デスクトップパソコン BTOと自作 どっちが安い?

デスクトップパソコンを新調することにしたが、パーツを集めて組む「自作」と、BTOショップで買うのではどちらが安くできるだろうか?

一般的には自作の方が安くできると言われているようだが、実際はどうか?

検証してみたところ、「自作」に軍配が上がったが、それなりの手間と工夫は必要だった。

パソコンが古くなってきた

我が家のパソコン(ノート)は8年程使っていて、そろそろ買い替え時かなという感じになってきた。
ネット徘徊や、ネット動画見てる分には特に不満は無い。

しかし、先日、動画編集で、映像処理を行ったのだが、1時間の動画を処理(レンダリング)するのに3時間かかってしまった。
10本の動画について、その処理を行わないといけないので、考えただけでちょっと憂鬱な気分になってくる。

まあ、急ぐ仕事ではないので、空き時間にやればよいだけのことだが、最新型にはかなわない性能であることは確か。

ちなみに、Intel Core i7-4700MQ と GeForce GTX765Mを搭載したノートパソコンだ。

そこで、少し前から検討していたこともあり、今回、「デスクトップパソコン」を新調することにしたのである。

必要とするスペックを考える

では、どの程度の性能のパソコンにすればよいのか?悩むところである。

なにしろ、最後にデスクトップパソコンを組んだのは10年近く前。知識は浦島太郎になっている。

そこで、最近のトレンドをあれこれ調べてみる。

高性能を求めればきりが無いが、長く使うことを考えると、ある程度の性能は確保しておきたい。

性能とお財布を天秤にかけ、いろいろ検討した結果、以下のスペックでよいのではなかろうかとなった。

項番 部位 名称・仕様
1 CPU AMD Ryzen 5 5600X (冷却ファン付属)
2 マザーボード B550チップセット ATX か MicroATX
3 グラフィック Geforce RTX3060クラス
4 メモリ DDR4-3200 16GB
5 ストレージ SSD 512MB程度
6 電源 700~850Wクラス
7 ケース ミドルタワー
8 OS Windows10 Home 64bit
9 光学ドライブ 無し(必要時はUSB DVDドライブを使用)

スペック的には今後10年ぐらいは使えそうなもの。

しかし、10年先はどんなパソコンの世界になってるんだろう?

あの余計なお世話機能いっぱいのビルゲイツ君のOSもかなり変っているかもしれないね。
(OSっちゅうのは出しゃばらず、裏で確実に動いていてくれればいいだけなんだけど・・・)

なぜAMD Ryzen 5 5600Xにしたかは、反intel派だから、というわけではなく、処理性能や消費電力のバランスがとれていると世間での評価から。でも以前からAMDは好きではある。

しぶい輝きのAMD Ryzen 5 5600X

グラボについては、自分はゲームはやらないので、高性能なものはいらないが、まあ今のトレンドとして、中ぐらい性能のものをチョイスしておけば将来的に不満は出ないのではと考えた。

BTOか自作か

当初は、BTOショップのパソコンを購入するつもりでいた。
上記のスペックをもとに、あちこちのBTOショップで見積もりをしてみる。

だいたい17万円~20万円ぐらいの範囲で、ほぼ上記条件のものが組めそうだ。

ご存知のとおり、BTOは「Build To Order」の頭文字で、注文組み立て品のことである。
注文した部品で組み上がった状態で届く。

メーカー製造のパソコンと比べ、細かなカスタマイズが可能だが、BTOショップが設定したパーツの範囲に限られるからまったく自由というわけでもない。

不要なものも標準で設定されていることもあり、「これいらないよ。」と思っても「無し」にすることができないことがある。

カスタマイズが可能と言いつつも、自分が欲しいとするものが「帯に短し襷に長し」なのである。なかなか希望通りの構成に行きつけない。

一応、ドンピシャだったのが、FRONTIER FRGHB550 Ryzen 5 5600X/16GB/512GB NVMe SSD/RTX3060 で\186,400 (税込)だった。

予算は20万円なので、範囲内ではあるが、しかしクソ高い。できれば15万円程度にしたいところだ。

そこで方針転換。自作を前提としていくらぐらいになるかを調べることにした。

アマゾン、Yahooショッピング、楽天などECサイトの情報を駆使して、最低価格帯のパーツを探し出す。
これはなかなか手間のかかる作業だ。

なにしろ、価格変動が大きい。特にグラボは次の日には数千円の値上がり、値下がりに見舞われることもある。

中国ではマイニングが禁止にされたためグラボが安くなるようなウワサを聞いたが、それに従わない人民がまだまだ多いのかもしれない。

CPUも需要が大きいためか結構変動する。

どのパーツも、ほぼ底値の見極めが必要になる。

そして重要なのは、各ECサイトのポイント還元だ。
売値は高くても、ポイントで数千円が還元されれば、実質はかなり安く手に入ることになる。

ポイントもショップによってまちまちで、なるべく高付与のところをメモしておく。

更に、ECサイトの発行するクレジットカードで支払えば、さらにポイント還元率が高くなる。
ECサイトのクレジットカードは年会費が無料なので、これは作っておくべきだと思う。
但し、クレジットカードの枚数が増えるのは嫌だけどね。

ECサイト各社のクレジットカード

これである程度のパーツ単位の価格が把握できた。

選び出したパーツは、ECサイトのお気に入り機能に登録しておくか、メモに残しておこう。

以下は2021年9月20日での価格を表にしたもの。(10月1日現在、いくつかのパーツは売り切れである。)

項番 部位 名称 価格 ポイント ECサイト
1 CPU AMD Ryzen 5 5600X (冷却ファン付属)※ 51,766 3,103 Yahoo
2 マザーボード ASUS TUF GAMING B550-PLUS (ATX)※
3 グラフィック GAINWARD GeForce RTX3060 GHOST 60,586 3,631 Yahoo
4 メモリ CORSAIR DDR4-3200MHz VENGEANCE LPX 16GB(8GB×2) 9,580 96 Amazon
5 ストレージ WT200-SSD-512GB SATA3 6Gbps 6,390 189 楽天
6 電源 玄人志向 KRPW-GA850W/90+ 12,101 726 Yahoo
7 ケース Thermaltake Versa H26 Black CA-1J5-00M1WN-01 3,951 40 Amazon
8 OS Windows10 Home 64bit DSP版 8,500 0 Amazon
合計 152,874 7,785

 ※項番1と2は、CPUとマザーボードのセット売り価格でお得になっていた。
 「Yahoo」は「Yahooショッピング」のこと。

総額 152,874円、ポイント合計 7,785 を引けば実質 145,089円で「自作」することができる。

決めたら、善は急げである。お得なパーツは、あっという間に売れてしまうことがある。
こういう時、優柔不断な性格は困る。

何かに取り憑かれたかのように、次々にカートにぶち込み、注文ボタンをクリックしてゆく。

ひと通り終われば、微かな疲労感と達成感を感じることだろう。何しろ一気に高額の買い物をしたのだから。

もし、注文した後に、もっと安いパーツが見つかったり、値下げされていたとしても、それは見なかったことにしよう。でないと夜眠れなくなる。

あとは、パーツが届くまで、ひたすら待つのみ。

今回メモリを注文したショップがあまりにも対応が遅かったので、注文をキャンセルし、他のショップで購入しなおした。
翌日の夕方には届き、しかも最初のショップより安かったというオチがついた。

今回はグラフィックボードがいちばんの高額パーツ。これがもう少し安ければかなり製作費が抑えられるのだが。

価格に貢献したのはケースだ。何と約4000円にもかかわらず、品質が良くとても使いやすいケースだった。

OSをDSP版にしたことも良かった。正規のパッケージ品では17,000円程する。

本来DSP版はパーツとの組み合わせ販売でないと契約違反なのだが、来たのはDVDディスクのみ。
Yahooショッピングでは数百円でプロダクトキーだけ売っているし・・・まあ、世の中そんなもんか。

数日後届いたパーツたち。





BTOと自作のメリット、デメリット

では、BTOと自作のメリット・デメリットを簡単にまとめてみよう。

要素 BTO 自作
カスタマイズ性 ショップの指定する範囲でのパーツ選択 何を選ぶのも自由だぁ~
ケース外観・デザイン ショップオリジナルの素敵なデザインのものがある ダッセーのからカッケーまで自分の好みで選べる。ただしカッケーのは概して高額
手間・時間 無し。注文するのみ。届けばすぐ使える パーツ手配、工具の準備、組み立て作業、OSインストールなど手間、時間がかかる
スキルの向上 ほぼ無し 組み立て、OSインストール、設定変更の知識が身に付く
リスク 無し パーツ落としたり、ピン曲げたり、燃やしたり・・・オーマイガット!!
トラブル対応 ショップで相談可能 すべてご自分でご対応
保障 パソコン一体での保障。延長保証がつけられる場合もあり 部品単体での保障のみ
コスト ピンキリ。一概には言えないが自作より高くなる傾向 その気になればかなり安くできる
脳の満足度 新しく購入、所有した喜び 新しさと、作り上げた達成感。赤飯を炊こう
その他 時々値引きセールをやっていてお得な場合もあり 手持ちパーツが流用できる。怪しいパーツも試せるゾ

完成したデスクトップ機。

おわりに

自作派の人が、誰かにパソコンを自作すると言うと、「へえ、よく自作なんかできるねぇ」と驚かれた経験を持つ人も多いと思う。
自作と言ってもただパーツやコネクタを誤りのないように接続してゆくだけなので、そう大事ではない。

それよりもトラブった時に、何が原因か、どのパーツの異常なのかを切り分けて行く方が大変である。
大概は接触不良だったり、コネクタの挿し間違えであったり、勘違いであったり・・・

それでも自作が好きなのは、ちゃんと動いたときの感動が忘れられないからだ。

Windows11も出ることだし、この秋、自作に挑戦してみてはどうだろうか。