたまて箱

こちらは完全な観光列車であるが、今回もあえて各駅停車に乗ることにした。

なぜなら、こういったローカル線は各駅停車の方が味わいがあると思うからだ。
ご飯もゆっくり噛んで食べると美味しさが増すでしょ・・・、う~ん、ちょっと違うか・・・
なにしろじっくり楽しむには各駅停車がベストだと思っている。

まずはJR鹿児島中央駅できっぷを買う。

運賃表。指宿までは1,020円。

券売機。

きっぷ。ICカードに慣れている身にはなんか懐かしくて旅情を誘うね。
(もちろんIC乗車カード「SUGOCA」の利用が可能。)

ちなみに、先ほどの「指宿のたまて箱」は指宿まで2,300円になる。(連休等、時期によっては+200円。)

在来線の改札口。

発車時刻は、10時02分。まだしばらく時間があるので、改札前にあるお土産コーナーを散策。

ホームに降りると、人影はまばら。
しかし、発車10分ほど前になると、多くの人が並び始めた。

電化されていないため、車両は「キハ47形」。ディーゼル動車だ。トイレがついている。

平日だったため学生さんが多い。

列車はしばらく市街地を走り、やがて郊外へ。
学生さんたちが降りると、いっきに車内もガラガラの状態になった。

しばらくすると海岸と並行して走るようになる。

この日は、晴れていたが、湿度が高いらしく対岸の大隅半島がかすんでいた。

それに輪をかけたのが、列車の窓ガラス(外側)の汚れ。
折角のきれいな景色も窓が汚れていては台無しだなと思った。
(カメラで写しきれなかったが、黒いもやもやしたものが窓ガラスの汚れ。)

そして、もうひとつ。車内冷房の効き過ぎ。まだ残暑で暑かったが、車内はキンキンに冷えていた。

半袖、半ズボンで乗車したのも良くなかったが、腕をさすりながら流れる景色を見ることに。

海沿いの景色を楽しみながら、やがて指宿駅へ11時29分に到着。およそ一時間半の乗車だった。

うなぎのおいしい店があるというのでそこへ立ち寄ることにしていた。
指宿駅周辺を散策したかったというのもある。

お昼は駅からすぐのところにある「青葉」という郷土料理店へ。
黒豚料理がメインらしいが、うなぎもそこそこ美味しいらしい。鹿児島はうなぎが有名なのである。

うな丼。やわらかく、香ばしく焼かれておりおいしかった。

嫁さんは、温たまらん丼を注文。甘辛タレで味付けした黒豚と温泉卵がおいしい。

時間があったので、海まで行ってみることに。

途中にある商店街はシャッターが閉まっているところが多かった。店舗を売りに出しているところも多い。
これが日本の衰退の現実なのだろう。あと10年、20年先はどんな日本になってしまっているんだろう。

明るい日差しだが少し暗い気持ちになってくる。

海岸に人の気配はほぼ無し。
シーズンオフになったためか、海岸の工事がおこなわれており、ちょっと残念。
只、水はきれいで、夏は賑わうのかも。

駅前には無料の足湯がある。
お湯はぬるいが、夏のような暑さだったので、ちょうど気持ち良かった。
次の列車が来るまでここで過ごすことにした。

指宿駅から枕崎(終点)へ

指宿駅から枕崎駅までは950円。

しばらく待つと、13時27分発の枕崎行き普通列車が到着した。
しかし、この指宿駅、もっと大きい駅を想像していたが、意外と小さい駅だった。
線路上に雑草が伸びているところがなんともローカル線の駅らしい。

平日の昼間ということもあり、乗車する人はまばら。
我々を含めて、ほぼ観光客ばかりだった。

この列車は程よく冷房が効いていた。前の列車のように冷えていたら体調を崩してしまうだろう。

日本最南端にあるJRの駅「西大山駅」。
ここでは、2分間ほど停車してくれてホームへ降りることもできる。
(案内放送がある。)

皆さんホームに降りて、開聞岳をバックに撮影をしていた。

開聞岳はその稜線が美しく、さつま富士とも呼ばれる休火山だ。
今回はややかすんでいたが、雄大な眺めだ。

電車は再び走り始め、ゴールの枕崎を目指す。
線路わきに生えた木や草が車体にバシバシ当たり、大丈夫かと思うほどだ。

それに揺れが激しい、左右はもちろん、上下にも激しく揺れる。
まるで、マヂカルラブリーの「つり革」の世界だ。

しかし、列車はのどかな田園風景の中をグングン走ってゆく。

そして、列車は終点のJR枕崎駅に到着。時刻は14時49分。

JR枕崎駅の駅舎はレトロモダンな風合いで、規模は小さいものの、被写体としてはなかなか味のある建物だと思う。

枕崎駅周辺を散策したが、小洒落た喫茶店などはなく、駅前は寂しかった。
時間があれば、枕崎お魚センターへ足を延ばしてみるのもよいかと思う。

おわりに

JR指宿枕崎線は、典型的な赤字路線。
今年(2022年)7月の地方鉄道再構築で存廃を協議する対象となっているようだ。

沿線の自治体は、もちろん存続を願っているわけだが、存続策やバス転換などを検討し3年以内に結論を出すことになっている。
もちろんわしも存続を願っているわけだが、こればかりはどう結論が出るかはわからない。

気づいたときは廃線になっていた、なんてことになる前に乗りたいと思っていたが、今回それが叶ったわけだ。

今回の列車旅、なかなか良かった。
次回乗るとしたら、車内でお弁当を頬張るのも良いのではと思った。

そしてJR九州の売上に多少は貢献できたと思うのだが。