エレキギターを光らせる(仮設置編)

エレキギターはなぜ光らない?

エレキギターって、「エレキ」と言いながら、全然光るところがないんだねー。

音楽を奏でるのに光る必要はないだろ!!というご指摘はおありでしょうが、やっぱりどこかちょっとは光ってほしい、一応電子楽器なんだから。

指板を光らせるキットなんかが売られてたり、LEDを埋め込んだ透明アクリルギターなんてーのもあったりするが、そこまでは大げさではなく、ちょっとした「ヒカリモノ」がほしいと思ったりするわけである。

そんなわけでうん千円で買った、ジャンクエレキの補修がてら、ついでにLEDを埋め込み、演奏するとコントロールノブの部分がピカピカと美しく光る!!ってーのをやってみた。

構想を練る

製作目標は以下のごとく。

 ①演奏にあわせてピカピカ光る
 ②できるだけシンプルな回路
 ③安価
 ④ギターの加工は最小限
 ⑤電池で動く

まず考えたのは、ピックアップの部分をキャビティ内側から光らせる方法。しかし光をうまく拡散させるのに苦労しそうでとりあえず見送り。

次にギター本体まわりにLEDを埋め込む方法、加工がそもそも無理そうなのでこれは却下。

では、コントロールノブの部分を光らせたらどうだろう。これなら簡単に加工できそうだ。

材料と回路

というわけで、さっそく部品を選定。

コントロールノブの部分の光を通すためには透明かそれに近いノブを入手する必要がある。

さすがネットには何でもある。もちろん大陸製だ。さっそくと言いながら入手には数週間を要した。


次に音のレベルに合わせて、LEDを光らせる回路だ。

レベルメータ用のICやOPアンプの使用も考えたが、たかがピカピカ光らせるだけだ、そんな大仰な回路はいらない。
トランジスタかFET数個ぐらいでなんとかならんかな~と。

またまたネットを徘徊しているといいものが見つかった。

「DIY電子キット-高輝度 サウンド抑える 青 LED フラッシュ音楽」

例によって、意味不明な商品名だが、要は音に反応してLEDが光るという製作キットだ。
下手に部品からそろえるよりも安く済む。購入時は396円だった。

※残念ながら、2024年5月現在、在庫切れ、メーカー生産中止となっている。

内容物はパーツとプリント基板、中国語の説明書が1枚入っている。

これは、もともとコンデンサマイクで音を拾い、それでLEDを点滅させるものだが、今回はマイクを使わず、ダイレクトにギターからの入力をぶち込む。

そのためいくつかの部品は使わない。
使わないのはコンデンサマイク、4.7kΩの抵抗。LEDは4本だけ使う。

回路図を清書しなおすとこうなる。

回路図のRxで示す抵抗が別途必要になる。入力のレベル調整用で100k~300kΩの抵抗だ。

今回は250kΩを使用。(本設置編で半固定抵抗へ変更する予定)

入力は出力ジャック部分から取っている。したがってボリューム(音量コントロールノブ)を絞ると段々点灯しなくなる。

またトランジスタの型番は9014となっているが、日本製なら2SC945とか2SC1815が代用できる。
但し足の配列が違うので注意。

あと必要なのは電池ケース(単4電池2本用)や配線材料等。

LEDに電流制限用の抵抗が入ってないのは、電圧が3Vなので不要。
光量を絞りたいのなら数百オームから数キロオームの抵抗を入れればよい。

ギター改造と取り付け

部品がそろったらギターの改造作業だ。

まずはコントロールノブの周りをサインペンなどでなぞって範囲を描く。
この内側にLEDを設置するわけだが、ポット(ポテンションメータ、俗にいうボリューム)にとの関係を考えながら位置を決める。

近すぎるとポット本体と干渉するし、遠いと透明ノブをきれいに光らせることができない。

わしのギターでは、写真のような位置に穴をあけることにした。キリでそっと印をつける。

印の位置に穴開けてゆくわけだが、最初からドリルは使わず4.5mmのドリル刃を手で回転させながら浅く穴を掘ってやる。

なぜなら、いきなりドリルを使うと、力が加わりすぎて、穴以外の塗装面にヒビや欠けが起きてしまうからだ。

手で穴を掘った状態がコレ。このぐらいまでできたら、次にドリルでそっと穴を開ける。

ここも4.5mmのドリルを使い、あとで棒ヤスリやリーマなどを使ってLEDがギリギリ入るぐらいの穴にする。
(最終的には接着剤で固定するので、最初から5mmのドリルでもかまわないと思う)

LEDを差し込んでみてちょっと固いかなぁぐらいがよいと思う。

穴が完成したら、LEDにリード線をつける。そしてヒシチューブ(熱収縮チューブ)でLEDの足とハンダ付け部分を保護する。
これは金属部分とショートしないようにするためだ。

LEDはこんな感じ。少しだけ頭が出ている。接着剤で固定する。
(瞬間接着剤はLEDが白くなってしまうことがあるので使わない方が良い。)

あとは組んだ回路ごとポットキャビティ内に格納する。

とりあえず完成

適当に弦をはじくと、それにあわせてピカピカすればOKだ。
う~ん、ニンマリ、自己満足。
人間は脳が満足すればそれで幸せなのだ。

今回は仮設置なので、電源スイッチが無く、使わないときは電池を抜く必要があるし、
光るレベルの調整もできない。これについては次回「完成編」で改造しようと思う。

「完成編」はこちら→ エレキギターを光らせる(完成編)