鹿児島県伊佐市「楠本川渓流自然公園キャンプ場」

7月初旬、鹿児島県伊佐市にある「楠本川渓流自然公園キャンプ場」へ行ってきた。
いつものキャンプと思いきや、あれこれ災難続きのちょっと悲惨なキャンプだった。

予定したキャンプ場へ行けない!!

実は、当初予定していたキャンプ場はここではなかった。予定していたのは霧島の「旅の湯キャンプ場」

「旅の湯キャンプ場」は以前も行ったことがあり、蒸気釜で料理を楽しもうと、途中のスーパーであれこれ食品を買い込んでいった。

 その時の記事 → 鹿児島県 霧島温泉 旅の湯キャンプ場

ルンルン気分で現地に近づいたあたりでひとつめの災いが発生した、と言うか、し始めた。

それは降灰。

実は数日前「新燃岳」が噴火した。
この噴火のニュースは知っていたが「旅の湯キャンプ場」は影響ないと思っていたのだ。

【新燃岳 噴火の新聞記事】

しかし目的地に近づくにつれ、怪しい景色になってきた。

山を上るにつれ道路が白くなり、周りの木や家の屋根にもあきらかに灰が降り積もった様子が見えてきた。
降灰のせいだろうが空もどんよりしている。

これはマズいな、でも、とりあえず行ってみるか・・・楽観的な性格は時に判断を鈍らせる。

そして、すぐ近くまで来ると、まるで雪が降ったような状態、いや、雪のように美しくない、何か別の世界に来たような異様な感じ。これでやっとキャンプは無理と悟った。

【道路や茶畑の覆いにも大量の灰が積もっている】

降灰の中でのキャンプなど、汚れはともかく、身体への影響も大きそうだ。

後でちゃんと地図で調べたところ、「旅の湯キャンプ場」は「新燃岳」から西へわずか10km程しか離れていない。これほど近いとは思っていなかった。灰が降るのも当然だ。

次なる目的地へ

さて、どうしたものか・・・素直にあきらめて帰るか、しかしそれも残念過ぎる。

とりあえず、近くの「霧島山麓丸池湧水」へ行ってみることにした。
ここはJR栗野駅のすぐそばで大きな池がある小さな公園だ。新燃岳からは離れる方向になる。

火山灰はこのあたりでもうっすらと積もっていた。

この池は湧き水でとても澄んでいる。水汲み場があり、次から次へ湧き水を汲む人が訪れていた。

わしも、持っていた2Lのペットボトルで水を持ち帰った。飲んでみるととてもおいしい水だった。

昼食用に買ってあったスーパー弁当を食べながら、この近くのキャンプ場を探してみる。

隣町である伊佐市に「楠本川渓流自然公園」というキャンプ場があるらしい。

そこまで離れれば、降灰も少ないと思う。
しかも利用料金がかなり安い。残念なのはチェックインが15時からという点だ。

早速電話して予約してみることに。なかなか電話に出てくれなかったが、何度目かにつながった。

予約はすんなりOK。ちなみに降灰の具合を聞いてみると、特に問題ないそうだ。

というわけで、今回のキャンプ地は「楠本川渓流自然公園キャンプ場」に急遽変更となったわけだ。

チェックインまで時間をつぶす必要があるが、早めに現地へ行って周辺を散策することにした。

楠本川渓流自然公園に着

さて現地に着いたが時刻はまだ14時前。管理棟は真っ暗で誰もいないようだ。

テント設営の下見をするために、管理棟前にクルマを置いて場内へ入ってみた。

敷地は鮮やかな芝生が広がっていた。

しかし暑い。時折風が吹くものの、日差しの下では辛い。東屋の日陰でしばし休憩。

14時半になったので、管理棟へ行ってみる。
すると電気が点いていた。中に入ってみるとおじさんが窓口に居た。

予約していた旨を伝えると、チェックイン時間より早いが入ってもらってかまわないとのこと。

受付用紙に名前と住所、連絡先を記入し、料金を払う。

料金はテント一張り、タープ一張りでそれぞれ500円、それにごみ袋代50円を足して、総額1,050円だった。今時、1,000円台で利用できるキャンプ場は神だ。

管理人の方は近くに住んでいて、市の依頼を受けて利用者があるとこの管理棟にやってくるのだという。

予約の際、他にもう一組来るような様子だったが、今回は我々一組だけらしい。

管理人は繁忙期以外は17時頃までしかおらず、それ以降は本当に我々だけになってしまうようだ。

気さくな方でそのあとは世間話などあれこれ話した。土地柄なのかこの辺の人は気さくな人が多いように思う。

さて、「楠本川渓流自然公園」というのは鹿児島県伊佐市が運営する公園施設。
平成26年度から指定管理者制度を導入し、民間で管理されているそうだ。
だから近所からおじさんがやってくるわけだ。

 ホームページはこちら → 伊佐市 楠本川渓流自然公園

ここの標高は約300メートル。今回、涼しいキャンプを目指したのだが残念ながら下界とそれほど変わらない気温だ。只、森の中なので朝晩は涼しいかもしれない。

施設・周辺環境

キャンプサイトの敷地は二か所あり、管理棟を挟んで西と東側。

西側の敷地はややこじんまりとした感じ。

東側の敷地へは管理棟横の道を下ってゆく。
道幅も狭く、側溝があるのでタイヤを落とさないように注意。

敷地は広い芝生で、基本的に白い杭の内側でサイトを設置するようになっている。

今回、我々はこの東側を利用した。

杭の内側はクルマの乗り入れ禁止なので、もしクルマを横づけしたい場合は杭の外側で設営する。

また、一段上がったところに区画された場所があるが、これは常設サイトの跡地らしい。ここでも設営できると思うが聞くのを忘れた。

南側には炊事棟、トイレなどがある。

【炊事棟】

【トイレ】



面白いのは場内に五右衛門風呂があること。

セルフでお湯を沸かし、入浴後は清掃する手間があるが、数人のグループだったら沸かしてみるのも面白いだろう。



あと、ピザ窯もある。

いずれも設備は少ないため、オンシーズンは混みあうかもしれない。

【炊事棟横にあるゴミ置き場】

キャンプ場脇には渓流が流れており、夏は水遊びもできそうだ。


テント設営・・・しかし第二の悲劇が

早速テントを設営。

地面が芝で柔らかく、ペグも容易く打ち込むことができる。

さて、テント設営ができて一息ついたら温泉に行くことにした。管理人さんによさそうな温泉の場所を聞いておいたのだ。

それは「まごし温泉」。クルマで20分程度の場所だ。

大人は380円で入れる。

まだ新しい温泉で、きれいで中も広い。

温泉から出たあたりで、雨がポツポツと降り出した。雷の音も聞こえる。

これはマズいな・・・それはテントの風通しのため、フライシートを開けてメッシュの状態にしていたからだ。雨が降りこんだら、テント内がびしょ濡れになってしまう。

急いで帰るが次第に雨も強くなってくる。

キャンプ場に到着したころには、土砂降り。雷もかなりひどい。

予想通り、テント内は水びたし状態。シュラフも完全に濡れてしまっていた。
とりあえず、フライシートを閉めて、濡れたシュラフを一旦クルマ内に退避。

雷もかなり近くで鳴っている。このままテント内に留まるのは危険だ。

クルマの中で雷雲が通り過ぎるのを待つ。

外では雷がバリバリ鳴っている。

そして稲光と共に轟音!どうも近くに落雷したようだ。やばいね。

ちなみに車内に留まれば、人体に影響がないことはJAFのテストで示されている。

落雷実験~車や車内にいる人への影響は?~【JAFユーザーテスト】

落雷実験~車や車内にいる人への影響は?~【JAFユーザーテスト】

そんな状態で待つことしばし、ようやく雨も小降りになり、雷も遠ざかっていったようだ。

雷雨のおかげで涼しくはなったが、湿気が凄い。湿度90パーセント近くあるのではないだろうか。

テントの中の水をふき取り、どうには入れる状態にはなった。

濡れた寝袋は炊事棟に干して乾かすことにした。他にキャンパーは居ないから炊事棟は使いたい放題だ。

時刻は18時を回っていた。すっかりお腹が空いた。

今日は久しぶりに焼肉だが、地面は当然びしょびしょ。そこで食事をする気になれない。

そこで炊事棟で食事をすることにした。何年か前に行ったキャンプも雨に降られて、その時は寒く、炊事棟で急いで温かいものをこしらえた記憶が蘇ってくる。

そんなところでもビールはやはりうまい。肉もちょいと良い肉を持ってきたので美味。

夕飯も終わると日も沈み、薄暗くなり、キャンプ場の照明も点灯しはじめた。

今日は気温も高いためシュラフなしで寝ることにする。こういったときに毛布を持ってきていると役に立つ。
そしていつしか眠りに就いていた。

そして更なる悲劇が・・・

翌朝は霧が晴れず、太陽も輪郭が見えるだけ。暑くは無いが相変わらず湿気が高い。

朝飯を済ませ、のんびりと過ごす。

しかし、ここでまた災いが起きた。ブユの襲来だ。

ブユ(ブヨ、ブトとも言う)はコバエに似た吸血性の昆虫だ。

羽音を立てずに近づきノコギリ状の口で皮膚を切り、流れ出た血を吸う。
このとき、ブユの唾液成分が皮膚の中に入り、アレルギー反応と炎症を引き起こす。その毒性は蚊よりも強いのだという。

しかも質が悪いのがそのアレルギー反応が遅れてあらわれる点だ。

刺された直後は気づかない。しかし数時間~翌日になって猛烈なかゆみや腫れが襲ってくる。

ここは渓流が近くにある。ブユが発生しやすい環境だ。しかも気温が高く、高湿度だから、ブユが一番活動しやすい。

これまで何度もキャンプをしてきたが、これほどブユに襲われたのは初めてだった。

かゆみと腫れがひかないので、後日、ドラッグストアーで抗ヒスタミン入りのステロイド剤の軟膏を購入し塗った。さすが効果大だった。

ちなみに抗ヒスタミンはかゆみや腫れを抑え、ステロイドは炎症を抑えるのだという。

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しかし、やはり予防が大切、虫除けを塗るなり、防虫線香を焚くなり、またなるべく皮膚を露出しない服装にすべきだろう。

【近くにとまっていたブユ】

評価

【今回の評価】

※ 評価の★数はめたばが独断と偏見で判定したもの
項目 評価 コメント
料金 ★★★★★ 入場料、クルマ料金無し。テント一張 500円 タープ一張 500円
設備 ★★★☆☆ ・水場:炊事棟のみ
・トイレ: きれい。洋式。トイレットペーパー有り
・夜間照明: あり
野趣 ★★★★☆ 森に囲まれている。渓流あり
静けさ ★★★★★ 静か
眺望 ★★★☆☆ 木々で遮られている
サイト設営 ★★★★★ 地面は芝、平坦。枠外はクルマの横付け可能
入浴 ★★★★☆ 温泉「まごし温泉」。クルマで20分。大人380円
食料調達 ★★★☆☆ 「Aコープ ひしかり店」クルマで20分
周辺観光 ★★★☆☆ 曽木の滝など
その他 夏はブユに注意

おわりに

そんなわけで、火山灰、雷雨によるテント浸水、ブユ刺されと災難続きのキャンプだったが、それでもなぜか楽しいキャンプだった。
以前も2泊3日のキャンプで3日共雨というのがあった。しかしなぜか楽しかった。キャンプとはそういうものなんだね。

「楠本川渓流自然公園キャンプ場」は比較的マイナーなキャンプ場だと思うが、オンシーズンの休日は混みあうようだ。
区画が無いため、自由にサイト設営ができるし、料金もリーズナブル。気候の良いころに行くのが良いかもしれない。