ピカピカレインプレミアム施工(前編) しかし塗りむらが!!

先日、ボディーコーティング「ピカピカレインプレミアム」を施工した。

しかし、一部分がむらになってしまい、仕上がりがイマイチの状態に。

今回はその失敗の原因について考えてみた。

(上の画像は、分かりづらいが、むらが発生した場所(黄色囲み部分))

ピカピカレインプレミアムとは?

今回使用したボディーコート剤は、「ピカピカレインプレミアム」


巷では人気らしいが、以下はメーカーの謳い文句。

■ 「ピカピカレインプレミアム」は塗装面にガラス被膜を形成し、キズや汚れから守る。

■ 被膜は硬度「9H」という硬さで、クラックや剥がれを生じない完全無機質な被膜。

■ 艶、滑水性を3年間維持できる。

としている。

「滑水」「撥水」は何が違うのよ?と、ツッコミを入れたくなるが、まあ細かいことは気にしないで受け入れることにしよう。

要は、「水が滑るように弾く」ということを表現したいのだろうけど。

しかし、どこまでが「艶あり」で「滑水性あり」の状態なのか?、判断基準が実に曖昧だとは思うのけれどね。

何もしないよりは「まあ、おきれいね。」という状態が3年程は持つということなのだろう。

メーカーホームページ

pika2rain Gloval Website

ピカピカレインプレミアム

今回の「ピカピカレインプレミアム」は1液性で、硬化剤が不要、一般家庭でもお手軽にボディーコーティングができるところがよいところ。

成分は液状シリカ、溶剤にイソプロピルアルコール(IPA)となっている。

付属の専用スポンジに薬剤を含ませ、塗り付け後すぐに付属のクロスで拭き伸ばせば作業完了となる。
だからお嬢様でも爺さんでも施工が可能なのである。

ボディガラスコーティングの厚み

では、このガラスコーティング、ボディ表面にどのくらいの厚みが形成されるのだろうか?

調べてみると、通常施工した場合、平均0.06マイクロメートル(60ナノメートル)程度(手塗なので厚さは一定ではない)らしい。

よくクルマの塗装の厚みは、髪の毛一本分程度の厚みといわれる。
国産普通車の新車なら80から180マイクロメートル(ミクロン)。

高級車の方がより厚みがあるらしいが、最近は技術の発達でより薄く、より強靭な塗膜が形成できるようになってきているそうだ。

最近、マツダは塗膜の厚さを約30%薄くすることに成功した「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」という塗装を開発したらしい。マツダは塗装の美しさにこだわりがあるね。

それにしても、塗装に比べガラスコーティングの厚みはすごく薄い。

仮に、塗膜の厚みが120マイクロメートル、ピカピカレインの被膜が0.06マイクロメートル(60ナノメートル)だとすると、塗膜に対したったの2000分の1でしかない。

塗り付けるから、感覚的には薄皮ぐらいのイメージがあるが、ただの膜といった方がイメージしやすい。

意外とコーティング層は薄いのだ。

今回施工したクルマ

今回「ピカピカレインプレミアム」の施工を行ったのはダイハツ ミラ トコット。

走行距離は、7千キロ程でまだ新しいが、ウオータースポットがかなり塗装を浸食してしまっていた。

下はウオータースポット。画像では見ずらいが、これがルーフやボンネット全体についている。
(見やすい場所を黄色矢印で示している。)

もとよりコーティングは何も施工されておらず、雨ざらしの状態と、水道水による洗車後の拭き上げ不足、もしくは放置が原因と思われる。

軽いポリッシュでは落とせない状態になっていたが、今回はあえてウオータースポットを完全には除去しなかった。

それは「ピカピカレインプレミアム」でウオータースポットがどこまで目立たなくできるかを試したかったためでもある。

塗色はカラーコード「R67:ファイアークォーツレッドM」。深めの赤色だ。

濃色系であるから、ボディコーティング施工ではむらが目立ちやすい色になる。

このクルマは数か月前に、粗目のコンパウンドで磨く処理をしておいた。
しばらく経っていたので再び、雨ジミや汚れが付着した状態になっている。

今回の作業の流れとしては、

洗車 → 細目コンパウンドで研磨 → 仕上げコンパウンドで研磨 → 脱脂 → 洗車(コンパウンド、脱脂剤の洗い流し) → 水分拭き取り → コーティング

でおこなう予定とした。

「ピカピカレインプレミアム」を施工。しかし・・・

午前10時にクルマの持ち込みがあったが、オーナーの都合で午後4時までに完了しなければならない。

時間は6時間あるが、途中、休憩や昼食を挟めば、実質5時間程度しかない。場合によっては途中の作業を省略することになるかもしれないな~と思った。

まず、洗車がてらボディに水をかけてみると、まったく水はじきはない。
粗目のコンパウンドで磨いたあと何もしていないのだから、当然と言えば当然。

手早く洗車を行って、水気を拭き取り、細目コンパウンドで研磨を開始、その後、仕上げコンパウンドで研磨を行った。

広い部分はいつも使っているRSE-1250を使用し、細かい部分はZOTA PR308Aを使用。
工具で磨けないところは、手作業でポリッシュを行った。

結局、仕上げのポリッシュが終わったのが、午後3時。
これから、洗車、脱脂を行っていたのではコーティングする時間がない。

やむなく、ボディは水拭き後、乾拭きすることで、洗車と脱脂の工程を省いた。

結局この省略がコーティングのむらの発生を招いたことになるのだが・・・

「ピカピカレインプレミアム」の塗り心地は、さらさらのオイルでも塗っているような感触。
塗ったとたん、溶剤が蒸発して硬化してゆく感じではなく、塗った場所が白くなるわけでもない。

まだ塗れていない場所のスポンジの滑りは悪いが、塗れた場所はつるつるとした感触になる。

液剤の伸びは良いようだ。

手に付くと、油ではない独特の感触になる。水で洗っても簡単には落ちない。

(手に付いたピカピカレインプレミアム。水を弾いてしまっている。)

一応全体のコーティングが終わって、角度を変えながらじっくりと見直してみる。

むらや塗り残しはボディをいろんな角度から見ることで判別できる。

一見、きれいに見えるが、よーく見ると、あちらこちらにむら見受けられる。

言われて見れば、初めてわかるようなむらだが、これでは成功とは言えない。

むらの部分をマイクロファイバークロスで再度拭いてみるが、むらを修正することはできなかった。

時間が経ち硬化してしまったようだ。

一応、「ピカピカレインプレミアム」の薬液を、もう一度塗り、マイクロファイバークロスで拭くことで解消はできるようだ。

下は「ピカピカレインプレミアム」を塗ったあとの状態。しっとりとした艶が出ている。

むらの原因はコンパウンドの残りと拭き取りの不足

ここであることに気づいた。「ピカピカレインプレミアム」を塗り付けているスポンジの薬液の色が微妙に黒いのだ。

仕上げコンパウンドに黒色のコンパウンドを使用したが、どうもこれが混ざっているようである。

(使用したモノタロウの濃色車仕上用コンパウンド)

このように、色は真っ黒だ。

仕上げコンパウンド使用後、濡れたクロスと乾拭きを行ったが、これが十分でなく、残ったコンパウンドを巻き込んでしまったと思われる。

ボディ表面の拭き取りはできていたと思うが、継ぎ目とか、細かい部分(ドアノブの内側とか)にコンパウンドが残っていたのだろう。

これではむらになるのも当然かもしれない。

だから、作業を初めたところはほぼむらが発生していない。

また、時間が無く、専用クロスでの拭き上げが十分でなかったのも原因のひとつ。

しかし、むらが起きている場所が多い。修正はちょっと大変そうだ。

とりあえず、今日は時間も無いため、オーナーに説明をして、後日再仕上をおこなうことにした。

おわりに

今回は、コンパウンドの拭き残りの影響は予想していなかった。

時間が無く、作業を省略したのが裏目に出た感じだ。

できれば、高圧洗浄機などを使用して、細かい部分までコンパウンドを洗い流すのがベターなのだろう。

また、ウオータースポットの隠蔽性についてはほとんど効果は無いようだ。

気になるなら、薬剤かポリッシュでウオータースポットを処置しておく必要がある。

次回は後編として、「ピカピカレインプレミアム」の上に「CPCペイントシーラント」を施工し、あわせてむら修正もおこなった話しを書いてみようと思う。