岐阜県高山市奥飛騨温泉郷「平湯キャンプ場」

9月初旬、岐阜県高山市の「平湯キャンプ場」へ行ってきた。
下界では猛暑が続いているが、ここは別天地。三泊四日のキャンプを存分に楽しむことができた。

いざキャンプへ

「平湯キャンプ場」は岐阜県高山市にあるキャンプ場。

知名度の高いキャンプ場なので、利用した方も多いと思う。
わしも以前から行こうと思っていたが、予定や天候が合わなくてなかなか行くことができなかった。

しかし、台風10号が去り、天気も回復しそうとのことで、急遽荷物をまとめることにした。
先延ばしにすると急な用事ができたり、天候が悪化したりして、ああ、あの時行っておけば・・・と後悔することが常だからである。

思い立ったが吉日、いい日旅立ちだ。

場所は以下のとおり。

我が家(滋賀県)から現地まで高速道路を使って約4時間。

平日のETC夜間割引を利用するため早朝に出発することにしたが、運悪く名神高速道路が集中工事のため夜間通行止めになっている。

迂回ルートとして新名神高速から東海北陸自動車道への流入となる。

このルートを通ると数か所のジャンクションでの乗り替えが必要になる。
始めて通るルートなのでわからないこともあるが、カーナビ君がちゃんとルートを指示してくれるか、そっちの方が心配。

昔は紙地図片手にああでもないこうでもないと思案しながら道を辿ったものだが、誰かが言っていた通り、機械に頼ると人間馬鹿になるというのはかなり正解なんだろう。
今はもう機械に頼りッきりである。

カーナビはホンダ車用の「ギャザーズ」という機種で、先日の車両点検で、カーナビのアップデートもしてもらった。
これで、よほど新しい道でない限り、何もない森の中を突き進んでいる状況にはならないだろう。

ルート検索すると、新名神高速を通るルートは候補に無く、当然最短である名神高速経由東海北陸自動車道を勧めてくる。
まあ仕方がない。ナビコンとかを使えば良いのだろうが、未だにナビコンとカーナビの接続がうまくいかない。

とりあえず、新名神に乗るルートで出発。

何度か、名神方向に戻すルートを指示してくるカーナビ君。もちろん無視!

するとしばらくして素直に新名神に乗るルートを示してくれたではないか。
最近のナビは諦めが早いのか?

前車で使っていた15年前のカロッツェリアナビはいつまで経っても元ルートに戻そうとして、ほんとバカナビだと思っていたのだが。

実はからくりがあってVICSのFM多重放送で、名神高速の工事通行止め情報を受信したらしい。
時々アホなところはあるけれど、最近のカーナビは賢いね。

途中までまだ信用しきれないところはあったが、それは杞憂だった。見事に現地までエスコートしてくれた。

夜中の3時半に自宅を出て、現地に着いたのが、8時過ぎだった。
5時間近くかかったが、これは途中で何度か休憩したり、早く着きそうになったので、途中で時間つぶしをしていたせいだ。

「平湯キャンプ場」

さて長々と余計な話しを書いてしまったが、この「平湯キャンプ場」は標高約1,300メートル、下界が35度を超える日々でもこちらは20度台でとても過ごしやすい。

但し、朝方は冷えることがあるのでそれなりの準備をしていった方が良いだろう。
豪雪の地域でもあり、開設期間は4月中旬から11月上旬である。

(朝、6時の気温は14.5℃。湿度が96%もある。)

このキャンプ場は国道を挟んで、管理棟とバンガローのあるエリアと、常設テントとオートキャンプエリアの2つの区域に分かれている。

今回我々が利用したのは、オートキャンプエリア。

このキャンプ場は、チェックインが8時、チェックアウトが12時とあまり見かけないパターンだ。
恐らく山登りや観光地へ向かう人たちの利便性を考慮してこのような時間体系になったのだろう。

受付 ~ テント設営

まずは管理棟に行き、住所、氏名、連絡先を記入、料金を支払う。

今回はオートサイトを利用、大人2名、クルマ1台、三泊四日なので合計7,200円。

一泊あたり2、400円という安さ。PayPayも使えるのがうれしい。

オートサイトは158号線を挟んで反対側にある。

入口にはゲートが設けられており、受付で渡された磁気カードで出入りするシステムになっている。
これはなかなか合理的なシステムだ。

自然林を活かした広大な敷地は、フリーサイトなのでチェックインした順に好きな場所に設営できる。

木々が生い茂っているため見通しが利かないし、区画の形状も千差万別。
どこにしたらよいか、気に入った場所を探し出すのに一苦労する。

また場内の道も舗装路ではなく、石ころが転がる凸凹道。道幅も勾配もいろいろ。
雨後はぬかるんでいるところもありそうだ。こんなとき、四駆のクルマは心強い。

注意したいのは駐車スペースとテント設置スペースの境にある木の杭。
昼間なら気づくだろうが、薄暗くなる夕方からは見落として、クルマの下側をぶつけてしまう危険がある。

どうにかよさそうな居場所を見つけると、テントを張り、雨除け用にタープを設置した。
(しかし、この場所は重大な問題が発生することがわかった。それは後述。)

この日はまだ大気が不安定で時々にわか雨が降る空模様だった。

設備

場内には洗い場とトイレがあるだけで、炊事棟は無い。

食事は各サイトでこしらえる必要がある。
各サイトには直火OKのかまどがあるが、湿気た炭が大量に放置されていて使う気にはなれなかった。

全体で、洗い場はそこそこあるものの、トイレは少ないかもしれない。
だから、トイレや洗い場周りに設営が集中しやすいようだ。

洗い場はステンレス製で、まだ新しくきれいだ。

トイレもごく普通の水洗式。和式と洋式でとイレットペーパーもちゃんと備わっている。

出入口ゲートの横にゴミ捨て場がある。灰や残炭も捨てることができる。
残炭はサイト内に残さず、できるだけこちらへ捨ててほしいと思うのだが。

夜間の照明はところどころにあるだけ。洗い場、トイレ周りはまだ明るいが、夜は真っ暗になると思ったほうが良い。

わしは明るい照明があるより真っ暗な方が好きだ。
その方が、焚き火やオイルランタンの灯りが映えるからである。

夏は木々の葉っぱが生い茂っているので、星空を見ることがなかなかできない。
少し国道沿いに行くと開けたところがあり、そこで星空観察ができる。天の川が見えるのが素晴らしい。

入浴

風呂は近くの温泉「平湯の森」が徒歩約10分で近い。浴槽がいくつもあり、ぬるめから熱いのまで楽しめる。
ボディーソープ、シャンプーも完備されている。

「平湯の森」温泉

また、もう少し足を伸ばせば、平湯民族館に露天風呂がある。

蛇口が無いため浴槽の湯で洗うしかないが、軽く汗を流すなら良い温泉だ。

食料

管理棟に生鮮食品は置いていない。但しキッチン用品、ガスカートリッジやお菓子類は置いてある。

氷も置いてあるので、クーラボックス用にありがたい。

もし食料を調達したいなら、クルマで北方向へ走ればAコープ奥ひだ店やフレッシュフーズカシキがある。
※Aコープ奥ひだ店は2025年2月に閉店が予定されている。

(Aコープで思わず買ってしまった「飛騨牛カレー」。なかなかの美味。)

観光

このキャンプ場からは、平湯大滝、奥飛騨クマ牧場、乗鞍岳、上高地、新穂高ロープウエイ、飛騨大鍾乳洞等々見どころがいっぱいある。

キャンプ場からのアクセスがしやすく、キャンプ場をベースにあちこち回るのも良し。

(平湯大滝。突然、子連れの熊が現れたので早々に退散した。)

今回は上高地をトレッキングした。

近くのバスターミナルから上高地行きが出ており、7時半発のバスに乗った。

大正池で下車。まだもやの残る大正池を見ることができた。

そこから遊歩道を歩き、河童橋で休憩、更に足を延ばし明神池まで行って戻ってきた。
距離にして約20km、さすがに疲れたが山々の景色、高原の緑が疲れを癒してくれる。

やはり河童橋辺りは人が多い。特に外国人の多さには驚く。

サイトの重大な問題とは

さて、テントを張ったサイトでの重大な問題とは何か?

実は「栃の実」の落下。

「栃の実」というのは文字の如く、トチノキから落ちてくる種子だ。

外皮の中に、まるで栗のような実が入っている。
この実を使って作られるのがトチ餅。

この種子が数メートルから十数メートルのところから落ちてくる。それも風が吹いた時でもなく、何の前触れもなく落下してくるのだ。悪いジョークとしか言いようがない。

まるでゴルフボールが落ちてくるようなものなので身体に当たれば痛いだろうし、クルマのボディーに当たれば凹みができてしまう。

幸い、タープを張ってあったので、頭や身体に当たることはなかったが、クルマのルーフに当たって見事に凹みを作ってくれた。
結構大きな音がしてびっくりした。

仕方なく、クルマは近くの空きスペースに移動してどうにかやり過ごした。

秋口、サイトを決める場合は地面をよく見て、「栃の実」が落ちていないかを確認した方が良いかもしれない。

評価

知名度の高いキャンプ場であるが、わしなりに評価してみた。

※ 評価の★マークはめたばが独断と偏見で判定したもの
項目 評価 コメント
料金 ★★★★★ 入場料 大人一人 700円。クルマ1台 1,000円
設備 ★★★★☆ ・水場:やや少ないが蛇口は多い。きれい
・トイレ: きれい。和式・洋式。トイレットペーパー有り
・夜間照明: ほぼ無し。携帯電灯持参要
野趣 ★★★★★ 野趣あふれる。自然が満喫できる
静けさ ★★★★☆ ほぼ静か。川の近くは水の音が大きいかも
国道近くはクルマの音が気になるかも
眺望 ★★★☆☆ 木々で遮られている
夜は天の川が見える。
サイト設営 ★★★★☆ 地面は土、小石で平坦な場所多い。クルマの横付け可能
小石が埋まっているので鍛造ペグがよろしい
入浴 ★★★★★ 近くに温泉「平湯の森」「平湯民族館」の露天風呂など
管理棟にシャワーは無し
食料調達 ★★★☆☆ 「Aコープ奥ひだ店」、フレッシュフーズカシキ
管理棟にカップ麺、お菓子少々あり
周辺観光 ★★★★★ 見どころ多数
その他 秋口は「栃の実」落下に注意

おわりに

有名なキャンプ場なので、ご存じの人も多いと思うが、期待通りのキャンプ場だった。

観光地にも近く、リーズナブルな料金。人気の秘密がわかる。できれば数日間連泊することをお勧めする。

「平湯キャンプ場」ホームページはこちら 平湯キャンプ場