ソーラーバッテリー式防犯カメラ(AR-W606)を設置してみた

何かと不穏なできごとの多い昨今、我が家にも防犯カメラを取り付けてみた。

ソーラーバッテリーで稼働するため電気代は不要、Wi-Fiでついないでおけば外出先でも監視映像を見ることができる。

今回、安価な中華製防犯カメラの取り付けをおこなってみた。

悲しいかな防犯カメラが必要な世の中

近頃、住宅地への強盗、傷害事件が相次ぎ、クルマの盗難も多発する物騒な世の中になっている。

我が家はポツンと一軒家でもなく、程々の市街地にあるため強盗などのターゲットにされる可能性は少ないとは思う。
家には現金を置いていないし、貴金属類などは皆無、高価なものと言えば・・・無い。
そもそも本人が金を持っていそうな顔をしていない。

しかし、このご時世、何が起こるかわからない。

何かの手違いで、強盗や空き巣に入られる可能性もゼロではない。
ひょっとすると、まだかすかに新車の香りがするクルマが盗まれるかもしれない。

そして嫁さんの実家へ農作業でしばらく行っていたりすることもあり、我が家を長期間留守にすることも多い。できれば、出先から我が家の状態を確認できればいいなぁと思っていた。

そんなわけで以前から監視用カメラを取りつけてみようと画策していたのだ。

購入したカメラはCOOAU AR-W606という機種。中華製でAmazonなどでかなり安く手に入る。

本体は意外と大きくて、ずっしり重い。固定は両面テープではちょっと心許ない。やはりネジ止めする必要があるようだ。


実は購入したのはかなり前。設置場所を迷ったり、壁に穴を開けたりする工事が面倒そうで設置を先延ばしにしていた。

しかし最近、ニュースで一般家庭での強盗事件も多発しているのを知り、これはいよいよ取り付けの時が来たと思ったのだ。

カメラの追加と各種設定

まず、設置する前にカメラの各種設定を済ませておくとよい。

必要なものはスマートフォン(Android、iPhone 以下スマホと略)、Wi-Fi環境。

流れを簡単に書くと以下のとおり。

①スマホにアプリ(COOAU cam)をインストール
②アプリで新規アカウントを作成、ログイン
③アプリにカメラを追加
④カメラの電源オン、リセット操作
⑤スマホに表示されたQRコードをカメラに読み取らせる
⑥カメラの映像がアプリ画面で表示されることを確認

詳しくは以下になる。

アプリのインストール

カメラ本体だけでは設定ができないため、スマホにアプリをインストールして設定を行う。
またWi-Fi環境が必要となる。

スマホをカメラに設定する同じWi-Fiに接続。

アプリストアからアプリ「COOAU cam」をインストールする。(Google Play、App Storeどちらにもあり。)

アカウントの作成とログイン

アカウントを新規作成しログインする。

アプリにカメラを追加

「デバイスを追加」をタップする。

「バッテリーカメラ」のアイコンが表示されるので、それをタップ。

カメラの電源オン、リセット操作

画面が変わり、カメラの電源ボタンを長押ししてカメラを起動せよ、と音声ガイダンスが流れる。

もし、SDカードを持っているなら電源を入れる前にスロットへセットしておくと良い。

カメラのカバーを開けた中に、電源とリセットスイッチ、SDカードのスロットがある。

電源ボタンを長押しして、電源を入れる。LEDが赤点滅する。

次へをタップする。

次にカメラをリセットしろとの音声ガイダンスが流れるので、リセットボタンを長押し(5秒)する。

すると、カメラから「パフッ」と音がした後、更に「ポロロン」と音が鳴りLEDが再び赤点滅する。

次へをタップすると、Wi-Fiへの接続画面になる。
ちなみに今回のAR-W606はWi-Fi 2.4GHzのみ対応している。
(Wi-Fi 5GHzを選択すると次の画面で、それでよいのか問い合わせる画面が表示される。もちろん接続できずエラーになる。)

Wi-FiのSSIDとパスワードを入力して、次へをタップする。

QRコードをカメラに読み取らせる

カメラの保護フィルムを剥がし、次画面で表示されるQRコードをカメラに向けよとの画面を表示するので次へタップ。

スマホに表示されたQRコードをカメラのレンズへ向ける。
この時、近すぎるとうまく読み取れないため、15~20cmほど離すと読み取りやすい。

読み取りができると「フォグ」と音が鳴り、LEDが赤色高速点滅し、その後青色点滅となる。

そしてWi-Fi接続が成功すると、アプリは接続成功を表示して、カメラLEDは青色に点灯する。

次に「インストールガイド」の画面が表示されるが、これはWi-Fiの信号強度や接続の状態を診断するためのもの。必要なければスキップすればよい。

動作確認

リアルタイム画像を表示させ、PTZボタンでカメラの向きやズームが正しく動作すれば通信とメカは正常と判断できるだろう。

PTZボタンは押してもすぐ反応しないことがあるので、ちょんちょんとタップする感じで操作するとよい。

ちなみにPTZとはPan(パン=左右)、Tilt(チルト=上下)、Zoom(ズーム)の略。
このカメラはズーム機能は無い。 訂正:ズーム機能もあり(映像をピンチイン、ピンチアウト操作する)

以上、文章で書くと長々となってしまうが、実際の操作は簡単に終わってしまう。

また、接続するWi-Fiを変更したい場合は、設定画面のいちばん下にある「デバイスの削除」をおこなってから、「デバイスの追加」を行ない、その後使用するWi-Fiを選べばよい。

各種設定

画像解像度の設定は、中央右端にあるボタンでSD、5MP、オートが切り替えできる。SDがいちばん画像が荒いが、最も通信量を絞ることができる。(みどり矢印)

その他各種の設定は右上の六角形のアイコンからおこなうことができる。(きいろ矢印)

設定画面にはアラーム管理、画像設定、シェア、他の設定項目が下に並ぶ。
このあたり設定項目があちこちに散らばっている感じで一貫性が無い。

「アラーム管理」は検知感度や動作モード、検出エリアの設定をおこなうことができる。

ちなみにこのカメラでは人の検知しかおこなわないようになっている。クルマや動物の検知を行い録画するには有償オプションを購入する必要があるようだ。
動体の判別はAIで判断しているようだ。まあ、人の検出ができれば十分であるけれども。

また24時間の録画ではなく、受動赤外線センサー(PIR:Passive Infrared Ray)により物体から放出される赤外線の量と動きを検出し、イベントの発生時に決められた秒数を録画する方式のようだ。
(動作モードをカスタムモードにすることで、録画時間を10、20、30秒のいずれかに設定できる。)
尚、自動追尾機能は無い。

「画像設定」では設置場所が50Hz地域か60H地域かアンチフリッカーの設定、カメラの設置状態による画像反転、夜間のカラーモードの設定がおこなえる。

カラーモードは3種類あり、モノクロナイトビジョンはイベントを検知しても照明LEDを点灯させず、赤外線によるモノクロ撮影のみをおこなう。

人が訪れた時、煌々と明るいLEDで照らすのが嫌な人はこのモードにするとよい。

モノクロナイトビジョンの録画画像は以下のようになる。

「シェア」の設定は他のスマホで映像を共有するための設定。
家族でもカメラ映像を共有したいとき便利そうだ。

下の欄にある「録画管理」でSDカードの使用量を見ることができる。
またここでSDカードのフォーマットもおこなうことができる。

「クラウド」の設定はサブスクになっていて、契約すればクラウド上に録画データを保存することができる。
もし、カメラが盗難にあったとしても、SDカードに保存された録画データを失うことがない。

その他の機能として「Amazon Echo」でAmazon Alexaとの連携もできるみたいだ。
これは画面搭載されたEcho Showで監視画面を見る機能。

以下に設定のYouTube動画がある。

COOAU アレクサとの連携についての方法

COOAU アレクサとの連携についての方法

他にも、時刻や音の設定もあるので必要に応じて設定を変更するとよいだろう。

設置

取り付けについてはメーカーの簡単なYouTube映像があるので参考にされるとよい。

COOAU AR-W602/ AR-W606 防犯カメラの取り付ける手順

COOAU AR-W602/ AR-W606 防犯カメラの取り付ける手順

設置場所はあれこれ悩んだ末、玄関ドアの上あたりが良さそうということになった。

壁に穴を開けて固定するため、場所選びは慎重になる。

道路と門扉が確認でき、屋根があるためカメラ本体に直射日光が当たらず、雨にも濡れなくて済むからだ。

必要な工具は、コンクリート用ドリル刃(5mm)、電動ドリル(できればインパクトドリル)、ハンマー、脚立、掃除機、エアーダスターなど。

ハンマーはアンカーの打ち込み用、掃除機、エアーダスターはドリルで掘った穴の清掃用だ。

カメラの付属品に穴あけ位置の型紙、コンクリート用アンカー(プラグ)とビスが入っている。
円が書かれた型紙と皿ネジはソーラーパネル用、ナベネジの方はカメラ本体用だ。

カメラ本体を壁に取りつける固定用スタンド。この穴の位置を先ほどの型紙でマーキングしてやる。

注意点はカメラ本体の下側にソーラパネルからのUSB TYPE-Cケーブルが入ることをよく考えて位置決めすること。

まずは壁に取付け用の穴を開ける。5mmのコンクリート用ドリル刃を使用する。

住宅の外壁というのは、使っている材質にもよるだろうが意外と硬かった。
インパクトではない普通の電動ドリルを使用したため、結構力を入れないと穴が開かなかったが、コツが判ればすんなり穴があけられた。

削りクズと穴の中は掃除機とエアーダスターで清掃する。

アンカー(プラグ)をハンマーで穴に打ち込む。

あとはカメラ固定用スタンドをねじ止めする。

同じ要領で、ソーラーパネル用の固定用スタンドを取りつける。

ソーラーパネルは当然のことながら、太陽光がちゃんと当たる場所に設置する必要がある。

カメラ本体には9600mAのリチウムイオンバッテリーが内蔵されていて、かなり大容量ではあるものの、充電が十分でないと、夜間に停止してしまうかもしれない。

給電ケーブルは3mあるので、割りと遠方に取り付けられる

とりあえず設置した状態で一週間程度稼働させてみる。問題がなければ、配線をモールなどで保護して整線してやる。

このデコボコの外壁は両面テープも役に立たないので、グルーガン(ホットボンド)で固定した。
このグルーガン、最近購入したものだが、デコボコの表面でもしっかりと接着することができた。


下は設置が終わったカメラとソーラーパネル。

留守中の監視をどうする?

先に書いたように、我が家を長期間留守にすることも多い。

その間、出先から防犯カメラの映像を確認したい。
しかし、通常使用しているWi-Fiルーターは出先に持って行ってしまうため、つなぐWi-Fiがない。

そこで考える。安いSIMを購入し、それを普段使っていないWi-Fiルーターで運用すればよいのではないか。

出先で監視カメラの映像を確認するとき、短時間ならデータ量はたいして消費しない。
しかも、解像度をSD画質にしておけば、転送量も10~40kb/s程度だ。

毎日見たとしても1日あたり数十MBの消費で済む。

そこで使用期間が360日間で10GBの格安SIMを手配した。価格は1,900円程。使用するキャリヤは楽天回線だ。他にも20GB、50GB版がある。
「よいお旅を」って、なーんか日本語が変だけど・・・


SIMは標準SIM ~ nanoSIMまで対応している。

いっしょに説明書も入っているので設定で悩むこともないだろう。カスタマーサポートもあるようだ。

早速、SIMを慶洋エンジニアリング社のモバイルWi-Fiルーター AN-S092に入れて試してみる。
ちなみにこのAN-S092は楽天回線であるBAND3をサポートしている。

各種の設定は同じWi-Fiにつないだスマホからブラウザでおこなうことができる。


USB電源出力のACアダプタと共に空いていたエアコン用コンセントへ設置した。
Wi-Fi信号レベルを上げるため、なるべくカメラに近い場所を選んだ。

このAN-S092はバッテリーを内蔵していないため、留守中コンセントに挿しっぱなしでも安心だ。
それに、消費電力が小さいのもありがたい。

速度もそこそこ出ているようで、防犯カメラの映像転送ぐらいなら十分な性能だ。

以上のように防犯カメラを設置し、しばらく経過するが特に問題なく動作しているようだ。
人を検知するたびに、スマホに検知アラームの通知が来る。

留守中、玄関先への置き配荷物もちゃんと確認できるようになった。
最近は置き配品の盗難もあるようだから、何かあった時も証拠が残せるだろう。

中国製であることのリスク

これは、これまで取り沙汰されてきたことだが、中国製品にはセキュリティ上のリスクが存在しているといわれる。
不正アクセスやバグによる脆弱性などだ。

今回の防犯カメラも中国製品だ。ネットに接続しないものならその製造品質を疑うぐらいで済むが、ネットに接続となると情報漏洩も気になる。

カメラ用アプリ「COOAU cam」はGoogle PlayやApp Storeで配布されているから一応信用はしてよいかもしれない。

しかし、どこにどういうデータが流れ、そしてどう利用されるかはわからない。もっと言えばカメラ自体にも何か仕込まれているかもしれない。

COOAU camでアカウントを作るときは、捨てメアド(使い捨てメールアドレス)などを使って、登録すべきだろう。

またカメラで表札や電信柱などの名前や場所が特定できるものが映りこむのも避けたほうがよいと思う。
(しかし、Wi-Fiの電波から現在地を取得できてしまう仕組みがある。)

最近ではTP-Linkの通信機器の危険性が取り沙汰されている。ファームのバグが報告されているが、あえてそのバグを直さないことによってバックドアを仕掛けやすくしているのではと言われている。

まあ、なにしろ中国製の通信機器を使うときはそれなりのリスクがあることを留意しておくべきだろう。

そういえば、メインで使っている高速Wi-FiルーターもZTE製だったっけ。

おわりに

あれこれ深い話もあるが、このソーラー式防犯カメラは使っていて役に立つし、面白いものでもある。

現在、多種多様の防犯カメラ、監視カメラがネット上で販売されている。どれを選ぶかは知恵の出しどころ。
そして、いかにコストを低く運用するかも知恵の出しどころである。

防犯カメラ自体の盗難防止も考えたいところだ。
録画データーを内蔵のSDカードに保存している場合は、カメラと共にそれも失ってしまう。

カメラははなるべく高い位置に設置するとか、カメラ自体にチェーン錠のような盗難防止策を施すのも手だろう。

そしてもうひとつの注意点として、プライバシー保護の必要性だ。お隣さんや近隣の住宅地内が映りこむのは控えるべき。
また、門扉や目立つところに「防犯カメラ設置中」「監視カメラ動作中」などのラベルを貼って、対外的に撮影していることを知らせることも必要だろう。

ややこしいお隣さんだとトラブルが起こることもあり得る。あ~、これも怖い・・・