先日、京都市にある蹴上浄水場の一般公開に行ってきた。
これは場内のつつじの開花にあわせて開催される。
蹴上浄水場とは
蹴上浄水場は、字の如く、水を浄化し各家庭や施設に給水している施設。
その歴史は古く、日本最初の急速ろ過式浄水場として明治45年(1912年)4月から給水を開始したそうだ。
蹴上浄水場の場所は以下。
その水をどこから持ってくるかというと滋賀県の琵琶湖。
琵琶湖から疏水を通じ、浄化設備によって飲用可能な水を作るわけだ。
疏水(そすい)とは、他の水源から水を引く目的で造られた水路のことをいう。
以下は浄水設備の簡単な説明図。
蹴上のつつじ
4月下旬になると、つつじが咲き、この時期に合わせて、浄水場が一般公開される。
コロナ禍のため、なんと5年ぶりの開催だ。
2024年の開催期間は4月27日(土)~29日(月・祝)の三日間。期間は短い。
わし達は4月28日の日曜日に行ったが、まだ開場前で長い行列ができていた。
今年は開花が少し遅れたようで、まだつぼみの状態のものもあった。
しかし、場内に咲く赤紫、白、ピンクのつつじは青い空をバックにとても美しい。
つつじの数はおよそ4,600本だそうだ。
場内はけっこう勾配があり、上の方まで行ける。
急な階段とかちょっとしんどいところもあるが、そこから見る京都市内(左京区あたり)も絶景。
カメラやスマホを向ける人も多く、双眼鏡を持参すると更に楽しめるだろう。
”蹴上”の由来
話しは少しはずれるが、”蹴上”という名前の由来。
平安時代末期、源義経(牛若丸)が奥州へと向かう途中、たまたま通りかかった平家の武士 関原輿市重治(せきはらよいちしげはる)一行の馬が通りかかった。
この時、彼らの馬が水溜りの水を蹴り上げ、義経の衣服を汚してしまった。
謝ることなく通り過ぎた一行の無礼に義経は詫びるように迫ったが、武者たちは平家の威光を笠に着てかえって居丈高な態度に出た。
そこから両者の争いとなり、ついには義経が輿市の家来たち9人を斬り捨て、輿市の耳と鼻を削いで追い払ったのだという。
この、”馬が水を蹴り上げた”というエピソードから、この辺りを”蹴上”と呼ぶようになったと言われている。
今だったら、クリーニング代出すから勘弁してよと言えるのにねぇ。
まあ、今でも些細な事がとんでもないことになることもあるけれど。
ちなみに、後に自分の軽率を悔いた義経は、9体の石仏を作って彼らを弔ったのだという。
石仏6体は消失してしまったが、残り3体は現存しているとのこと。
出典:Kyotopi [キョウトピ] 京都観光情報・旅行・グルメ
場内のイベントなど
場内の一角には飲食、イベントスペースが設けられていた。
おわりに
コロナ禍のため、5年ぶりの開催となったが、これからはまた毎年開催されるようになるだろう。
入場は無料の為、気軽に入れる。(駐車場は無いのでご注意。)
さわやかな季節、こんなプチ行楽がなかなか楽しめた。
つつじ見学のついでに疏水脇を歩いてみてはどうだろう。
琵琶湖からの疏水脇には遊歩道があり、大津までずっと散策できるようになっている。
新緑がとても気持ちい。ここでお弁当を広げるのもあり。ご健脚の方は歩いてみるとよいだろう。