しばらく前(2020年7月)にガラス系ボディーコートである「ガードコスメSP」を施工してみた。
今回は、その後の状態について書いてみたいと思う。
以前の記事はこちら。
DIYでガラス系コーティング(ガードコスメSP)をやってみる(白色車編)
DIYでガラス系コーティング(ガードコスメSP)をやってみる(濃色車編)
メンテナンスクリーナーを使用していないとダメになる?
結果から言うと、約半年で疎水(撥水)ではなくなった。
親水の状態になり、水をかけるとベタッと貼り付く流れになる。
施工当初のようなコロコロと水を弾く状態ではない。
しばらくは、疎水状態で水を弾いていたが、徐々にそれが無くなっていった感じだ。
こちらは2020年7月にガードコスメSPを施工した濃色車。
水をかけてみる。
親水状態になっている。
こちらは同時期にガードコスメSPを施工した淡色車。
こちらも同様に親水状態。
濃色車はしばらく洗車をしておらず、汚れの影響もあるかと思い、念のため洗剤で洗ってみたが状態は同じだった。
う~ん・・・
じゃあ、「ガードコスメSP」はダメなのか?というと、そうではないと思う。
思い当たることがある。
それは、「メンテナンスクリーナー」を全く使用していなかったこと。
本来は定期的にメンテナンスクリーナーをかけてやる必要があるが、あえてそれを行わず放置していた。
メーカーも言っている通り、良い状態を維持するためには、定期的なメンテナンスクリーナーの使用が必要なのだろう。
この親水状態が、コーティングの保護層が無くなっているためなのか、残ってはいるが状態が変化しただけなのかはわからない。
しかし、メンテナンスクリーナーによって、もっと良い状態の維持ができた可能性は高いと思う。
メンテナンスクリーナーを施工する
では、今更ながらではあるがメンテナンスクリーナーを使用してみるとどうなるか。
メンテナンスクリーナーは、汚れの研磨成分による除去、ケミカル的除去、疎水成分、保護成分の補充という機能を持っている。
「ガードコスメSP」には二種類のメンテナンスクリーナーがある。
(左が「ウオーターメンテナンスクリーナー」、右が「メンテナンスクリーナー」)
それぞれの使い方はメーカーに使用方法の説明がある。
「ウオーターメンテナンスクリーナー」
水洗いやカーシャンプーで落ちない汚れが付着したり、ツルツル感や水弾きが低下した場合に使用。
「メンテナンスクリーナー」
ピッチやタール等頑固な汚れやシミが付着した場合、その部分に使用。
「メンテナンスクリーナー」は、より汚れがひどいときに使うようで、研磨成分が入っているようだ。
今回は、このメンテナンスクリーナーをボンネットだけに使用してみた。
薬剤はトロっとした乳白色の液体になっている。
薄く塗りつける。
あとは、クロスで拭き取れば完了。
しばらく置いてから、水をかけてみると、水を弾くようになった。
但し、これがいつまで持続するかは、しばらく様子を見てみたい。
メンテナンスの大切さ
この「ガードコスメSP」は、「ガラス系コーティング」と呼ばれるが、コーティング被膜が硬化するタイプのものではない。
乳化型ポリマーと呼ばれるもので、シラン(ケイ素化合物)と乳化型フッ素ポリマーの混合+α(企業秘密)と思われる。
(「ガードコスメSP」は、使用時、A液とB液を混合するが、時間経過しても固まることはない。)
シラン化合物で防護被膜をつくり、フッ素で疎水するというわけだ。
これに対し、俗に言う「ガラスコーティング」は硬化型シリコーンポリマーになる。(全てではない。)
空気中の水分と反応(もしくは薬剤混合)し、硬い被膜を生成する。
このため、硬化までに数時間という長い時間を必要とする。
昔、破裏拳ポリマーというアニメがあったけど、あれはどっちなんだろうね?
ナイト2000のボディーは分子結合殻だそうだ。
下はガラスコーティングとして人気のある「ピカピカレインプレミアム」。
いずれにせよ、コーティングをしたからといって、いつまでも同じ状態が保たれるわけではない。
雨風、熱、紫外線に晒され、汚れが蓄積してゆく。
マメな洗車とクリーナの使用によって、劣化してゆく状態を遅らせることができるわけである。
新車でボディーコーティングをしたものの、効果が半減、ディーラーに噛みつくというのも、そんなメンテナンスを怠っているのが背景にあるような気がする。
(そんな、YouTube動画もありましたね。)
おわりに
調べれば調べるほど、ボディーコートの世界は深いと知る。ほぼ化学の世界。
しかも、そこへ下処理での磨きテクニック、ノウハウが入ってくるわけだから、更に奥は深い。
乳化型ポリマーも硬化型ポリマーもそれぞれ一長一短がある。
現在は、硬化型ポリマーである「ガラスコーティング」がトレンドとなっており、光沢、疎水効果、硬度は高いが、コスト高やイオンデポジット(ウオータースポット)ができやすいという点もある。
日進月歩で、改良されていると思うが、情報収集し、自分のクルマやライフスタイルに合ったものを見極める目も必要になっているんじゃないだろうか。