0V ニッケル水素電池は復活できるか

長年放置状態でほぼ0ボルト(過放電状態で不活性)になってしまった「ニッケル水素電池」。

これを復活させることができるか試してみた。

死んでしまった?ニッケル水素電池

先日、テレビリモコンの電池切れで電池が必要になったが、買い置きしておいたはずの電池が無い。

そういえば、以前買った「ニッケル水素電池」があることを思い出し、これを使おうと引き出しの奥からひっぱり出してきた。
ほったらかしで、中には5年以上放置したものある。

試しに電圧を計ってみたが電圧はみなバラバラ。中には0ボルトのものもある。

ただ「ニッケル水素電池」は充電できる電池なので手持ちの充電器で充電をしてみる。

充電できたものもあったが、中には充電できないものもある。
充電できないものは電圧がほぼ0Vのものだった。

ちょっと疑問に思い調べてみた。
すると過放電状態になると、劣化し不活性の状態となって使えなくなってしまうのだという。

「いつまでも使えると思うなハブラシとニッケル水素電池」・・・。

仕方が無いので、そのままゴミ箱へポイ。

しかし、ちょっと待てよ。このまま捨てるのももったいない。
何とか復活させる方法は無いものか。貧乏根性はモチベーションを生み出す。

ネットで調べてみると、不活性となったものでも復活できる可能性があることがあちらこちらに書いてある。

今回はゴミ箱から拾いだし、実験台となっていただこう。

ニッケル水素電池とは

この「ニッケル水素電池」。表記はNi-MH。繰り返し使える充電型電池のこと。

パナソニック社の「エネループ」とか「充電式エボルタ」が有名かな。

昔の充電型電池といえばニッカド電池(ニッケルカドミウム電池)が良く使われていた。
しかし環境面への配慮や性能面からニッケル水素電池への置き換えが進んだのだそうだ。

ニッケル水素電池は大電力・大電流時の放電特性に優れ、単純な回路で充放電が可能、安全性も確立されているのだと。

ただし短所もある。
ニッカド電池に比べると過放電に弱い。

過放電してしまうと電池を傷めてしまう。(メーカによっては軽減改善されている)

引火性の水素ガスを発生するため、完全に密閉された場所(防水ライトとか)での使用ができない。

わずかにメモリー効果(現象)がある。(これもメーカによっては軽減改善されている)

※メモリー効果
完全に使い切っていない電池を充電することで、次の使用時に電圧がすぐに下がってしまう現象。
電圧が下がると容量が減少したように見えるため、「見た目上の容量が減る事」 と説明される事もあるそうだ。

また、ニッケル水素電池は一般的によく使われるアルカリ乾電池に比較すると、使わず放置される時間が長くなると容量の自然減少の度合いが大きい。

アルカリ乾電池の場合、年率数%の容量減少だが、ニッケル水素電池の場合、月20%程度減少する。
但し、そうなった場合は再度充電すれば元に戻るとのことだ。

このため、電池を入れてから使い終わるまでの期間が長い用途にはあまり適していない。

例えばたまにしか使わないラジオに入れたり、長期間に渡り使用する目覚まし時計などには適していない。

なお、ニッケル水素電池の使い方として、低い電圧の状態(放電済み)で使用されると充電特性に影響を与えるので(容量が入らなくなってしまう)電池がなくなり次第、すぐに機器から取り外すことが必要とのこと。

まあ、以上はネットからの情報なのでよくわからないこともあるが、自然放電量が多いということらしい。知らんかったね。
今回使おうとしたテレビリモコンにも不向きということだ。

かしこそうな充電器を購入

メーカーがニッケル水素電池とセットで販売している充電器は2本や4本のペアでで充電するタイプだ。
ペアにする電池が同じような特性の者同士の組み合わせにしなければ電池にはよくないらしい。

このような充電器は今回のように不活性な状態となってしまった電池の充電には不向きなのだ。

そこで、ネットで調べると「TGX08」という充電器が良さそう。早速購入。

この充電器、割とメジャーな機種のようで、ネットの記事でもあちこちで登場する。

シガープラグのアダプタも入っている。車内でラジコン用の電池を充電するためだろうか。

この「TGX08」、1本から8本までの単3もしくは単4型電池を充電することができる。
(姉妹品にTGX12やTGX16があり、こちらは12本、16本までの充電が可能。)

LCDディスプレイが搭載されていて、それぞれの電池で充電中の経過が分かるようになっている。

この充電器が良いのは、一本単位で充電ができるということ。
つまり、一本ごとの充電状態の管理がおこなわれるため、メーカーを問わず特性がバラバラの電池でも充電できるのだ。

「0Vニッケル水素電池」は復活できるか

今回の実験に使用したのは付属の充電器では充電できなかった5本のニッケル水素電池。(つまりいったんゴミ箱ポイしたのを回収したのね)

左から単3型が1本、、単4型が4本。一番右の単4型だけ0.5V程の電圧が残っている。他の4本はほぼ0Vのものだ。

これを「TGX08」セットして充電を始めた。

電源プラグを挿すと充電が始まる。とりあえずどれも同じような液晶の表示となる。(バーが上方向へ伸びるように点滅する状態。)
このまましばらく放置しておくことにしよう。

しばらくすると表示が変化した。
2本の電池については充電をあきらめてしまったようだ。

他の3本については依然充電中。更に放置する。

結局、一晩充電を行ったところ、液晶はこんな表示。(充電工程が終わると液晶のバックライトが消える。)

5本中、3本は充電が完了したような表示で、2本は空の表示になっている。

電池を取り出して電圧を計ってみる。
充電完了表示のものは電圧が1.4V近くで使えそうな電圧だ。
(後日使ってみたが正常に使えた。)

しかし単4型の2本は復活せず。電圧を計っても0Vだった。

その後2本だけを数回充電器にセットしてみたものの復活することはなかった。
やっぱりダメなものはダメなのかな。

ニッケル水素電池 各メーカーの性能及びコストパフォーマンスについて

いつも見ているイチケンさんのYouTube動画が大変参考になったので、本ブログに貼らせて頂いた。(2024年3月)

イチケン「【エネループは?】どのニッケル水素電池が長持ちしてコスパ良い? 17銘柄の電池で検証!!」

【エネループは?】どのニッケル水素電池が長持ちしてコスパ良い? 17銘柄の電池で検証!!

おわりに

この充電器を使えば、過放電、不活性の電池でも蘇るものがあることがわかった。

いろいろ資源の枯渇、再利用が叫ばれる昨今、充電器を購入する必要はあるが、多少、資源再利用に貢献できたかなと思う。

今回の件で、充電式の電池は使い方によって長持ちしたりそうでなかったりすることがよくわかった。

また、今回は復活できなかった2本のニッケル水素電池だが、他にも復活を促す方法もあるようなので、いずれ試してみたいと思う。

尚、こちらに「ニッケル水素電池」の活用ノウハウが書いてあるので参考にされるのがよいかと思う。

えこじじいの店

コメント

  1. 海苔好き。 より:

    以前、カメラ LUMIX FZ1000で動画を流し撮りしていました。電池ボックス8本用と、ダミー電池1個の組み合わせです。
    ある時、予期せずに短時間で電池がヘタってしまいました。
    ネットで調べると貴ブログなどほかの場所でもいろいろと書かれていて、
    過放電が原因、その対処方法を参考にいたしました。

    いま、あれ?と思ったことがありました。
    TGX08でバー無しの電池表示されたニッケル水素電池を以下のようにしました。
    電池の容量は2100mA,カメリオン製の単三電池です。

    そこで、過放電した電池を

    ダイソー充電器で22時間充電⇒SDカード録音機で電力がなくなるまで使用(8個直列使用)⇒
    TGX08で充電⇒全電池の表示が充電と示されるバーが表示⇒翌朝見ると2個が白抜き表示

    この2個の電池の電圧を計ると1.45Vと1.42Vでした。過充電状態でしょうか?
    試しに2個の電池で使用できる機器に入れたところ、稼働しています。

    TGX08の白抜き表示の意味は、過放電と過充電の両方の意味でしょう。
    この電池が再びTGX08で充電できるか、機器で放電後試してみます。

    電圧が最初から無く白抜きの表示なら、過放電。
    はじめは充電表示だったのが、白抜き表示になって、既定電圧以上(1.4V?以上)ならば過充電。
    テスターは必須ですね。

    過充電の場合、電解液の水が電気分解されて水素が発生し、破裂の危険があると言われています。
    過放電では、電極が酸化して不導体となると言われていますが、
    この酸化被膜が、水の電解を利用して還元され除去、活性化しているのかもしれません。
    これはあくまでも仮説であり、過充電は危険なので、注意深くしないといけません。

    過充電になった電池は、Δtが検出できなくなって、TGX08の保護回路が働いたのだろうと思います。

    • metaba より:

      海苔好きさん、コメントありがとうございます。

      TGX08の白抜き表示は過充電の意味もありなんですね。
      以前使用したときは電圧まで計ることをしませんでしたから、今度扱うときは注意して見てみます。

      Ni-MH電池はショック療法でも復活することがあるようですが、おっしゃるように化学反応の世界、温度など外的要因も作用するのかもしれません。

      充電器も万能ではないでしょうから、Δtが検出できなかったり、状態によっては何が起きるかわからないので(特に怪しい電池は)、目を離さないよう注意しないといけませんね。
      ボヤ騒ぎなんか起こしたら最悪ですから(笑)

      情報ありがとうございました。

  2. masa より:

    会社で長期保管して過放電したニッケル水素の単三電池を充電してみましたが、充電できたのは半数程度でした。
    夜の散歩用の懐中電灯に使っていますが、やはり容量は少なくなっている気がします。
    ちなみにリチュームイオンも過放電した物を復活させる方法があります。
    以前ラジコンのバッテリーを繋いだままにしていたら、ラジコンのバッテリーには保護回路が付いていないため過放電してしまいました。
    充電器では過放電保護が働き充電できないので、リチュームイオン電池をもう一本用意し満充電にしてからパラで繋げば充電器で充電できる程度まで復活します。
    ただ電池のプロに聞いたところかなり危険な行為らしいので自己責任でお願いします。

    • metaba より:

      masaさん、コメントありがとうございます。

      やはり過放電のまま長期間放置してしまうと、完全にお亡くなりになるケースも多いようですね。
      それを知ってからは、使ってる使ってないに関わらずたまに充電しています。
      (但し有効な充電回数が減ってしまうのがネックですが。)

      リチウムイオン電池の復活も、俗にいう「ショック療法」というやつでしょうか。
      無理やり目覚めさせるわけですね。確かにちょっと怖い。

      昔は、普通の電池でも無理やり充電したりしてましたから、今思えばかなり無茶苦茶なことをやってたものだと思います。