安いパルスオキシメーターを買ってみた


最近、よく耳にする「パルスオキシメーター」。
ネットではかなり安いものが売られているが、果たしてちゃんと使えるのだろうか?

今回、購入してどんな感じか試してみた。

(ご注意:今回購入したものは中国製のコピー品。
リスクを感じる方はご購入を控えていただくのが無難かと思います。)

パルスオキシメーターを買うに至った理由

新型コロナウイルス感染者、低減傾向にはあるものの相変わらず多く、感染の可能性もじわりじわりと身近に迫ってきていると感じる今日この頃。

昨年まではどこか他人事であったが、最近、身近な人が感染してしまい、にわかに現実味を帯びてきた。
しかもその人の感染ルートがわからない。

その人はごく普通のサラリーマンであるが、夜遊びするわけでもなく、日々客先へは出向くが、それ以外は自宅と会社の往復だけだ。
わしも同じような生活を送っている。

誰かが言っていたが、感染するしないはロシアンルーレットをやっているようなもの。
いくら気を付けていても、運が悪ければ、この「弾丸」に当たってしまうと。

そして、もうひとつ気になるのが自宅療養者の多さ。
もし自分が感染したとしたら、おそらく自宅療養になる可能性は高いだろう。

それならば、感染してしまうことを前提に物事を考えてゆくのが得策ではないか。

感染した場合の対処について、テレビの情報番組などで登場するのが「パルスオキシメーター」。

これは感染の状態悪化の傾向をつかむことができるという。
これは是非買っておくのが良いかもしれないと思ったわけである。

下の画像は購入したものとは違うが、形状、価格ともほぼ同じもの。なんか、めっちゃ安いね。


 出典:アマゾン

「パルスオキシメーター」って何よ?

「パルスオキシメーター」とは血液中の酸素濃度(酸素飽和度)が簡単に測れる装置のこと。
ウイルスの感染程度を測る機械ではない。

新型コロナウイルスは肺の奥まで侵入し、肺の機能を低下させてしまう。
肺がどれくらい酸素を取り込めているか、この装置はそのおおよそを知ることができる。

1974年に日本光電工業株式会社の青柳卓雄氏らによってその原理が発明され、その後、ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)より「オキシメーター」として特許出願がなされたのだそうだ。

それまでは、動脈血を採血し測定しなければならなかったが、身体への負担をかけることなく、楽に測定できることから、病院や登山などにも広く使われるようになった。

コニカミノルタ社に歴史の図があったので参考にお借りした。

出典:コニカミノルタ

測定の原理

どうやって酸素濃度を測っているのか興味があったので、その動作原理について調べてみた。

パルスオキシメーターは血液の赤い色を見ている

血液は一見すると赤い液体のように見えるが、顕微鏡レベルで見ると血漿、赤血球、白血球や血小板などから成り立っている。

このうち血漿は薄黄色だが、その血漿の中に大量の赤血球(赤色の細胞)が浮かんでいるため赤く見える。

この赤血球の赤色は「ヘモグロビン」という色素の色で、酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をする。

そしてヘモグロビンは酸素と結びつけばつくほど鮮やかな赤色になる。俗にいう鮮血というやつですか。

しかし、酸素を失えば、その赤色はくすんで黒っぽくなる。

そこでこの「赤色の度合い」を測れば、どのくらい酸素と結びついているか(酸素飽和度=酸素に結びついたヘモグロビンの比率)を知ることができるわけだ。

肝となるのはふたつの光

ではそれを測るためにはどうするか。

血液に対し2つの光を照射する。
ひとつは赤色光(波長660nm)、もうひとつはは赤外光(波長940nm)。

まず赤色光(波長660nm)は、酸素を失って黒ずんだヘモグロビン(還元ヘモグロビン(Hb))ほど、より吸収される。
逆に言えば、酸素を取り込んだヘモグロビンほど赤いため赤い光が吸収されず外に出てくるということになる。

一方、赤外光(波長940nm)は、赤いヘモグロビン(酸化ヘモグロビン(HbO2))ほどより吸収される。
(※ネット上では赤外光はどちらにも吸収されにくいと書かれた記事もある。)

この性質を利用して、それぞれどれだけの光が透過したか、つまり吸収されずに出てきた光の量を測定する。

「手の平を太陽に透かして見れば~、真っ赤に流れるぅ、ボクの血潮~♪」というあのフレーズの応用である。

つまり一方から光を当て、反対側のセンサーに届いた光の量で「赤い度合い」と「赤くない度合い」の2つを調べ、その比率からどれだけ酸素が乗っかっているかが分かるというわけだ。

話は少し逸れるが、アップルウオッチは赤色と緑色のLEDの光を手首の血管に照射して、その反射光の量を読み取って酸素飽和度を調べているとのことだ。

画像のように内側に光源LEDと受光センサーがある。

正常値は概ね96%から100%、それ以下だと低酸素状態、90%を切るとヤバい状態であるらしい。
ただし、指の血流の影響を受けやすいため、指先が冷たいときには正確に測定できない。

異常値が出た場合、指を温めたり、他の指につけかえてみる必要がある。
また光の透過を見ているわけだから、マニキュアやバンドエイドを貼っていたりすると正確に測定することができない。

このあたりは使用方法に注意として記載されている。

安いパルスオキシメーターは使えるか?

結論から言うと「たぶん使える」である。

箱の右上には「CMS50D」という型番が書いてある。

但し、冒頭にも書いたように、どうもこれは模倣品。
これは「CONTEC社パルスオキシメーター 型番:CMS50D」という機種のコピー品なのである。

(しかも本体の裏には別の型番が書いてあるし・・・どっちがホントの型番なんだろね?)

hanaさんという個人ブログにくわしい記事がありますので、そちらをご参照されると良いと思います。
https://happygolucky.blog.jp/archives/34185467.html

さて注文後、10日ほどすると佐川急便が持ってきてくれた。

内容物は本体、ストラップ、簡単な説明書。

電池は付属していないので別途用意する必要がある。(単四が2本必要)

本体横には、何やら「医療機器届出番号」も書いてあるが、中国への届出番号?

これを指の先端を挟むことで測定する。まるで太い洗濯バサミみたいな形状。
しかし中華製にありがちな、安っぽさが無くかっちり作ってある感じで、よくできている印象を受ける。

正確さについては現状、判断のしようがないのだが、しかし、普段使いでだいたい98%を指しているし、嫁さんが測っても98%を指す。

ちょっと息が上がる筋トレをやると、96%ぐらいになるから、測ってるのは間違いなさそうだ(笑)
(但し、脈拍については、手首血圧計で測った値と少し違いがある様子。)

指を外すと、”Finger Out”と表示され、4秒程度で電源オフになる。

測定中はボタンを押すごとに表示の向きを変えられる。
左指で測ると、向こう向きの表示になるのだが、ボタンを押すと手前側への表示にできる。

説明書には傾けることで、液晶表示を変えられると書いてあるが、この機能は無かった。

小さなカラー液晶なのだが、これが意外とキレイ。
始めて使ったときは、そのキレイさに思わずうなってしまったくらいだ。
コピーにしても品質良すぎ?・・・さすが中華。(褒めちゃいかんよね。)

まあ、コントロールチップとその波長を出すLED、小型カラー液晶、ガワがあれば小さな町工場でも簡単に作れてしまうのだろう。
コントロールチップはともかく、安価なLEDを使っている可能性はあるかもしれない。

今回、アマゾンで購入したが、現在も検索すると山のように出てくる。
価格は1000円以下のものから数万円のものまで、形状はどれも似たような形。

中には性能的にダメダメなものがあるかもしれないが、どれも似たような製造品であるような気がする。
そのあたりはレビューから判断するしかないかもね。
(もちろんニプロなどの医療メーカー品なら間違いはない。)

おわりに

感染者低下傾向とはいえ、まだまだコロナ禍は収まりそうもない。

もし感染してしまったときのことを考え、日々、身体を鍛え、バランスの良い食事を取り、過度のストレスを避け、海藻類を食べて腸内細菌を育んで免疫力を向上させる。
そんな生活も続けてゆくことが必要だろう。

また、今回のようにコピー品を使うという行為は褒められたものではないが、いざというときの目安にはなる気がする。
無いよりはマシぐらいのつもりで割り切れば使えそうだ。安いしね。

「だから、コピー品が出回るんだ!!」とお叱りを受けそうなので、今回はこの辺で。