クルマの「電子技術マニュアル」というもの(RAV4 50系)

クルマをいじる人にとって欠かせないのが構造や配線、回路などの図面。

今回はその整備マニュアル「電子技術マニュアル」について書いてみた。

電子技術マニュアルとは?

電子技術マニュアルとは、クルマの仕様、構造、回路図、診断方法などが収められているDVD-ROM。

本来は整備、サービス員が車両のメンテナンスで使用するためのもの。

であるから一般のユーザには必要もないし、そもそもお目にかかることはないシロモノだと思う。

しかし、改造やカスタムを仕事や趣味?にしている人にとってはこれぞ必携品。

よく、テスターで導通や電圧から信号経路を調べながら改造している人もいるが、最近の(もうとっくに)クルマはコンピュータやネットワークの塊みたいなものになっているから、ヘタにいじるとエラーや誤動作を招きかねない。

場合によってはエンジンが始動できなくなったり、コンピュータユニットを壊してしまうこともある。
(わしもエンジン始動できなくなったことがあった ^^;;)

なにしろ内部のLED照明ですら矩形波で明るさを変えているくらいなのだから。

できるなら回路を事前に調べて対応するのが最も安全というもの。
そこでこの「電子技術マニュアル」が必要になってくるわけだ。

このDVD-ROMをどのように使うかというと、Webブラウザ(だいたいIE(インターネットエクスプローラー)で見るようにできている。

DVD-ROMに直接アクセスして見ることもできるが速度が遅いので(チャカチャカうるさいし)、パソコン内にインストールできるようになっている。

裏面には使用可能なブラウザや必要なアプリケーションが書いてある。

トヨタ 50系RAV4の電子技術マニュアル

わしが始めて電子技術マニュアルを入手したのは十数年前。

このころもDVD-ROMになっていて、WindowsXPで動くようになっていた。

OSのバージョンで動作が左右されるため、Windows7や10で動かすにはちょっとした工夫も必要だった。

このころは紙の冊子図面も併売されていてあれこれ落書きができるのが便利だった。

この信号の電圧はどうで、どこから来ていてどの条件の時にオンになるかをメモとして書き込んでおける。

今回紹介する電子技術マニュアルは昨年(2019年)に発売されたトヨタの新型RAV4のもの。

ブラウザで見るのは同じだが、ずいぶんと考えて作られており使い勝手が良い。

javaでコントロールしつつ、図面自体はpdfファイルになっているようだ。

回路図上のユニットをクリックすると関連部位が点滅するなど気の利いた作りになっている。

回路図フェチな人?はしばらく暇がつぶせそう(笑)

尚、基板そのものの回路とかは入っていないので、基板を改造したい人は別の情報を入手する必要があるだろう。

また、パーツカタログも入っていないので、部品を手に入れたい人はディーラーや共販などで聞いて注文するのが良いと思う。

Windows8までしか動作しないように書かれているが、Windows10でもちゃんと動作する。
但しIEの設定はいじる必要はある。これは中に入っている説明書に書いてあるののそのとおりに設定すればOKだ。

電子技術マニュアルも紙化できないかというと、そうではなくちゃんと印刷という項目があってプリンタで印刷出力することができる。

これで落書きもできる。

ちなみに、この電子技術マニュアルは一般でも買うことができて、トヨタモビリティパーツ(株)で入手することができる。
(ディーラーでは断られるかもしれない。いじられて壊されるのがいやなんでしょう。)

お値段は6万円。技術資料だけに価格はかなりの高額。やっぱり普通のユーザーには必要ないモノですな。
(ホンダ車でも同じような価格です。)

注文して2週間ほどで届く。

また時々オークションでも出品されているいるようなので、ほしい人は「電子技術マニュアル RAV4」などで検索してみるとよいだろう。
(旧型車用も出ているので間違えないよう注意。)

また改訂版(メンテナンス版)も出ているので、よく見て落札するのがよいと思う。

設計変更や改良によって仕様、構造変更がかかっている可能性がある。改訂版であればより反映されているはずだ。

RAV4 ディスプレイオーディオについて

ちょっと話は逸れるが、今流行り?のディスプレイオーディオについて。


 出典:トヨタ自動車

トヨタは昨年(2019年)からディスプレイオーディオ(略称DA)を標準装備化してきている。

ディスプレイオーディオはご自分のスマートフォンを親機として、車両側に装備されたディスプレイユニットを介して画像表示したり、音楽を再生するもの。

カーナビもスマホのカーナビアプリで対応することになる。

更にオプション(有償)を追加すればテレビの視聴やスタンドアローン(スマホに依存しない)でのナビゲーションも可能になる。

カーナビはスマホのアプリを使用するわけだから、新規開通の道路情報も反映が早い。
従来の設置型カーナビのように地図更新しないと道の無い山ん中を走っている(空を飛んでるのか?)ということはなくなるわけである。

スマホ内のお気に入りの音楽も車内で再生できるし、一見、先進的なものに思える。

しかし、実は・・・

まあよく考えればわかるが、ナビゲーション性能はスマホのアプリ次第。

無料アプリもそこそこの性能があるのだろうが、「ナビゲーションシステム」に社運を注ぎ込んで開発されている設置型社外カーナビと比べればその性能の違いは推して知るべし。

それにスマホナビはネットワークがつながって機能するもの。(そうでないのもあるが・・・)

山深いキャンプ場に行って「圏外」ともなれば機能を果たさなくなる恐れがある。

それに、音響も、その性能が追いついているとは言い難いようだ。
オーディオ性能にこだわる人には物足りないかもしれない。

現行のディスプレイオーディオはまだ発展途上の状態なのだろう。

先日ディーラーの営業さんと話をしたが「ディスプレイオーディオはやめておきました」と言っていたね。

トヨタは戦略として「ディスプレイオーディオ標準装備」を推し進めたいのだろうが、これにがっかりしている人や不安に思っている人も多いと思う。
(アルベルではディスプレイオーディオを敬遠して、マイチェン前の駆け込み需要があったとか・・・)

社外カーナビに換装するという手もあるが、コネクタ形状などが異なり、すげ替えポンというわけにはいかないようだ。

しかし、安心できそうな情報がある。

2020年の年次改良(夏発売)でC-HRとRAV4では「オーディオレス」の設定がされる。

これはトヨタ関係者からの情報なので現在のところ信じてもよいと思う。
(ディーラの営業さんはその情報は無いと言ってたが。)

であれば好きな社外カーナビを取り付けられるわけだ。

【追記】2020.06.09

新CH-Rについては「ディスプレイオーディオのレス仕様をメーカーオプションとして追加。」
 https://car-repo.jp/blog-entry-toyota-c-hr-2020.html

おわりに

今回は電子技術マニュアルについて書いてみたが、クルマの基本構造は変わらないものの、その内部構造は大きく変化していっている。

特にEV化、自動運転化等の高度な技術が組み込まれ、なまじっかの知識でいじれば事故の危険さえ付きまとうわけである。

まあLEDの打ち替えしたり、エアロやガーニッシュを追加したりして遊んでるのがいちばんよろしいのかもしれませんな。

コメント

  1. 宮内健次 より:

    電子マニュアルの価格はディラーで¥15000くらいで販売しているもので価格¥60000はあり得ない
    なぜそのようなデマを記述しているのか 訂正すべきです

    • metaba より:

      コメント&ご指摘ありがとうございます。
      そうですね、確かに¥60000はあり得ない価格に思えます。

      しかし、この価格は実際に、トヨタモビリティパーツ(株)京都支社(旧トヨタ部品京都共販(株))での価格になります。
      メーカーの技術資料ですので高価格になるのは致し方ないようです。

      一般の方にも販売できますが、ヤフオクなどでは半額から1/3ぐらいの価格で出品されているので、必要な方はそちらをご利用されるのがよいかと思います。
      (但しバージョンが古い場合がありますので注意してください。)