コールマン「502スポーツスター」シングルバーナーを修理する(分解編)


長年使っていたシングルバーナー、「コールマン502スポーツスター」。
とうとう具合が悪くなってきた。

今回、分解、修理に挑戦してみたのでその様子をお伝えしようと思う。

燃焼が続かない

症状は燃料バルブを開いて点火しても、炎が次第に消えてしまう。
そしてバーナー部分からエアーだけが出ている状態になる。
燃料が正常にジェネレータに供給されない状態になっているようだ。

振ったり叩いたりしてみたが状態は変わらず。
寒い中のキャンプで湯を沸かすつもりだったが、別のガスカートリッジバーナーの出番となってしまった。

しかし、キャンプの現場に着いてから異常はどうしようもない。
やっぱり出かける前にちゃんとチェックしておくべきだと反省。

「502スポーツスター」

502スポーツスターは、かなり古い型のシングルバーナー。

この個体を購入したのは40年近く前。底面の製造刻印では1979年11月の製造となっている。

(長い間使っていて、ろくにメンテナンスもしていなかったせいでサビだらけになっている。)

その頃は、貰っていた給料も安かったから、当時はかなり安く買えたんだと思う。

ところが今はビンテージ物で、状態の良いものだと数万円の値がついていたりする。
レストア用に購入しようとしてもなかなか手が出せない。

だったら最新機種買った方が安くね?というご指摘もあるだろうが、しかし、やっぱり古いものには味がある。
それに消耗品パーツもまだどうにか手に入るから、あきらめず生かしてやろうという気持ちになる。

Model 533

原因は燃料タンク内のサビ?

まあ、燃料(ホワイトガソリン)も入れっぱなし、いつも使ったきりのまま保管していたのが良くなかったのだろう。

今考えると、ずいぶん可哀想な使い方をしてきたものだ。
以前、別記事で、「ガソリン入れっぱなしでも大丈夫」と書いていたが、「燃料は腐る前に抜くべき」と、ここで訂正しておく。

タンク内の燃料を取り出してみると、タンク内部にサビが発生していることがわかった。
燃料タンク内の剥がれたサビが燃料供給ルートのどこかに入り込んでしまったのかもしれない。

下画像は燃料取り出し後、漏斗の表面に残ったサビ片。

タンク内部を見てみるとこんな状態になっていた。

燃料に浸かっていないタンク上部が、水分からサビが発生したと思う。

下の画像のように底面のサビは無いようだ。燃料が残っていたため酸化を免れたのだろう。

なにしろ40年使っているシロモノ、サビが来るのも当然か。

こうなるとバラして清掃するしかない。

工具

分解、メンテナンスするにあたって、やはり工具はそろえておいた方がよいと思う。
一般のペンチなどで代用はできるだろうが、傷が入ったり、ナットやビスをなめてしまって泣くことになる。

用意した工具類は以下。

■ コールマンスーパーレンチ(専用レンチ)
(ネットで酷評されてる評価を見るがちゃんと使えた。)

心配ならインチ規格のスパナを購入すると良い。(3/8×7/16インチ と1/2×9/16インチ)

■ モンキースパナ(大径のナット取外し/取付け用)

■ チェックバルブレンチ(チェックバルブを外すための専用工具)

■ プラスドライバ/マイナスドライバ

■ パイプレンチ

■ CRC556(固着した箇所の塗布する。))

■ ボロ布、ティッシュペーパーなどふき取り用

尚、以下のものは汚れ落としや組み立てに使用するもので分解時は無くてもいい。

■ コールマンリュブリカント(専用オイル)

■ 真鍮ブラシ

■ 紙やすり

■ 金属ウールたわし

■ 自動車用パーツクリーナー

■ 金属みがきコンパウンド

■ スレッドコンパウンド

■ サビ洗浄剤

■ シールテープ

分解

502バーナーの分解方法はYoutubeなどに数多く上がっているのでそれを参照されるとよいと思う。
(なかなか画像と文面では伝わりにくいところもあるかと。)

YoutubeのURLを記しておく。

■ Coleman502 完全メンテナンス 【前編】 / 腰上全バラシ
 https://www.youtube.com/watch?v=Y3-NEZuk2Y0
■ Coleman502 完全メンテナンス 【後編】 / 腰上全バラシ
 https://www.youtube.com/watch?v=rKQE62OWkiE
■ コールマン 502 ストーブ 67年3月製 腰下OH Coleman stove model 502 Mar. 1967
 https://www.youtube.com/watch?v=mEmMhvIgwdQ&t=1s
■ Coleman 502 stove 71年1月製 組立て
 https://www.youtube.com/watch?v=Lhqx8yafnfw
■ refurbishing a Coleman 502
 https://www.youtube.com/watch?v=2vcDmZyjPAY
■ Coleman 502 stove resemble
 https://www.youtube.com/watch?v=hSaYS_lZ1Xo

以下に簡単に分解の手順を書いておく。
尚、この手順はわたしが分解していった手順なので正しい方法ではないかもしれない。
誤っている可能性もあるので、情報を確認してから分解されることをお勧めする。

①燃料を抜く。
 火気に気をつけながら、本体を傾け漏斗でペットボトルなどへ移すとよい。

②レギュレーターアセンブリーとバルブステムアセンブリーを繋ぐパイプ部分の袋ナットを緩める。

③レギュレーターアセンブリーをステーに固定してる六角ナットをゆるめる。

④五徳を外す(固定ネジ3本)

⑤レギュレーターアセンブリーをジェネレータごとはずす。

⑥バーナー(トップディスクと波リングと平リング板)をとめてるビス3本を外して、バーナーをはずす。

⑦バーナーの土台を回してはずす。(かなり固いと思われる。)

もし、固いときは下の画像のように、中央のねじ付近にCRC556を吹いておくと緩み易くなる。

⑧バーナーボール(お皿の部分)を外す。

⑨バーナーサポートをはずす。(ネジ3本)

こんな感じで外れる。

あとはフェールチューブアッセンブリー、ポンププランジャーとチェックバルブ。

⑩ポンププランジャーをとめているポンプクリップ(D型のスプリング)をはずし、ポンププランジャーを抜く。

ポンププランジャーのキャップが固い場合はマイナスドライバでゆっくりこじると外れる。

⑪エアーステムを回してはずす。

奥の方にチェックバルブが見える。

チェックバルブ取り外し用の専用工具。

⑪チェックバルブレンチをセットする。
 (まだチェックバルブは外さない。これは次のフェールチューブアッセンブリーを外すときの持ち手を確保するため。)

⑫バルブホイールをとめているビス1本をはずし、バルブと銘板をはずす。

フェールチューブアッセンブリーはシール接着剤で固定されており、かなり固い。

フェールチューブアッセンブリーを外すのに今回は力を加えて外す方法をとったが、シール接着剤をガスバーナなどであぶりシール剤を軟化させてからアッセンブリーを万力などで挟んで、本体(タンク)を回すのが最も効率よい外し方かもしれない。

⑬傷防止と変形防止のためフェールチューブアッセンブリーを保護する。
この画像ではガムテープを何重に巻いたが、それでも弱いため厚手の皮とか厚いゴムシートとかで保護すると良いと思う。

⑭パイプレンチを使用して、フェールチューブアッセンブリーを反時計方向に回す。
これですこしでも動けばしめたもの。床に置いて、体重をかけながらゆっくり慎重に回すとうまくいった。

外すときは何回転で外れるか回数を覚えておくとよい。組み立て時の目安になる。
この個体の場合は6回転で外れた。

フェールチューブアッセンブリーが外れた。

⑮チェックバルブをはずす。
 チェックバルブレンチをゆっくりと慎重に回す。(これも少し固かった。)
 これも何回転で外れるか回数を覚えておくとよい。(この個体の場合約7回転で外れた。)

 チェックバルブが外れた。

参考に分解図を載せておく。

 出典:出典元不明

以上で分解ができたので、次回はそれぞれのパーツの清掃(タンク内サビ取りなど)を行ってみようと思う。

続く