ずいぶん前から使っているコーヒーサイフォン。最近、調子が悪くなってきた。
新しくしようかという話しになったが、いや待て、ひょっとすると直せるかもしれない。
今回はコーヒーサイフォン(HARIO MCA-3)が安く修理できた話しだ。
40年前のコーヒーサイフォン
我が家のコーヒーサイフォンは40年ほど前に買ったもの。
さすがにスタンドのメッキの浮きや、所々サビが見られる。しかし、ガラス容器部分は問題無く、最近までは十分に使えていた。
しかし、調子が悪くなってきた。というか、気づかないうちに徐々に具合が悪くなってきたというのが正しいかも。
どう悪いかというと、抽出したコーヒーがフラスコ(下側のガラスカップ)に落ちてくれないのだ。
コーヒーサイフォンは、ロート(上側のガラスカップ)とフラスコ(下側のガラスカップ)が重なった形で構成されている。
正常なら、双方の圧力の作用で、抽出されたコーヒーが少しの時間で下のフラスコに落ちてくれるのだが、これがなかなか落ちてくれない。
嫁さんは、待てど暮らせど、抽出できたコーヒーがなかなか下に落ちないのを見て、もう寿命と思ったようだ。
しかし、構造はいたって簡単なので、どこかの部品に不具合があることは容易に想像できる。
コーヒーサイフォンの仕組み
コーヒーサイフォンは、ロートとフラスコで構成されていると書いたが、途中にフィルターがセットされており、抽出後のコーヒーの粉がフラスコに入らないようになっている。
そして、ロートとフラスコの間にはシリコン製と思われるサイフォンゴムがセットされている。これは、ロートとフラスコが確実に密着して圧力を逃さないようにするためだ。
説明するまでもないかもしれないが、コーヒーサイフォンの動き、つまりコーヒーの淹れ方は以下のようになる。

① ロート(上側のガラスカップ)にコーヒー粉を入れ、フラスコ(下側のガラスカップ)にお湯または水を入れてランプで加熱する。
② フラスコの水が温まり始めると、フラスコ内部の圧力も次第に上がり、お湯はロート側へ上昇しはじめる。
③ やがてフラスコ内のお湯はほぼロート側へ移動し、コーヒー粉と混じりあう。
フラスコ内に少量のお湯が残るのは、ガラスの過熱を防ぐためだ。
④ロート内をスプーンで撹拌することで更にコーヒーを抽出させる。
この混ぜ方とかで、味も変わってくるらしい。

⑤ しばらくしてランプの火を落としてやるとフラスコは冷え始める。
⑥ するとフラスコ内は圧力の逆転(正圧 → 負圧へ変化)がおこり、ロート内で抽出されたコーヒー液がフラスコへ引き戻される。
⑦ 抽出後のコーヒー粉は、途中のフィルターで濾しとられる。
⑧ すべてのコーヒー液がフラスコに入れば、コーヒーの完成だ。
この方式は、イギリスで1840年に作られたと言われている。ずいぶん前だが、このアイデアを考えた人はすばらしいと思う。
不具合の原因は?
さて、原因としてまず考えるのはフィルターの目詰まり。
しかし、これはフラスコのお湯がロートに上がることができているのだから関係ないだろう。
次に考えるのは、圧力の異常が起きている可能性。
試しに、コーヒーが落ちない状態のときに、そっとロート側を浮かしてみる。つまり、フラスコ側に外気を入れてやるのである。
すると、コーヒーがロートからフラスコへ落ちてゆく。
これはフラスコ側の負圧が足りないということになる。つまり、負圧が逃げてしまっていることを意味する。
よく見ると、ロートとフラスコの接続部分にあるシリコンゴムがかなり劣化しているわかる。ひび割れて、柔らかさが完全になくなっている。
原因は恐らくこれだろう。
ロートとフラスコの密着が甘くなり、負圧が逃げてしまうため、ロート内のコーヒーを吸い戻す力が足りなくなってしまうのだ。
長い時間の中で経年劣化してしまったようだ。これは日々使っていても意外と気づかない。
部品はあるか?
問題は、スペアパーツがあるかどうかだ。
もう40年以上前の製品だ、とても交換品が見つかるとは思えなかった。
この際だから新しいものに買い替えてもよかった。
しかし、コーヒーサイフォンのセットは安いものもあるが、一万円近くの出費にはなる。
あきらめずに探してみる。スペアパーツの番号とかは分からないが、コーヒーサイフォンの型番はわかる。
「HARIO MCA-3」という型番だ。
これを頼りに探してみる。
すると、なんと今でもメーカーで交換パーツが販売されていたのだ。これにはちょっと驚きだった。
名称は「ハリオ HARIO DS型サイフォンゴム PA-DS」。
下はハリオのMCA-3のスペアパーツのページ。パーツ自体は990円と安いのだが、送料はかかる。
名称が判ったので、次にAmazonで探してみる。しかし残念ながらAmazonでは品切れだ。
同様に他のECサイトでも探してみる。在庫があるが、やはり送料がかかる。
どうもAmazonプライムで、送料無料の世界に慣れてしまうと、送料に抵抗感を持ち拒絶反応をするようになってしまうらしい。
※注意:下記はロートのスペアパーツ
その中でヨドバシドットコムは在庫があり、しかも送料無料だ。
価格は定価の990円だが、ポイント10%が付く。
商品のリンクを載せておく。
ヨドバシ.com 「ハリオ HARIO DS型サイフォンゴム PA-DS」
じつはヨドバシカメラの会員(ゴールドカード)は20年ほど前に登録してあったが、ほとんど使用していなかった。
JR京都駅の前にヨドバシカメラがあるのだが、買い物をするのは数年に一度だった。
だから、ヨドバシドットコムでの買い物もこれまでしたことが無かったのだ。
しかし、なぜか今回、いつもは覗かないヨドバシドットコムを、ふと思い付きで覗いてみたところ、探し物があったわけだ。
送料が無料のうえ、ポイントが10%付くし、年会費も不要。なぜこれまでヨドバシドットコムを利用しなかったのか不思議というか、後悔した気持ちになった。
さて、少し話しが逸れたが、早速「ハリオ HARIO DS型サイフォンゴム PA-DS」を注文した。
交換は簡単
スペアパーツが届いたので、交換を始める。
嫁さんは、特殊な構造ゆえ、パーツが簡単には外せないのではないかと思っていたようだ。
しかし、試してみると単純にはめ込んであるだけなので、すんなりと外すことができた。
新、旧を比べると、明らかに色具合が違うし、なにしろ柔軟感が全く違っていた。
新しいものは柔らかく、当然のことながら、ひび割れも無い。
取付も簡単で、抵抗があるものの、グリグリと押し込んでいけば、元の位置にはめることができた。
ついでに、長年の使用でコーヒー成分がこびりついて曇ったガラス面や、スタンドのメッキ部分、ランプも磨いてやった。
早速コーヒーを淹れてみると、いつものようにすんなりと、フラスコへコーヒーが落ちてくれた。
コーヒーのウンチクやこだわりがあるわけではないが、こうやって修理したコーヒーサイフォンでいれたコーヒーはなんとなくおいしく感じる。
これでまた数十年?このコーヒーサイフォンのお世話になることだろう。
終わりに
できるだけ資源の使用を抑えようとしている昨今、古い機器でも、こうやってスペアパーツが手に入れられることはとてもありがたい。
HARIO株式会社は、1948年の創業時、理化学品を製造販売していたそうだが、その後ガラス加工の技術を生かし、コーヒーサイフォンの製作に着手、家庭用分野に進出したそうだ。
いつまでも使える製品、さすが「Made in Japan」の製品だと思う。
残念ながら家電製品は、パーツ(補修用性能部品)の保管期間が製造打切り後5年~10年程度しかなく、在庫が無くなれば修理不可となるのが一般的だ。
これはメーカーの管理、販売の都合上致し方ないことかもしれない。
しかし、モノを大切にする心は日本人の底流でもある。
これからも修理できそうなものは修理してなるべく長く使いたいと思う。










