
エクセルを閉じることができなくなったり、保存したつもりのデータが保存されてなかったり、ワードが勝手に立ち上がったり・・・
奇妙で不可解な現象が起こり始めたノートパソコン。原因は意外なことだった。
エクセルが閉じない、データが保存できない
先日、知人よりの電話がかかってきた。
聞くと、「ノートパソコンでエクセルを閉じることができないし、エクセルのデータをドキュメントフォルダに保存できない。」とのこと。
このノートパソコン、2011年NEC製のかなりの年代物。
OSはWindows10の32bit版。CPUはCore i3、メモリ4GB、HDDも250GBという、今ではちょっと低スペックな仕様。

とりあえず、電話であれこれ状況を聞き出してみる。
しかし、良く分からない。とりあえず試してほしいことを伝える。
エクセルが閉じれないのはハングかもしれないので、Ctrl+Dでデスクトップが表示されるかどうか試してもらうと、デスクトップは表示されるようだ。
そして、よく分からないが、あれこれやっているうちにエクセルを閉じることができたようだ。
次にエクセルのデータをドキュメントフォルダに保存できない件。
まず別フォルダを作って、そこへエクセルデータの保存、読み取りはできるかどうかを試してもらう。
これはドキュメントフォルダに異常が起きている可能性を判断するためだ。
あまりパソコンに詳しくない人なので、こちらからの指示もなかなか苦労する。
「別にフォルダを作って・・・」、と言っても「どうやって作るの?」というところから始まる。
ああしてこうしてと指示するが、言葉でのやりとりでは限界がある。人類もテレパシーが使えるようになればなぁ。
リモートデスクトップという手もあるが、またそこまで行きつくにも大変そう。
相手は還暦をとうに過ぎた年齢だけにそれは仕方がないことだろう。
しばらくして別フォルダへの保存、読み取りはできるとのことだ。ということはドキュメントフォルダに何か異常が起きている?
OneDriveは使用していないことは知っていたので、その関係ではなさそうだ。
というのは、以前このパソコンの具合が悪くなり、宅配便で送ってもらい修復したことがあるからだ。
何だろう?ウイルスにでも感染した?それともWindowsが変になった?
あれこれ想像をめぐらすが、これといった対応策は浮かばない。
まあ、確かにエクセルは2007版なので古いことは古いが、それでもそんな症状は起こさないはず。

話しを聞いてゆくうちに「ワードが勝手に立ち上がったりすることもある。」とのこと。
やっぱり、ウイルス?
何しろ、まだWindows10を使い続けているから、ウイルス感染の可能性は無いとは言えない。ウイルス対策ソフトウエアも入っていないはずだ。
しかし、直感としてウイルス感染ではない気がする。
エクセルは仕事で使っているようなので困るだろう。
やはり、現物を見てみないと分からないということで、再び宅配便で送ってもらうことにした。
予想もしなかった原因
数日後、パソコンが届いた。
早速起動してみる。起動は問題無いようだ、正常にデスクトップが表示された。
但し、ここでちょっと気になったのは外付けマウスの左ボタンのクリック感。なんか変な感じがする。
クリック感が無くヌルっとした感触がするのだ。
まあ、とりあえずそれは置いておいて、エクセルを起動してみる。
特に問題なく立ち上がるし、閉じるのもちゃんとできる。
ドキュメントフォルダへの保存、読み込みも問題ないようだ。
う~ん、何なんだ?ちゃんと動くじゃないか。
しかし、いろいろ操作しているうちに、変な現象に気づいた。
マウスカーソルを動かしていると、デスクトップ上に四角い枠が表示されることがあるのだ。
これはマウスの左ボタンを押しながらドラッグすることと同じ。デスクトップ上のアイコンを複数選択する時などに使う機能だ。
ところが左ボタンを押していないにもかかわらず四角枠が表示されることが何度かあった。
つまりこれは、勝手に左ボタンがオンになったままということではないか?
ボタンのクリック感も合点がゆく。

奇妙な現象の原因は恐らくこれのようだ。
ボタンが押されたままになっていたり、勝手にクリックされたり、また押してもボタンが反応しなかったりすればおかしな現象になってしまうだろう。
原因を突き止める
ではなぜマウスの左ボタンが押されっぱなしになることがあるのか?
恐らく、マウス内のスイッチが異常になっていることは容易に想像がつく。
そこでマウスを分解して真の原因を探ってみることにした。
このマウスは少々古いため、ビス一本を外せば、簡単に分解することができる。
内部には細かい埃がいっぱい溜まり、かなり使い込まれている。矢印が左ボタンのスイッチ。

左ボタンは先端の押される部分(赤色の部分)がいびつに凹んでしまっている。

スイッチを取り外してみることにした。
矢印のハンダ付け3か所を取ればスイッチは外すことができる。

スイッチを分解すると、中には金属のバネが入っており、これが折れてちぎれかけていた。
これではバネの役目を果たせず、クリック感もおかしくなるはずだ。
接点も勝手につながったり、外れたりするのだろう。

修理
さて、どう修理するか。バネを修理することは難しそうだ。
まあ、マウスを買い替えるのがいちばんなんだろうけど。しかし、当ブログでは修理にこだわる。
このマウスには同じスイッチが3つ使われている。
2つは左右のボタン用、そしてもうひとつは、ホイール用のスイッチだ。
ホイールのスイッチはオートスクロールする時などに使用するが、ほとんど使わないだろう。
そこで、このホイールスイッチと入れ替えることにした

ホイールスイッチが誤動作するのはよろしくないので、中の金属バネは取り外したままにしておく。
組み立てて動作を確認すると、問題なく機能する。クリック感もちゃんとしている。
まさかマウスが異常の原因だったとは・・・パソコンをいじりだしてウン十年、こんなことは初めての経験だった。
しかし、これは意外と気づかないかもしれない。
今回の件はパソコン本体やWindows OSばかりに目が行ってしまいがちだが、周辺機器でも思いもよらぬ異常を起こすという良い事例だろう。
おわりに
普段、何気なく使っているパソコンやスマートフォンだが、何か問題が起きはじめるとどうしてよいのか分からなくなる。
情報弱者、略して「情弱」というあまり聞こえの良くない言い方も最近は使われるようになってきた。
しかし、最初は「初心者」であり、「情報弱者」でもある。
絶えず情報収集し勉強することで物事の理屈を知り、論理的に考え、時には直感力も動員する。
次第に「情報弱者」から「情報強者」の域に達するわけだ。