
今回は「フロントグリルに蒼を挿す」ということで、ヴェゼル(RV系マイナーチェンジ前)のフロントグリルにブルーLEDを仕込んでみた。
これは左右のデイランニングランプ(ポジションランプ)の間を結ぶイルミネーションだ。
ただのお飾りではあるけれど、ぼんやり青く光る灯りは、なかなか渋いと思うのだが。
試作一号は失敗
実は納車直後(今から2年前)、すでにフロントグリルを光らせるための青色LEDとアクリル棒を仕込んだものを製作していた。
しかし、しばらく経って電源とスイッチを配線しようとした際、ちょっとしたミスでLEDをオシャカにしてしまった。
【アクリル棒で作成したフロントグリルイルミネーションの試作品】

これを修理するためには、再びフロントバンパー全体を外さなければならないのでちょっと大変。
とりあえずアクリル棒を外して放置の状態となっていた。
いつか気が向いたら、復活させようと思っていたのだが、時はいつのまにか流れていった・・・
そして、今年(2025年)、アマゾンでLEDテープライトを見ていたところ、あるものが目に留まった。
「ん?これは面白そう。これはフロントグリルのイルミに使えそう」と、ピンと来た。
それが下のLEDテープ。ただのテープLEDではなく、電源オン直後だけ、光が左右に流れるというギミックが仕込まれたものだった。
長さや発光色もいろいろあって、価格も安い。80cmのブルー発色のものを早速注文してみた。

届いたLEDテープ
LEDテープは箱に入った状態で届いた。いつもの通り説明書も何もなくあっさりしたものである。

このLEDテープ、テープといっても厚みが8mmもあるが、柔軟性が高く、かなりの曲げにも対応できるようだ。
ただ、あまり急な曲げは内部の配線を切ってしまいそうなのでほどほどにしておいたほうが良さそうだ。
発光が片側のみの側面発光。両側に粘着テープが貼られていて、いろいろな場所に貼り付けるできるようになっている。
端のキャップを外すと構造を見ることができる。
コの字型のシリコン素材の中にLEDとギミック用チップが入れられ、シリコン樹脂で封印されているようだ。

発光は側面発光なので横向きに取りつける必要がある。
樹脂はしっかり充填されているようなので、端から水が入り込む様子はなさそうだ。心配なら接着剤などで補強してやると良いだろう。
粘着テープは透明のゲル状でかなり強力だ。

リード線は約1メートル、途中に3Aのフューズが入っている。

動作としては電源を入れると光が左右に流れた後、点灯状態となる。12Vだとかなり明るい。
商品の動画はこちらで見れる → Amazon GZRUICA LEDテープライト
今回LEDテープを仕込むヴェゼルのフロントグリル上部の隙間は左右の幅 約85cm、上下幅は約1cmある。
長さ80cm、厚さ8mmのLEDテープがちょうどうまい具合に収まる。

ちなみに、マイナーチェンジ後のヴェゼルはこの部分の形状が違い、隙間が無いため残念ながら今回の方法をとることはできない。

工作
今回、LEDテープを取りつける部分は下図のようになる。

フロントグリルのいちばん上はメッキモールディングで、その下が塗装のモールディングだ。(わしのヴェゼルはこの部分だけ赤色に交換してある。)
LEDテープはメッキモールディングの下側に貼り付ける形にしようと思った。
まずはLEDテープを仮置きしてみてそのイメージを見てみる。
外部電源(12VのACアダプタなど)を使って点灯させてみるとよい。

先に書いたようにこのLEDテープは両面に粘着テープが貼られている。
貼り付ける面は片側だけのため、使わない面の粘着テープは剥がしてしまいたい。
でないと、赤い剥離シートがついたままであり、またそれが剥がれてしまうとゴミが付着することになるからだ。
粘着テープは強力に貼り付いているため、手でチマチマと剥がすには時間がかかってしまう。
そこで、荷物の梱包用テープを使うと良い。
梱包用テープを10cmぐらい切って、それで粘着テープをこすり取ってゆくのだ。
これで簡単に、しかもきれいに剥がしてしまうことができる。
くれぐれも剥がす面を間違えないように注意。

リード線につながっていたフューズは太すぎて通すことができないのでリード線はフューズの前で切ってしまう。
そして、カー用品店などで売っている配線チューブでリード線を保護するようにした。
【太さΦ3を使用。Φ5だと通らないと思う】

設置
貼り付けるにあたり、剥離シートを全て剥がすのではなく、ところどころだけ剥いて、目的の場所に軽く貼り付けたあと、剥離シートを引き抜くようにすれば失敗が少ないだろう。
これはエアロなどを取りつけるときによく使うテクニックだ。

貼り付ける前には、接着面(メッキモールディング下側)の汚れをよく落として脱脂しておこう。

細い棒を利用して、配線チューブのリード線をエンジンルーム内へ通してやる。
LEDテープのエンジンルーム内への引き込みは、下図の黄色線の向きで通すことができる。



配線ルートがきまったら、あとは剥離シートを剥がして、LEDテープを完全に貼り付ける。

最後にACC(アクセサリー電源)へ接続して完了だ。電流はたいして流れないが、風雨に晒される場所でもあるため万が一に備えフューズを入れておくと安心だろう。
日中はこんな感じ


夜間はこんな感じ

動画ではこんな感じ
拡張・変更
ここからは機能や使い勝手をちょっと変更する話しだ。
まずLEDテープの明るさ変更について。
このLEDテープの標準は12Vである。しかし12Vではちょっと明るすぎる感じがする。
あまり煌々と明るく目立ち過ぎるのもちょっと嫌。やはりあまり目立たず、なんとなく光ってるなぐらいの光り方が良い。
そこで途中に降圧DCーDCコンバーターを入れて、電圧を下げることにした。
このLEDテープは約8Vから動作する。そこで電圧を8~10V程度に下げることでけっこう暗くすることができる。(但しツブツブ感は目立ってくる。)
また、別の考えとして、日中は明るく、夜間は暗くするのもありだろう。
リアのスモールライトの電源をトリガーとして、電圧切り替え回路を作ってやれば実現できるだろう。
【降圧DC-DCコンバーター】

次に、車内からオフオンできるようにしたい場合。
諸事情でこの機能をオフしたい場合もあるだろう。
そこで車内にスイッチを設けて、オフオンできるようにする。
【スイッチはステアリング右下パネルに設置した】

エンジンルームと車内に配線を通すのは面倒だが、10芯ぐらいのケーブルを通しておけば、今回のグリルイルミネーションや今後いろいろなものを仕込めるだろう。
通すには左前のホイールアーチプロテクタを外した後、タイヤハウス内のカバーを浮かし、奥にあるゴムブッシュ(黄色矢印部分)を外せば、車内に通じる穴が見える。


もしオプションのフロントカメラが付けられているときはハーネスが通っているので、これに抱き合わせて通せば良い。

あとはスイッチを設置する場所までケーブルを引き込んで結線してやればオーケーだ。
他に変更したい点として、
現在はACC(アクセサリー電源)から電源を取得しているため、ハイブリッドシステム起動ボタンを押さないと点灯しない。
できればドアロック解除のタイミングで、このLEDテープが点灯して欲しい。
現在、回路図を探っているところだが、最近のヘッドライトユニットはCAN制御のためそう簡単にはいきそうにない。
何かいい方法がないか現在検討中だ。
おわりに
今回はブルーのLEDテープを使用したが、白色のものも販売されている。
白色の方が一体感があって良いかもしれないが、ポジションランプと色温度が異なるかも知れないので、それは実際に購入して見てみるしかない。
いつも言う事だけど最近のクルマは電子機器、コンピューターの塊みたいなもので、下手に触ると壊れたり、動かなくなってしまう。
この程度ならよっぽどヘマをしない限り十分楽しめる改造だろう。但しあくまでも自己責任であることはお忘れなく。


