鹿児島県枕崎市 火之神公園キャンプ場

「火之神公園キャンプ場」は鹿児島県枕崎市にある海沿いのキャンプ場。

ここは、予約不要、無料という人気の場所。今回、久しぶりに海沿いのキャンプを楽しんでみた。

海沿いのキャンプ場には苦い思い出が・・・

以前、海沿いのキャンプ場へ行ったとき、ずっと風が強く、バーベーキューの肉は灰だらけ、テントはあおられ、夜もろくに眠れなかったことがあった。

それ以来、トラウマとなり、海沿いのキャンプ場は敬遠していたのだった。

まあ、その頃は天気予報もろくに見なかったが、おそらく低気圧が来ていたのだろう。
だから海沿いは風が強いというイメージが頭の中にこびりついてしまった。

そして、今回のキャンプ。

風も時折吹くこともあったが、穏やかで心地よいものだった。

しかも、水平線を見渡せる絶景、雲一つない晴天。聞こえるのは潮騒の音だけ。

海沿いのキャンプ場がこれほど気持ち良いものなのか、とトラウマは消え去っていった。

夜は無風となり、思う存分焚き火と酒を味わうことができた。
しかも、この日は2022年11月8日、皆既月食の日。この天体ショーも楽しむこともできた。

火之神公園キャンプ場について

さて、そんな火之神公園キャンプ場について詳細を書いてみよう。

場所は、「火之神公園」内。

予約が不要、しかも無料だ。

無料と聞くと、設備もそれなりではないかと思ってしまうのだが、管理の行き届かないキャンプ場よりよほどきれいで、設備が整っていると思う。

もちろん、AC電源は無いけれど、炊事棟、トイレはもちろん、有料の温水シャワーもある。

なにしろ予約不要、時間の縛りもないのがうれしい。好きな時に来て、好きな時に帰れる。
これは、気分的にとても楽だ。

でも、夜中に来てペグを打ったり、談笑するのはやめておこう。

 【情報ページ】 まく旅 火之神公園

(下は火之神公園の案内図。公園の一部がキャンプ場になっている。)

広くはなく、多くても7サイト程度設営できるかどうかの広さ。区画割りは無い。

平日はそれほどでもないが、休日は混みあうため、なるべくコンパクトにサイトを設置するべきと思う。

巨大テントはちょっとひんしゅくものかも。

サイト設置可能な場所は広場以外にも木立の中や、少し離れた岩場にもある。


サイトに近い駐車場は25台ほど停められる。
(奥に60台程度停められる広い駐車場があるが、サイトまで遠く、しかも急坂だ。)

サイトへはクルマの乗り入れができないため、ここから荷物を運ぶ必要がある。

荷物は、キャリアを使うか人力作戦となる。
混みあっていなければ、クルマを道路上に停めて、荷物を運んだあと駐車場に戻すのもあり。

この駐車場の横にトイレがある。
清掃が行き届いていて、とても気持ちよく使える。

トイレットペーパーも常備されている。

また有料の温水シャワー(4月~11月利用可能)がある。3分間で100円。
床にすのこを敷いて使う。

たぶん3分では足りないと思うので、百円玉をいくつか持って行った方が良いだろう。

(写真を見て初めて気づいたが、百円の忘れ物が・・・)

また、駐車場の横に飲み物の自販機があるので、ちょっと飲み物が欲しいときはありがたい。

場内の炊事棟(洗い場)。蛇口が6つあるので、混んでいても大丈夫そう。

少し奥にも小さな洗い場がある。

サイトの地面は芝。

ペグも打ちやすく、テントの底面が汚れにくいのでありがたい。
但し、朝が早いと夜露で濡れていることがあるので、ある程度、お日様が登ってからテントを設営するのがよろしいかと。

すぐ横は岩場の海岸。
海がとてもきれい。運がよければウミガメも見えたりする。

一部は柵があるものの、絶壁のところもあるため、小さなお子さんなど誤って海や岩場に落っこちないように注意が必要。

釣り好きの人は、近くの岩場から釣り糸を垂れるのもよいかもしれない。

遠くに開聞岳が見える。空気が澄んでいれば、黒島、硫黄島や竹島などを望むこともできる。
望遠鏡を持ってゆくのがお勧め。

開聞岳がまるで噴火しているように見えるが、ただの雲。開聞岳は休火山だ。

この麓にもお勧めキャンプ場がある。

 【過去の記事】

  鹿児島県 かいもん山麓ふれあい公園キャンプ場

公園内は遊歩道があり、散策できるようになっている。

「未来をつぐむ幸せの鐘」

「平和祈念展望台」

ちょっと歩くと、慰霊碑がある。

ここから西南西へ約200kmの東シナ海の水深340メートの海底に戦艦大和を含む「沖縄海上特別攻撃隊」が沈んでいる。

能天気にキャンプやってる自分が、何か不思議な気分になってくる。

この展望台から、水平線に沈む夕日を見ることができる。

また朝は、キャンプサイトから、開聞岳のあたりに昇る朝日を見ることができる。

近くの施設など

街が近いので、大きな店もあり便利だ。

いちばん近いのが「ダイレックス」。食材もそこそこ揃っている。
ビールや発泡酒、焼酎も種類が多い。

バーベキューをするなら、牛肉もそこそこ手に入る。

次にJR枕崎駅に近い「タイヨー枕崎店」

ここは魚、野菜が比較的豊富。
ここも牛肉もそこそこある。鶏肉も種類が多い。

お風呂。ゆっくりお湯に浸かりたいなら「なぎさ温泉」がお勧め。

お湯はぬるめで、露天から枕崎の街や海を眺めることができる。

大人400円、小学生は150円。
石けん、シャンプー類は浴室に無いため、持参するか、自販機で購入。
ドライヤーは20円でレンタルできる。

近くの見どころ

見どころとしては、ちょっとクルマを走らせ、開聞岳周辺がお勧めだ。

「唐船峡そうめん流し」

「フラワーパークかごしま」

園内の案内図。

池田湖にはおしゃれなスポットもできた。「danken coffee」

カフェラテを飲んだが、なかなかの美味。

もうすっかりメジャーになってしまった「たまて箱温泉」

近くに、「山川製塩工場跡」がある。

熱水が噴き出す様子はなかなかの見ごたえ。
(がけ崩れの影響で、現在、奥まで入れなくなっているのが残念。)

おわりに

無料のキャンプ場は、まだまだあるが、次第にその様相も変わってきつつあるようだ。

無料だったキャンプ場が、有料になり、そして厳しい制限もするようになる。

まだキャンプ場として残っているうちはよい。あまりの酷さに閉場してしまうところさえある。

その原因のひとつに心無いキャンパーたちの振る舞いが関係していることは否めないだろう。

キャンプ場周辺や炊事棟へのゴミや食べ残しの放置や廃棄、トイレの汚損、直火して焚き逃げ・・・等々

(今回のキャンプ場でも、芝の焦げ跡がくっきり残っているところが数か所あった。)

いったい誰が後片付け、清掃すると思っているのか。

自治体や市町村が貴重な財源を使い無料で提供してくれているのだ。それに甘えてはいけない。

心無いキャンパーたちが、優良なキャンプ場を破壊してゆく。

そんな図式が繰り返されているように思う。

キャンプブームと言われる昨今だが、できればブームなどは去ってもらいたいと言うのが本音だ。

このロケーション、設備、環境を無料で提供している枕崎市には感謝だ。

末永く存続、運営されることを願わずにはいられない。