岐阜県揖斐郡揖斐川町「藤橋キャンピングベース」

酷暑もどうにか収まり、秋の気配となってきた今日この頃、キャンプシーズンの到来だ。

今回は岐阜県の山深くにある「藤橋キャンピングベース」へ行ってきた。
こじんまりとした場内は、落ち着いた雰囲気でなかなか良いキャンプ場だった。

「藤橋キャンピングベース」

概要

岐阜県もキャンプ場が多く、そして特色のあるキャンプ場が多い。

その中のひとつが今回訪れた「藤橋キャンピングベース」だ。
「藤橋キャンピングベース」は岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧藤橋村)にあるオートキャンプ場。

場所はこちら。

地図のようにこのキャンプ場は揖斐川沿いを辿った山深いところにある。

ここ旧藤橋村は、徳山ダム建設に伴い水没する旧徳山村民が移住し、編入合併された集落。

歴史を辿るといろいろあったようだが、昔は多くの人々が暮らしていたようだ。
しかし今、その住人もほぼ居ない。

そんな超過疎化集落の地域活性化のためにも、このキャンプ場を開設したとのこと。

さて、サイトは7区画あり、オートサイトがA~Eの5区画、ソロ向けが1区画、道路に面した独立サイトが1区画ある。

今回、いちばん奥のサイト「C」を利用させてもらった。
どのオートサイトも比較的広いので、タープやテントも余裕で張れそうだ。

すぐ上を国道417号線の高架橋が掛かっていて大型車も通るが、交通量は少なく騒音は気にならなかった。

このキャンプ場で特長的なのが、地面に瓦チップが敷き詰められていることだろう。

これにより、テント底が汚れにくいし、荷物を直に置いても泥汚れが着くことがない。
また雨が降ってもぬかるむこと無く、とても快適である。

逆に、石ころが敷いてあるようなものだから、ゴツゴツ感が強い。
テントの中敷きは厚手のものを敷いた方がよいだろう。薄いものでは寝心地が悪いと思う。

受付

今回、わし達はちょっとイレギュラーな入場の仕方をした。

通常なら、管理棟で受付し、料金を支払ってテント設営をするのだが、今回はネットでの予約が遅すぎて、もう受付が締め切られていた。

そこで電話で予約を取ったのだが、当日は管理人さんが夕方まで不在とのこと。
先に入って、サイト設営をしてくださいとのことだった。

こういった融通が利くキャンプ場はありがたい。
キャンプ場側には迷惑な話しかもしれないが、直前になって決める者には助かる。

何しろ、台風が続々と発生する昨今の状況は天候が読みにくい。
だから天気予報を見つつ、ギリギリまで予約をしないことになるのである。
しかし今回は晴れが続くだろうと予測していたものの、2日目は雨になってしまったが。

というわけで、無人の管理棟の受付へ行くと、頼んでおいた薪ミックスと共に手紙が置いてあった。”不在でご迷惑をおかけします。”と。
こんな気遣いは管理人さんの人柄なのだろう。

ちなみに管理人である”ちびすけ”さんはYouTuberでもあり、チャンネルは以下。

ちびすけ【キャンプ場管理人の日々】藤橋キャンピングベース

先にテントを設営し、のんびりする。
空を見上げると、秋っぽい雲がゆっくりと流れてゆく。

夕方になって管理人さんがやってきた。

挨拶をして、料金を支払う。
PayPayで支払ったが、こんな山奥でも電子決済が使えるのだ。昭和世代から見ると、便利な世の中になったもんだと思う。

ちなみにスマホでauも楽天モバイルもちゃんと使えた。(docomo、ソフトバンクは不明)

テント設営

テントは、いつもグランドシートを敷いて設営する。

先に書いた通り、瓦チップが撒かれているため、裸足でグランドシートの上を歩くと、まるで足つぼマッサージをしているような感触。

しかし、瓦チップの汚れは多少着くものの、泥や草がくっつくよりはよっぽど良い。

ペグについては金属製の太めで丈夫なものをもってゆく方が良い。
瓦チップの層に根元まで叩き込むにはなかなか力が要る。

(とりあえずテントを設営)

設備

こじんまりしたキャンプ場なので、トイレも洗い場も一か所。

トイレは管理棟の中にあり、受付を入った左手にある。

洋式トイレは自動で蓋が開いたり閉まったりする高級型。

洗い場には蛇口が2つ。左右に置台があるため洗い物がしやすい。

ゴミは燃えるゴミ、ペットボトル、缶に分けて捨てる。

消し炭は専用の缶の中に捨てる。

受付の横には飲み物、カップラーメン、調味料、燃料缶、ガスカートリッジも置いてある。
蚊取り線香やハブラシもあるようだ。

薪はひとカゴ700円で販売されている。
太い薪は湿気が高いと燃えにくいので、ナタで細かくしてやると良く燃えるようになる。


サイト「E」の手前には谷水を引いた枡があり、そこで飲み物が冷やせるようになっている。
つい足を入れたくなってしまいそうだが、それはダメ。

この流水の先に池がある。夏は涼し気だね。

入浴

このキャンプ場には風呂、シャワーが無いため、入浴したければ、クルマで15分程南下したところに「いび川温泉 藤崎の湯」がある。


 出典:Google Map

岐阜県揖斐川町 いび川温泉 藤橋の湯

食料

近くにコンビニやスーパーマーケットは無いため、事前に購入しておくことをお勧めする。
まあ、最悪、管理棟にはカップラーメンやインスタント袋麺は少し置いてある。

観光・見どころなど

ここは「星降る里」としても有名で、すばらしい星空を楽しむことができる。
キャンプ場のサブネームも「星のふるオートキャンプ場」になっている。

天空を横切る天の川を久しぶりに見ることができた。
晴れた日は夜空を見上げてその星の多さを見てほしい。

すぐ近くにある「藤橋歴史民俗資料館」は移築・復元されたかやぶき民家5棟が建っていて、昔の山村の生活の資料館だ。

今回は見学しなかったが、実際に使われていた民具が数多く展示され、当時の人々の暮らしぶりが分かるようだ。


 出典:ぷらっと旅ぎふ

また、近くには藤橋城やプラネタリウムもある。

 藤橋歴史民俗資料館 入場料(藤橋城・西美濃プラネタリウムと共通券)
 高校生以上 550円、小中学生 270円(未就学児は無料)

クルマで北へ走れば、徳山ダムがある。

このダムはロックフィルダムという構造のダムで、岩石や土盛りをして建設されたもの。
湖の景色と巨大構造体が好きな人にはお勧めの場所だ。


 出典:Google Map

その他

ちょっと注意してほしいのは、蚊とヤマビル。

あまり標高が高くない(標高220メートルぐらい)ので当然、虫たちの活動範囲。

夏だからといって、半袖、半ズボンでいると蚊たちの格好の餌食となる。

初日は蚊取り線香を焚いていたが、翌日は雨模様の天気。
蚊取り線香も焚かず、じっとしていたのが悪かった。

蚊の吸血跡がいっぱい。
その日はかゆみなどほとんど無かったものの、翌日かゆみもがひどくなった。

そして、雨が降り、蒸し暑い状態。これもよくなかった。
右足の親指の付け根から出血していた。

あれ?どこかで切ったかな・・・?よく見ると黒い物体が足指の間に!

ヤマビルだ。

吸血されていても痛くも痒くもないから気づきにくい。

小さかったので指でつまみ取ったが、できれば塩か無水エタノールをかけて剥がすのが良いらしい。

(3か所ヤマビルに吸われていた)

油断大敵である。

まあ人体への影響は少ないらしいが、稀に傷口から細菌類による感染を起こし、じんましんや発熱などの症状をきたす場合があるらしい。
傷口から血を押し出すようにして、「ヒルジン」という成分(血を固まりにくくする)を出すと治癒が早い。

(管理棟にあるヤマビル注意の張り紙)

評価

今回のキャンプ場の評価。

※ 評価の★マークはめたばが独断と偏見で判定したもの
項目 評価 コメント
料金 ★★★★☆ 平日は1区画3,300円で安い(休日前は4,400円、土日祝は5,500円)
設備 ★★★☆☆ ・洗い場:管理棟横に一か所
・トイレ:洋式。トイレットペーパー有り。照明は自動点灯
・夜間照明:ほぼ無しで真っ暗(この方が良いのだけれど)
野趣 ★★★☆☆ 平面区画サイトで野趣は少ないが周りは木立で囲まれている
サイトは明るく開放感あり
静けさ ★★★★☆ ほぼ静か。近くの国道417号は通行車少ない
眺望 ★★★★☆ 山に囲まれており山並は良い
晴天の夜は天の川が見える
サイト設営 ★★★★★ 地面は瓦チップで設営しやすい。
テント中敷きは厚手のものを推奨
クルマの横付け可能
入浴 ★★☆☆☆ 場内に風呂、シャワー無し
クルマで15分「いび川温泉 藤崎の湯」あり(木曜日定休)
食料調達 ☆☆☆☆☆ 食材は街まで下りる必要(クルマで約30分程度)
周辺観光 ★★★☆☆ 藤橋歴史民俗資料館、徳山ダムなど
その他 夏場は蚊、ヤマビルなどに注意

おわりに

平面区画割りのキャンプ場ではあるが落ち着けるサイトだというのが印象。
山に囲まれ、周りが木々で囲まれているせいかもしれない。

冬季も営業するそうで、冬キャンや雪上キャンプを楽しみたいという人にも良いのでは。
聞くと積雪は20cm~1mぐらいだという。

道中の道は曲がりくねってはいるものの比較的広いので走りやすいと思う。

また行きたいキャンプ場のひとつになった。

藤橋キャンピングベース公式サイト

藤橋キャンピングベース【岐阜県揖斐郡揖斐川町】ライブカメラ

藤橋キャンピングベース【岐阜県揖斐郡揖斐川町】ライブカメラ ◆

帰りに道の駅「夜叉ヶ池の里 さかうち」のレストランで食べたデミグラスソースジビエバーグ。
初めて鹿肉を食べたが、ボリュームもあってなかなかの美味。