滋賀県の黄和田キャンプ場へ行ってきた


2021年4月中旬、滋賀県東近江市にある黄和田(きわだ)キャンプ場へ行ってきたのでその様子など。

※黄和田キャンプ場は、2022年9月に発生した川の増水事故により閉鎖中(再開めど未定)になっています。(2023年2月現在)

黄和田キャンプ場とは

黄和田キャンプ場は滋賀県の奥永源寺にあり、すぐ横を神崎川が流れる自然豊かなキャンプ場だ。

近年のキャンプブームで、どこも料金が高騰しているようだが、このキャンプ場は格安で利用することができる。

開設時期は4月~から11月でチェックイン/チェックアウトの時間が自由。
つまり時間の縛りが無いのでいつ入っても出ても良いのだ。

但し、夜遅くの入場や、いつまでも場所を占有するのは良くないだろう。
他のキャンパー達に配慮して常識的な時間での入退場を心掛けたい。

サイトは広場エリアと林間エリアがあり、サイトの区画割りは無く、空いていれば好きなところにテントやタープを張ることができる。

(キャンプ場入り口付近からキャンプ場を望む。)手前が広場エリア、奥へ行くと林間エリアがある。

入り口は狭く、少々急坂。

サイト設営時、クルマやバイクをすぐそばに置けるので荷物の積み下ろしがとても楽だ。
但し、混雑時は広く場所を占有したり、通行の邪魔になるようなサイト設置や駐車には注意したい。

広場エリア

広場エリアは平面だが、石がゴロゴロ転がる場所が多い。入り口付近の北側はやや湿地ぽい感じになっている。
木立が少なく陰が少ないためで夏場はタープを使うとよいと思う。

林間エリア

林間エリアは、キャンプ場を奥に進んだところ。
林間とはいえ、それほど木立が密集しておらずとても明るい。
その分、夏場は日差しが強いだろう。

また、夜は照明設備がほとんど無いので真っ暗。ランタンや懐中電灯が必需品だ。

設備

設備は、必要最低限のものしかなく、もちろんAC電源など気の利いたものはない。

トイレも一か所しかなく、こんな具合だ。

しかもトイレットペーパーが置いていないため自前で持参が必要。

汲み取り式だが、便器内に蓋があるため、あの恐ろしい「ポットン便所」ではない。
但し、スマホなどを落とさないよう注意。落としてしまったら異次元空間に消えてしまうだろう。

便器は3つあり、男女兼用で1つが和式、2つが洋式になっている。
当然、暖房便座など気の利いたものではなく、座ったとたんヒンヤリした感触を味わうことができる。

ちなみに林間エリアのいちばん奥にサイトを設営した場合、トイレまで徒歩3分程かかるので、運動不足解消には良いかも。(途中でおもらししないように。)

このトイレ、神経質な人はちょっと抵抗があるかもしれない。
利用するのがイヤなら、近くの道の駅「奥永源寺渓流の里」を利用する手もある。
但し、歩いて10分程かかるので、もよおして来たら早めに出発した方が良いだろう。

道の駅のトイレ。トイレットペーパーもアルヨ。

ちなみに、この道の駅、少々の食料品や調味料、日用品を売っている。
残念ながら、肉などは売っていない。

さて、話は戻って、キャンプ場内の洗い場はところどころに設置されている。
水道とシンクが置いてあるだけで、排水は、そのまま地面に垂れ流しなので、食べ残しを流さないようにしたい。

ゴミ捨て場は無いため、全て持ち帰る必要がある。
しかし、ビニール袋で外に置いておくのは注意。

カラスが狙っているので、無人になると、すぐさまやつらがやってくる。
おまけに、野良の猫ちゃんたちも虎視眈眈と狙っているので、無人にするときは、食べ残しのゴミなどは片付けておいた方が良い。

直火は可能だが・・・

直火可能だが、最近は後始末をせずそのままの放置する「炊き逃げ」が多いと聞く。

石積みはしかたがないとしても、せいぜい残った炭の始末はしておくべきだろう。
炭は自然分解しないことを知らないキャンパーが多いのかもしれない。

今回のキャンプでは、近くに捨てられていた残炭を、処分を兼ねて、ありがたく使わせていただいた。
地面を汚さないため、なるべくコンロなどを使うことをお勧めする。そうすればいつでも気持ちよく利用することができる。

また、残った炭や灰も持ち帰るようにしよう。こんなグッズも便利。

利用した林間サイト

今回利用したのは2回目。
前回(2017年)は連休の真っ只中だったのでかなり混みあっていたが、今回は平日利用だったため比較的空いていた。

それでも10組程度の利用者が居て、最近のキャンプブームを反映しているなぁと思った。

これは2017年ゴールデンウイークの画像(ほぼ駐車場状態の広場サイト)

繁忙時期は入り口にある受付で対応してくれるが、平日は人がいないので、とりあえず入場し、テントなどを設営してから連絡先に入場を伝えれば良い。

おじちゃんが軽トラで料金の徴収にやってくる。
料金を払うと領収書と目印のリボンが渡される。
リボンはサイドミラーなどに縛り付けて置けばよい。リボンは、退場時に入り口にある回収箱に返却する。

風呂に入りたいとき

さて、テントの設営も終わって、晩飯前(ビール前)にひとっ風呂浴びたいと思うのが人情。
しかし、このキャンプ場はシャワー設備も無い。真夏ならば川で水浴びという手も無くはないが・・・

近くには「永源寺温泉 八風の湯」があるが、ちょっと料金が高い。
(2021年4月現在、大人(中学生以上)平日1,300円/土日祝1,500円(JAF会員なら300円割引らしい。))

それなりにリッチな温泉なのだが、先に書いように、国道421号線の永源寺方面は道幅が狭く急カーブも多い。
しかも狭いところを通り慣れた大型車がガンガン走ってくるので、事故のリスクも高いと思われる。
特に暗くなってからは尚更危険だと思う。

そこで、三重県方面にある「阿下喜(あげき)温泉 あじさいの里」に行くことをお勧めする。
距離は八風の湯に比べ、倍以上あるが、こちら方面は道幅も広く、はるかに安全に走れる。
(途中、長いトンネルと少々カーブはあるが。)

阿下喜温泉 あじさいの里

しかも料金が安い。大人550円で入ることができる。(2021年4月現在)
シャンプー、リンス、ボディソープが備え付けられており、湯舟も広く、熱めの湯とぬるめの湯が選べる。
(脱衣ロッカー使用に100円硬貨が必要。使用後返却される。)

周辺の環境について

このキャンプ場、周りは山に囲まれ、緑が美しい。
神崎川はダムに貯水される前なので清流だ。

しかし残念なところがひとつある。
川の反対側にある、国道421号線の音が気になること。
この国道421号線は鈴鹿山脈を越える路線で「八風街道」とも呼ばれ、三重県と滋賀県をつなぐ抜け道的国道。

夜中でも大型トレーラーやタンクローリーが頻繁に往来する。

(こんなのが頻繁に通る。)

以前(2017年)来た時はそれほど気にならなかったが、交通量が多くなったのだろう。
幸いなことに、川の流れの音にかき消されて、それほどうるさくは感じないものの、敏感な人は夜中に目が覚まされることになるかもしれない。

国道421号線は道幅が大変狭いところや急カーブも随所にあり、現在拡張工事が行われている。
これが完成すると、ますます交通量が増えて、静かなキャンプ場とは言えなくなってしまうかもしれない。
昔は、道路沿いに桜並木がいっぱいあったのに、それも削られてしまっていて残念だった。

周辺の見どころ

近くに「池田養魚場 渓流館」がある。

いわな料理を食べさせてくれる食堂もあるが、釣り堀で釣ったいわなを焚き火で料理するというのもありだ。

滋賀方面へ行くと、「池田牧場」あり、その中に「ジェラートショップ香想」がある。
ここでは、季節限定のおいしいジェラートが食べられる。

ちょっと面白いものができた。この近辺で4/23から自動運転サービスが開始されたのだ。

使っている車両はヤマハ製カートを改造したもので、定員は6人、最高速度は12km/h程。

運行ルート上に電磁誘導線を敷設している。
道を歩くとわかるが、道路上に埋め込みの痕がある。

今回は乗ることができなかったが、のどかな景色を見ながらゆっくり走るのは楽しいだろうと思う。

運賃は150円。
運行ルートは道の駅「奥永源寺渓流の里」~日枝神社前~黄和田上~杠葉尾口~杠葉尾~銚子ヶ口入口(往復約4.4km)。
運行スケジュールは、週4日(土・日・水・金)/午前2便、午後4便の計6便となっている。

まとめ

直火が許されているため、焚き痕があちこちあるものの、ゴミもなく清掃が行き届いていると思った。
トイレの少なさ、お風呂の遠さ、国道421号線の通行音が気にならなければ、居心地の良いキャンプ場だ。
夜はカジカが鳴き、朝は小鳥の声で癒される。

安価なため数泊するのもありだろう。(我々は2泊した。)

料金の安さ      ★★★★★(軽・普通車で一泊2000円で安い。)
野性味        ★★★☆☆(林間エリアは普通。)
設備の充実度     ★☆☆☆☆(トイレ一か所と洗い場(シンクが置いてあるだけ)が点在。)
サイト設営のしやすさ ★★★★☆(車両横付け可能。石が多いためペグ打ちはやや難儀)
静かさ        ★★★★☆(川の向こう側を大型トレーラーやタンクローリーが通る。)
周辺の観光      ★★☆☆☆(池田牧場、池田養魚場の釣り堀。川での釣り(入漁券が必要)。永源寺。春は新緑が美しい、秋は紅葉が楽しめる。)
温泉や風呂      ★★☆☆☆(阿下喜(あかき)温泉、永源寺温泉)
食料調達のしやすさ  ☆☆☆☆☆(近くにないため事前確保を。近くの道の駅には牛肉等生鮮食料品は無い。)

情報は東近江観光ナビ「黄和田キャンプ場」を参照されたい。

おわりに

関西、中部地方のどちらからでも訪れやすいキャンプ場だ。
クルマのナンバーを見ても、両方向からのキャンパーが半々だった。

山の中なので、朝晩は冷え込むことがある。就寝時の寒さ対策をしてゆくことをお勧めする。

最近はキャンプブームで、マナーのよろしくないキャンパー達も多いと聞く。
(まあ、そういう人たちは「キャンパー」とは言わないか・・・)

自然や他人に対して配慮することができるのが日本人の良いところ。
「来たときよりもきれいに。」を心掛け、これからもキャンプを楽しんでいきたいと思う。

コメント

  1. 匿名 より:

    黄和田キャンプ場は最高❗️
    ただしマナーを守り楽しく、安心にキャンピングをしよう👌

    • metaba より:

      コメントありがとうございます。

      このキャンプ場は、最近の豪華路線とは無縁なキャンプ場で、逆にそれがうれしいです。
      地元の管理の方々のご苦労のおかげだと思います。

      いつまでも素朴なキャンプ場であってほしいと願うばかり。
      そのためには使う方もちゃんとマナーを守らないといけませんね。

      最近、我が家の事情でキャンプに行けないのですよ。
      キャンプネタの記事が書けません(笑)